手話通訳士のつらいこと・大変なこと・苦労
手話通訳士のつらいこと・大変なこと
手話通訳をする際には、健常者と障害者という違いはあっても、同じ人間同士のコミュニケーションだという気持ちを忘れないことが大切です。
手話のスキルを磨くことも大事ですが、一人ひとり違う人と接する中で、相手の気持ちを考えることのほうがずっと難しいと感じるはずです。
そのためにも、障害者の生活環境や相手がどのような悩みを抱えているのかなどについて、きちんと理解しようという姿勢を持ち、福祉に関する知識も持っている必要があります。
手話通訳士は、聴覚障害者のことをきちんと理解し、思いやりの心を持って仕事に臨まなければならないのです。
20代で正社員への就職・転職
手話通訳士の悩み
手や腕を痛めやすい
手話通訳士といえば、どちらかというと頭を使う仕事で体力は必要ないというイメージがあるかもしれません。
しかし、通訳中は絶えず腕や手を動かし続けるため、かなりの重労働です。
とくに肩凝りや頸肩腕障害という過労性の疾病に悩まされる人が多く、酷くなると腕を動かすのも痛くてたまらないといったことがあるようです。
普段から無理をし過ぎず、自分の体調にも気遣いながら仕事を行うことが大切です。
また、手話通訳をするためには非常に集中力を使うため、慣れないうちは一つの仕事を終えるとぐったりしてしまうという人も多いようです。
手話通訳だけで生活するのは困難
現在の日本では、まだ手話通訳士が職業としてしっかり確立していないのが現状です。
せっかく手話通訳の技術を取得したのに、活躍の場が見つからないという可能性もあります。
とくにフルタイムで働ける場を探すのは大変で、多くの人は福祉施設の職員と兼務して働くことになるでしょう。
しかしいざ現場に入ってみると、なかなか手話通訳を生かす機会がないといったこともあるようです。
一方、仕事としてはまったく他の職業に就き、空いている時間を使ってアルバイトやボランティアとして活動を行う人も多く存在します。
さまざまな形で手話通訳に関わることは可能ですが、手話通訳の仕事だけで食べていくのは厳しく、これから職業として確立されることが望まれます。
手話通訳士を辞める理由で多いものは?
手話通訳を辞める理由で一番多いものは、職業として成り立たないという収入面の問題です。
福祉や介護の仕事を兼任しながら仕事をする人が大半ですが、こうした現場での仕事は給料が低い場合も多く、手話通訳の仕事をあきらめてしまう人も多いようです。
また、手話通訳を続けるには専門用語などを学び続けなくてはなりません。
手話通訳士になるには十分な勉強が必要ですが、その後も日々勉強を続けなくてはいけないため、向上心がなかったり、こつこつと勉強をするのが苦手だったりする人には挫折してしまう可能性があります。
さらに、この仕事の特徴としてコミュニケーションが重要であることがあげられます。
手話のみでのコミュニケーションは言語を使う場合に比べると難しいため、聴覚障害者と関係をうまく築けない、仲間同士でチームワークがうまくいかないなど、人間関係で悩む人もいるようです。