力士の1日のスケジュールは? どんな生活をしている?

相撲は日本の伝統的なスポーツであり、力士たちは日々厳しいトレーニングをしています。

力士たちは一日をどのように過ごしているのでしょうか?

この記事では朝早くから始まる稽古や特別な食事、そして休息時間など、力士たちの鍛錬の日常について解説します。

力士の1日の過ごし方

番付によって生活にも大きな差がある

大相撲の世界では、「番付」という階級制度が力士たちの地位や給料、待遇に大きな影響を与えます。

力士の番付は横綱を頂点に、上から以下のような種類があります。

・横綱
・大関
・関脇
・小結
・前頭(平幕)
・十両
・幕下
・三段目
・序二段
・序ノ口

とくに大きな差があるのは、幕下以下と十両以上です。

幕下から十両に上がると、いわゆる関取として「〇〇関」と呼ばれるようになります。

十両以上の力士は関取としてプロとしての給料や賞金を受け取る一方、幕下以下の力士は経験を積むために厳しい環境で頑張っています。

若手力士は「付け人」として関取の世話をする

幕下以下の力士が関取の付け人をしながら生活することは、相撲界において一般的なことです。

関取の付け人としての役割は非常に多岐にわたり、力士たちは自らの稽古や試合に加えて、関取の世話や支援をすることで生計を立てています。

また、幕下以下の力士は、厳しい日々の生活の中で自分の稽古に専念しつつ、関取の付け人としての責任も果たします。

彼らは心技体を磨きながら、自分の力を証明して上の番付を目指していきます。

相撲界は厳しい競争の世界であるため、力士たちは努力と忍耐を持って、一つ上の段階を目指して挑戦を続けています。

関取の付け人が担当する主な役割は次のようなものです。

荷物持ちや身の回りの世話

関取の日常生活において、荷物持ちや必要な物品の準備、洗濯、掃除などの世話をします。

買い物や料理

関取の食事の用意や買い物に付き添い、料理を担当することもあります。

マッサージや治療補助

関取の身体のケアを行うために、マッサージなどすることがあります。

観客や報道陣への対応

観客や報道陣が群がる場合、関取をサポートして警備や対応をします。

稽古相手

関取が本格的な稽古を行う際に、付け人が稽古の相手を務めることがあります。

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試合日(本場所)の力士の1日

以下は、本場所中の若手力士の1日のスケジュールです。

6:00 起床
本場所中は普段よりも少し起床時間が遅くなりますが、若手力士は6時頃には起床します。
7:00 朝稽古
本場所のないときの稽古よりは軽めのメニューで、体をならす程度に行います。
9:00 会場へ移動
番付の低い力士の取り組みは朝8時台から始まっており、自分の取り組みの時間に合わせて会場に移動します。
10:30 取り組み(試合)
時間になったら、取り組みを行います。
12:00 食事
関取は取り組みが終われば部屋へ帰りますが、付け人は関取の取り組みのために支度部屋(控室)に残ります。
13:00 関取の取り組みの準備
関取の化粧まわしや締め込みなど、取り組みのための準備をします。
16:00 ちゃんこ番
関取の取り組みが終わったら部屋に戻り、「ちゃんこ番(食事を作ること)」をします。
18:00 食事(夜ちゃんこ)
親方と関取の後に食事をします。
19:30 自由時間
食事の片付けをしたら自由時間となり、門限までは近くのコンビニなどへ買い物に出かけることも可能です。
23:00 消灯
翌日の稽古と取り組みに備え、早めに就寝します。

練習日(稽古日)の力士の1日

以下は、若手力士の稽古日の1日のスケジュールです。

5:30 起床
入門したばかりの力士はさらに早く起きる場合もありますが、起床後は身支度をしてすみやかに土俵に向かいます。
6:30 朝稽古
土俵を準備し、まずは四股やすり足などの基本動作からスタートして、ぶつかり稽古などを行っていきます。
9:00 見取稽古
関取たちの稽古が始まったら、関取がスムーズに稽古をできるように動きます。
11:30 入浴
稽古が終わったら入浴の時間ですが、番付が上位の力士から入るため、付け人は関取の体を流します。
12:00 食事(昼ちゃんこ)
食事も親方や関取から食べ始め、食べ終わったら分担して片付けをします。
13:00 自由時間
昼寝やトレーニングをして過ごすことが多いです。
16:00 ちゃんこ番
部屋や玄関などの掃除をしてから、「ちゃんこ番(食事を作ること)」をします。
18:00 食事(夜ちゃんこ)
食事は基本的に1日2回で、昼と同じように親方と関取の後に食事をします。
19:30 自由時間
食事の後片付けなどの仕事をすませば自由時間です。
23:00 消灯
翌日の稽古に備え、早めに就寝します。

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力士の1週間の流れは本場所のあるなしで異なる

本場所のある時期とない時期とで、大相撲の力士の一週間の流れが異なります。

本場所のある奇数月(1, 3, 5, 7, 9, 11月)は、15日間連続して取り組みが行われるため、力士たちは休みがありません。

日々の試合に備えて稽古に励み、試合を戦い抜くための精神と体力の集中が求められます。

本場所が終わると、力士たちは一般的に1週間の休暇を取ります。

これは力士たちにとって、数少ないまとまった休みの期間であり、身体を休め、精神的なリフレッシュを図る大切な時間です。

一方、本場所のない時期は、基本的に日曜日が稽古休みとなる部屋が多いです。

その他の日は、朝早くに起きて朝稽古を行う通常の一日が繰り返されます。

力士たちは本場所がない期間でも稽古を怠ることなく、日々の修行を継続します。

また、本場所のない偶数月(2, 4, 6, 8, 10, 12月)には地方巡業が行われることもあります。

巡業中は地方の場所で取り組みを行い、多くの観客に相撲を披露します。

巡業も忙しい日々となりますが、地域のファンとの交流やサポートを受けることで力士たちはモチベーションを高めることができます。

大相撲の力士たちは、こうした本場所と休みの周期を繰り返しながら、日々の稽古と精神修養を重ねて成長し、次なる挑戦に備えています。

休日は体を休めて過ごす

大相撲の力士は年間を通して厳しい稽古をしているため、通常の休日には体を休めることが重要です。

特に本場所のある奇数月は15日間連続して取り組むため、その後の休息が重要な役割を果たします。

力士たちは休みの日も怪我や体調管理にも気を配り、必要な場合には病院に行ったり、リハビリを行ったりします。

怪我を無理して放置せず、早期の対処とリハビリをすることが、再び土俵に戻るためのポイントです。

力士たちは年間を通してまとまった休みが少ないため、たとえ関取であっても個人的な旅行や遠出などをすることはほとんどありません。

本場所や巡業がない月などは、少しだけ息抜きや慰安の意味を含めて地方合宿を行ったり、部屋全体で旅行に出かけることがあります。

地方合宿では、普段の稽古環境とは異なる場所でトレーニングを行い、新しい気分転換を図ることができます。

また、部屋全体で旅行に出かけることは、力士同士の親睦を深める機会でもあります。

しかし、これらの合宿や旅行も、相撲の本格的なトレーニングから遠ざかるわけではなく、次の本場所や巡業に向けての準備を忘れずに行われます。

大相撲の世界では、一年中厳しいトレーニングと精神修養が求められるため、休息の重要性も理解しつつ、一貫して努力を続けています。

オフシーズンは限られている

大相撲の力士には他の競技とは異なる特有のスケジュールがあります。

大相撲は隔月で本場所が開催され、本場所のない月には巡業が入るため、野球やサッカーなどのようにまとまったオフシーズンが存在しません。

力士のオフは日曜日と本場所後の1週間、その他には年末年始の数日間程度です。

特に本場所後の1週間は、力士たちにとって最もまとまった休みです。

こうした期間には実家に帰省する力士もいますが、若手力士は部屋での仕事もあり、実際には3日間ほどの休みしかとることができません。

そのため、自由な時間は限られています。

大相撲の伝統的なスケジュールや生活様式は、力士たちにとって厳しいものである一方で、その中で培われる精神力と団結力が、彼らを大相撲の世界で成功へと導く要因となっています。

力士の1日のスケジュールのまとめ

力士たちの1日のスケジュールは、厳しいトレーニングと規則正しい生活によってつくられています。

早朝から始まる稽古、栄養を考えた食事、そして休息時間の大切さが際立ちます。

そして身体を鍛えるだけでなく、心の強さを保つことにも努めています。

力士の伝統的な生活スタイルは、昔から受け継がれているものであり、その厳しさが力士たちの強さを作り出しているといっても過言ではありません。