手話通訳士に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介

手話通訳士に向いている性格・適性

相手の気持ちを考え、行動できる人

手話通訳士は、多くの人と関わり合いながら聴覚に障害を持つ人のコミュニケーションをサポートしています。

仕事をする上では、正しい手話技術が使えることはもちろん必要ですが、何より大切なのは常に相手の立場や気持ちを考えて行動することです。

接する相手は一人ひとり障害の程度も違えば、考え方や性格も異なります。

そのため、相手がどんなことを望んでいるのかなどを常に理解するように努め、相手に喜んでもらうためにしっかりと考えて、行動できる人が向いています。

困っている人を放っておけない人

手話通訳士は人を助ける仕事なので「困っている人を助けたい」「誰かの役に立ちたい」という気持ちがとにかく強い人は、この仕事に向いているでしょう。

自分が人の力になり、その結果喜んでもらうことが何よりも嬉しいと感じられる人なら、手話通訳士として活躍できるでしょう。

福祉の仕事に興味がある人

手話通訳士は、ただ手話技術を磨くだけでなく、障害を持つ人が生きる世界や考え方をも理解していなければなりません。

また、手話通訳士が活躍する福祉施設などでは、職員として手話通訳以外の仕事と兼務する人もいるため、福祉全般に興味を持っている人が向いています。

常に勉強を続けていくことで、より多くの人を助けられたり、相手のさまざまな要望に応えられたりするようになっていくでしょう。

手話通訳士になるには? 必要な資格は?

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手話通訳士に必要なスキル・能力

手話のスキル

手話通訳士に手話の高度なスキルが求められるのはいうまでもないでしょう。

手話通訳士は、手話での会話が問題なくできた上で通訳する技術が必要であるため、基本はもちろん高度な手話のスキルが必要なのです。

最低でも3年間の手話学習が必要であると考えられており、手話技能検定の1級の受検目安であるともされています。

この検定は手話通訳の技能をはかるものではありませんが、手話に関して十分な知識があり、技能も一定レベルに達していなければ合格することはできません。

自分の実力を知る方法として、この1級合格を目指すのもよいでしょう。

幅広い知識や教養

手話通訳を行う場面は教育現場などの文化施設、行政の窓口から裁判所のような専門機関までと多種多様です。

手話に限らず、通訳者は自分が理解できることしか通訳することができません。

そのため、通訳を行う場面でやりとりされる言葉について理解していなければ、正確に情報を伝えることができないのです。

したがって、手話通訳士には幅広い知識や教養が要求され、一般常識や世間の動向などの幅広い情報に目をむけて知識を深めておくことが必要です。

わかりやすくまとめる力

通訳の対象は必ずしも話の上手な人ばかりではありません。

ときには何を伝えたいのかよくわからないことも、通訳しなければならないこともあるでしょう。

そのため、手話通訳士は話し手が「何を言いたいのか?」を正確に理解して即座に察知し、聞き手に分かりやすいように整理した上で伝達することのできる資質が求められます。

それと同時に、聞き手の立場も考えなければなりません。

聞き手が幼い子どもである場合はやさしい表現にし、高齢者の場合は外来語をなるべく和語に直すなど、工夫をしながら通訳する必要があります。

話し合う双方が何を求めていて、何を伝えたいのかを正確に理解したうえで、公正な判断のもと交渉のサポートを行なう能力が求められるのです。

福祉に対する強い情熱

手話通訳士は、聴覚障害を抱えた人々のコミュニケーションを円滑にするために尽力する立場です。

そのため聴覚障害者の生活を深く理解し、彼らをサポートしたいという強い熱意を有していることが最低条件です。

耳の不自由さを深く理解するためには、福祉の基礎知識を学んだり、実際に福祉施設等で触れ合う機会を持ったりするのも大切なことです。

手話通訳も一種のコミュニケーションです。

聴覚障害者への深い理解がなければ成り立たないものであると考えておきましょう。

手話通訳士に向いていないのはどんな人?

手話通訳士は、自分よりも話し手や聞き手の立場になって仕事をしなくてはなりません。

人のことよりも自分のことを優先したいといった考えを持っている人には、あまり向いていないといえます。

また、手話通訳士の仕事を続けるには、日々手話のスキルをアップさせ、手話以外にもさまざまな教養を持たなくてはならないため、向上心が低い人や、勉強が苦手な人には難しいかもしれません。