潜水士のつらいこと・大変なこと・苦労
潜水士のつらいこと・大変なこと
厳しい訓練
潜水士として業務を遂行するためには、厳しい訓練をこなさなくてはなりません。
水中という特殊な環境に長時間身を置くことは人間の身体にとって負担がかかる行為であり、しっかりとした知識・技能を持ったうえで潜水しなければなりません。
知識や技能がなければ、身体に悪影響を及ぼすだけでなく、最悪の場合は命まで落としてしまいます。
潜水士の免許を取ること自体はそこまでハードルが高くありませんが、安全に、確実に作業を進めていくためには、日ごろからしっかりと訓練をしておくことが不可欠なのです。
どの会社や組織に所属するとしても、経験が浅いうちは訓練からスタートします。
とくに海上保安庁では潜水士になるために非常に過酷な訓練が行われることはよく知られており、訓練期間中は体力的にも精神的にも追い詰められ、つらいと感じることもあるかもしれません。
しかし厳しい訓練を乗り越えられる人でなければ、とても現場で仕事をすることはできないと考えられているのです。
潜水士は、生半可な気持ちでできる仕事ではないということは理解しておく必要があるといえるでしょう。
一人前になるまでに時間がかかる
潜水士は潜りの技術があることに加え、建設や調査、救難など、目的に応じてさまざまな水中作業をこなすだけの専門的なスキルが必要とされます。
水中では身につけた技術を駆使して作業を進めていきますが、気圧の違いなど、地上とは異なる制約の多い環境で作業を進めるのは思っている以上に大変なことです。
頭では理解していても、天候や潮流の流れなど予測できない部分もあり、思うように身体を動かせないということもあるでしょう。
誰にでもできる仕事ではないところは潜水士のやりがいといえますが、一朝一夕で一人前になれる仕事ではありません。
潜水士としてデビューしてからも、現場でたくさん経験を積んで実力を磨いていかなければならないところも、潜水士の大変な面だといえるでしょう。
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潜水士の悩み
潜水士の悩みとしては、コミュニケーションが取りづらいことがあげられます。
潜水は美しい海だけで行うものではありません。
水の透明度が低く、手元がやっと見えるほどであったり、波が高く潮の流れが速かったりなど、作業がしづらいことも多々あります。
そんなときは声や身振り手振りが地上に届かないため、どうしてもコミュニケーションが取りづらくなります。
また基本的には一人作業のため、コミュニケーションがうまくとれないときには恐怖や危険を感じることも少なくありません。
これには日頃から仲間とコミュニケーションをとり、たとえ地上と水中という距離があったとしても、意思疎通ができるようしっかりと心がける必要があります。
潜水士を辞める理由で多いものは?
潜水士を辞める理由で最も多いものは、年齢に伴う体力の低下です。
海上自衛隊や海上保安庁では、特殊救難隊や機動救難士など多くの潜水士が配置されていますが、その大半が20代~30代です。
救難を行うためには強靭な精神力と体力が求められるため、どうしても若い世代が中心となり、40~50代の潜水士はごくわずかです。
民間に勤める場合も高齢化により離職する潜水士が多く、潜水が難しくなると、大半は陸上業務となります。