手話通訳士の1日のスケジュール・生活スタイル

手話通訳士の業務スケジュール

毎日異なる現場へ

手話通訳士の仕事は、毎日同じ場所に行き同じ人の通訳をしているのはまれで、依頼があったところに毎回派遣されるという働き方をするのがほとんどです。

そのため毎日異なる現場に行くこととなり、業務スケジュールも日によって異なることが多いようです。

働き方によっては不規則な生活になることもあることを知っておきましょう。

手話通訳は20~30分交代

手話通訳は、非常に集中力を必要とする仕事のため、一人が連続して行うことができません。

講演会の通訳では30分、テレビの通訳では20分を目安として交代するようにしています。

そのため複数の手話通訳士が交代で仕事につけるよう、2~3名のチームを組んで働くことがほとんどで、時間単位で給料が支払われます。

副業・兼業で働く手話通訳士

各自治体で働く手話通訳者の給料は、一件の依頼につき5,000円前後が目安とされており、多くの依頼を受ける人であっても、せいぜい月7~8万円程度です。

そのため手話通訳者のほとんどが他に本業を持っており、仕事をしながら副業・兼業で手話通訳をしています。

日中に通訳士として働きながら夜間にアルバイトをしたり、本業を持ちながら週末で手話通訳をしたりするなど、長く働くためには働き方も工夫が求められるでしょう。

<手話通訳者派遣センターから派遣される手話通訳士の1日>

9:00 現地に到着
あらかじめ派遣センターから仕事の詳細をもらい、集合場所に集まります。
手話通訳が始まる1時間前には到着し、チームの仲間と合流します。
現場では担当の方へ挨拶、打ち合わせを行い、準備を整えます。
10:00 研修での手話通訳
正確な手話通訳ができる時間は、30分が目安と言われており、研修や会議などで手話通訳を行う場合は、2名以上の手話通訳士が担当となります。
この日は20分程度で交替しながら、研修での手話通訳を行います。
13:00 お昼休憩
14:00 研修での手話通訳
午後も複数人の手話通訳士とともに、交代で手話通訳を行います。
手話通訳中は集中力を欠かすことができないため、どっと疲れを感じる人も多いようです。
17:00 帰宅
現場で挨拶をしたのち帰宅します。
帰宅後は、派遣会社へ当日の仕事について報告を行います。
今日の振り返りを行い、専門用語などわからなかった部分は自分で調べるなど復習も欠かしません。

<講師を務める手話通訳士の1日>

9:00 現場に到着
きょうは高校の授業の一環で、手話についての講演を行います。
基本的には聴覚障害者と、手話通訳士の講師の2人セットで派遣され、聴覚障害や手話についての理解を深めてもらいます。
10:00 講師を務める
聴覚障害者のアシスタントとして、講演をサポートします。
12:00 休憩
講演終了後、この日は次の仕事まで余裕があるため、いったん帰宅して手話の勉強や次の手話通訳の予習などを行います。
17:00 手話教室の準備
手話教室の会場へ向かい、会場やテキストの準備をします。
18:00 手話教室の講師を務める
地域のカルチャーセンターで手話教室の講師を務めます。
参加者のレベルや障害の程度などを考えながら指導していきます。
21:00 帰宅