市議会議員のやりがい・楽しさ・魅力
市議会議員のやりがい・楽しさ
有権者との距離の近さ
市議会議員は、県議会議員や国会議員よりもはるかに私たちに近い、「もっとも身近な政治家」といえます。
育児や教育、医療、介護、就労、防災など、市民からさまざまな相談ごとを持ち掛けられ、頼られる存在となれることが、市議会議員にとっての最大のやりがいです。
とくに近年は、貧困やDV(家庭内暴力)、老老介護など、自力ではどうにもできず、政治の助けを必要としている人が増えています。
市民の代表として、そうした人々の声に耳を傾け、解決に向けて尽力していくことこそが市議会議員の本分です。
「困っている人の力になりたい」という奉仕の精神が強い人ほど、市議会議員の仕事にやりがいを感じやすいでしょう。
仕事の成果がすぐ表れやすい
市議会議員が扱う政治的議題は、規模がそれほど大きくないだけに、やり方次第で比較的早く解決できるものも数多くあります。
たとえば市民から「〇〇交差点は見通しが悪くて交通事故が多いから、なんとかしてほしい」という陳情が寄せられたとします。
すると市議は、停止線や横断歩道を見えやすいように引き直す、カーブミラーを増設する、誘導員を配置するといった対策を議案にまとめ、議会に提出します。
承認されて予算が下りれば、すぐに工事や人員を手配して、改善にあたることができます。
こうした仕事のスピーディさは、国会議員が取り組むような何年もかかる国家プロジェクトでは到底期待できないものです。
「自らの手で地域社会をよりよくしている」という実感を得やすいことは、市会議員ならではの大きなやりがいといえるでしょう。
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市議会議員の魅力
仕事の自由度の高さ
市議会議員は、仕事の自由度の高さが大きな魅力です。
市議に義務付けられている仕事は、年間約87日間ある市議会への出席だけです。
残りの278日間、1年のうち4分の3ほどは、何をするのも個人の自由です。
会社員や公務員のように、決まった場所・決まった時間に出勤する必要はありません。
先輩も上司もいませんので、指示を受けたり注意されたりすることもなく、上下関係に思い悩むこともほとんどないでしょう。
市議としてどんな課題を見つけ、どう取り組んでいくのか、すべては自分しだいです。
そのかわり、4年に1度の選挙で落選すれば即座に職を失ってしまうというリスクはありますが、自分の思うようにやりたいという人にとっては、非常に快適に働ける仕事といえるでしょう。
段階的にステップアップしていける
市議会議員は、「政治家への登竜門」という側面ももっている職業です。
政治家一族の出身者や著名人、芸能人など、ごく一部の特殊な人を除けば、一般人がいきなり衆議院議員選挙や参議院議員選挙に出馬しても、当選する可能性はほぼないでしょう。
しかし、市議会議員であれば、自身の努力や選挙の戦い方により、十分に勝てるチャンスがあります。
意外に思う人もいるかもしれませんが、市議選の競争率は決して高くはなく、全国平均でおよそ1.2倍程度です。
立候補者数が議員定数を下回り、「全員当選」となった自治体も100以上あります。
政治家を志している人にとって、市議会議員は最初の一歩を踏み出すのに適した職業であり、市議として政治経験を積むことによって、市長や県議、県知事、国会議員など、次のステップも見えてくるでしょう。
菅義偉総理も、最初は横浜市議から政治家としてのキャリアをスタートさせました。
市議として政治の世界に入り、やがては総理大臣にまで上り詰めることも、決して不可能ではないかもしれません。