手話通訳士と手話通訳者の違い

手話通訳士とは

「手話通訳士」は資格の名称

「手話通訳士」とは資格の名称で、厚生労働省が聴力障害者情報文化センターに実施を委託している手話通訳技能認定試験に合格し、聴力障害者情報文化センターに登録している手話通訳者のことを指します。

手話通訳士は手話通訳業務を独占しているわけではなく、名称を独占しているだけであるため、この資格を持たずに手話通訳に携わっている人もたくさんいます。

手話通訳士の資格がなければ通訳ができないという場面は政見放送や裁判などのごく一部に限定されています。

したがって、それ以外の手話通訳はこの資格がなくても行うことができるのです。

資格取得は超難関

厚生労働大臣認定の手話通訳士の資格を持つ人は、2020年現在3,822人います。

「手話通訳技能認定試験」は1989年(平成元年)から始まりましたが、開始から現在に至るまでの平均合格率は約10~20%と低く、手話通訳士の資格を得ることがかなり難しいことがわかります。

この一方で、手話通訳士の資格がなくてもほとんどの場所で手話通訳の業務に携わることができるため、わざわざこのような難関試験に挑戦しない人も多いのが現状です。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

手話通訳者とは

手話通訳者とは、それぞれの都道府県で認定された手話通訳をする人のことです。

主に都道府県が認定した民間機関(全国手話研修センター)が実施する「手話通訳者全国統一試験」に合格することが条件で、試験に合格した後、都道府県の独自審査に通過することで「都道府県認定の手話通訳者」になることができます。

ほとんどの手話通訳者がこの試験だけで手話通訳をしており「手話通訳士」の資格を持たない人も大勢います。

都道府県の手話通訳者認定制度には法的根拠は無く、統一されたガイドラインもありません。

省令によって独自の制度を設けている自治体もあるので、受験の際はよく確認するようにしましょう。

また、各自治体では、手話通訳者を養成するため、手話通訳者養成講座が開講されている場合が多く、この講座を修了すると修了証が交付されます。

養成講座修了者は「手話通訳全国統一試験」の受験資格が与えられますが、受験資格要件は他にもあるため、養成講座を受けていない者でも受験する事は可能です。

手話奉仕員とは

手話奉仕員とは、市町村が実施する手話奉仕員養成講座を修了した人のことです。

手話奉仕員養成講座は入門課程と基礎課程に分かれており、基礎課程を修了すると、市町村に手話奉仕員と登録されます。

登録に試験を課している市町村もありますが、中には自己申請で登録できる市町村もありますし、厚生労働省障害者社会参加促進事業の中で手話奉仕員の養成・派遣事業を行なっている地方自治体も多くあります。

しかし、知識的・技術的な面においては手話通訳とは異なるもので、はっきりとした技術の差が見られるのが正直なところです。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

民間の手話検定

民間資格としては「全国手話検定試験」「手話技能検定」という検定試験があります。

これらの検定試験は、耳の不自由な方と手話でコミュニケーションがとれるかどうかの能力を問うための検定試験であり、手話通訳の技能をはかるものではありません。

手話の基本技術の習得を目指す上で、これらの検定を受検することは自身の実力を把握する目安になるでしょう。