【2023年版】力士の年収はいくら? 給料についてくわしく解説・懸賞金

力士の収入の仕組み

日本相撲協会からの給与や手当

力士の主な収入は、日本相撲協会からの給与や手当、成績に応じて額の決まる褒賞金などです。

給与は「基本給」と「手当」で構成された月給制となっており、番付が十両以上の力士に支給されます。

また相撲の世界では「褒賞金」という制度があり、力士は月給以外に褒賞金をもらうことができます。

褒賞金は「序ノロ」に入ったところから、番付や場所の成績、昇格などによって最低支給標準額が決まっています。

勝利した力士に与えられる懸賞

力士の主な収入源として、懸賞もあります。

懸賞は勝利した力士に授与されるもので、企業などの広告費が勝った力士に支払われる仕組みです。

取組ごとに懸賞がかけられており、取組の前に広告となる懸賞旗が土俵の周りをまわっていきます。

幕内力士の場合、1本の懸賞旗には7万円が広告費として支払われており、そのうち3万円を現金で受け取ります。

さらに、3万円は納税充当金として力士名義の預り金として天引きされ、余剰金は引退時に支払われます。

懸賞の7万円のうち1万円は相撲協会の運営費などに当てられますが、懸賞旗1本で計6万円は勝利力士のものとなります。

人気力士には多くの懸賞旗が出るため、人気と実力があれば懸賞だけでもかなりの金額を得ることができます。

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力士の平均年収・収入

力士の平均年収は2000万円以上とされていますが、他のプロスポーツと同様に収入は活躍度によって大きく異なります。

相撲の場合はとくに、日本相撲協会から給料が支払われるのが十両以上となっているため、全体の約90%を占める幕下以下の力士には給料が支払われません。

給料のない幕下以下の力士については場所ごとに手当(養成員場所手当)がつき、その額は序ノ口で年額42万円、序二段で48万円、三段目で60万円、幕下で90万円です。

その他、「奨励金(幕下以下奨励金)」も本場所での成績によって支給されます。

幕下以下の各番付での優勝賞金も出ますが、その額は10万円~50万円程度となっており、決して高額なお金が手に入るわけではありません。

十両と幕下の間には収入の面でも天と地ほどの差があるため、幕下以下の力士は一日も早く一人前とみなされる関取を目指しています。

力士のトップレベルの年収

十両以上の番付になれば日本相撲協会からの給与や手当、褒賞金、懸賞を中心に、補助金、賞与、出張手当、力士補助金などさまざまな収入があります。

年間の給料は十両が約1700万円、幕内で約2100万円、大関で約3800万年、横綱で約4700万円となっています。

その他、「タニマチ」とよばれる支援者からのご祝儀、CMや各種イベントへの出演料などを含めると、総収入は十両で年間約2000万円、人気横綱であれば1億円を超えるといわれています。

力士の待遇の特徴

強くて人気があれば収入がどんどん増えていきますが、一人前として認められる十両以上の番付になるまでは収入もかなり低いのが力士の待遇の特徴です。

ただし、日本相撲協会からの給与が支給されない幕下の力士も、相撲部屋で共同生活をしているため衣食住は保障されています。

また、力士は他のプロスポーツ選手と比べて待遇面で恵まれている一面もあります。

野球やサッカーなど他競技の選手は税法上では個人事業主ですが、力士は公益財団法人の職員という立場となるため、健康保険や厚生年金の被保険者となることができます。

番付が低く給料は少ない力士であっても社会保険の恩恵を受けられるというメリットがあり、それも力士の待遇の特徴の一つです。

力士の退職金はいくらもらえる?

力士に退職金は出る?

厳密にいうと、力士には「退職金」というものはありません。

しかし、力士が引退したときには、一般の会社でいう退職金に相当するものとして「養老金」の制度があります。

養老金には「基本金」と「勤続加算金」があり、それぞれ十両以上の実績がある力士に対して引退時に支給されます。

養老金の額は「力士養老金および勤続加算金支給規定」に基づき、番付や勤めた場所数などに応じて算出されます。

養老金の「有資格者」の条件は幕内(前頭以上)として連続20場所以上、もしくは幕内通算25場所以上の力士となっており、除名処分を受けた者には支給されません。

「非資格者」であっても、十両以上の実績があれば一定の金額は支給されます。

養老金の相場は?

養老金の基本金は、横綱が1500万円、大関が1000万円、関脇・小結・前頭が763万円、十両が475万円となっています。

また、勤続加算金は番付によって一場所ごとの金額が決められており、それに各番付における勤続場所数を掛けて算出します。

一場所ごとの金額は、横綱が50万円、大関が40万円、関脇・小結が25万円、前頭が20万円(非資格者は15万円)、十両が15万円となっています。

たとえば横綱として10場所勤続した場合は500万円、大関として10場所勤続した場合は400万円ということになります。

つまり、横綱として10場所、大関として10場所勤続していれば計900万円となり、十両以上の番付で出場した場所をすべて加算して計算します。

力士の「退職金」にあたる養老金は、番付や力士としての実績によって大きく異なります。

特別功労金について

養老金とは別に、「特別功労金」という制度もあります。

特別功労金の支給額は、引退時に理事会の決議によって現役時代の実績から決められることになっています。

具体的な金額については、現在は個人情報保護の観点から非公開となっていますが、かつて横綱として活躍した貴乃花には1億3千万円、同じく横綱の朝青龍には1億2千万円が支給されています。

幕下の力士には退職金は支給されない

力士は20代のうちに引退する人も多いため、引退後には別のキャリアを考えなくてはならない人がほとんどです。

力士の引退後の主なキャリアとしては親方として相撲界に残ったり、タレントや格闘家に転身したりするケースもありますが、これらはすべて現役時代に実績を残している力士に限られます。

十両に昇進することができずに引退を迎えた力士のセカンドキャリアとしては、整体院やマッサージ店の開業、ちゃんこ屋などの飲食店経営といったケースが多いです。

全力士のうち十両に昇進できない人が約90%を占める世界ですから、全体として見ればほとんどの人には「退職金」に相当するものは支給されません。

相撲の世界では、すべてにおいて幕下と十両の間に天と地ほどの大きな差がありますが、退職金においても同様のことがいえます。

引退後にセカンドキャリアへとスムーズに入っていけるようにするためにも、力士は一人前とされる「関取」を目指して日々の稽古に励んでいます。