力士の現状と将来性

力士の現状

力士の数は減ってきている

力士の数は近年、大幅に減ってきています。

20年ほど前には約800人の力士がいましたが、2017年には700名程度となり、2019年には660名程度と年々減少しています。

20年前には年間150人前後だった新弟子の数も近年は50~80人ほどに減っており、力士の数はこれからも減少傾向が続く可能性が高いと考えられます。

さまざまな新しい職業が生まれているなかで、日本の伝統文化である相撲の道を選ぶ若者が減ってきているのが実情です。

こうした背景から相撲部屋の数も減っており、新規で相撲部屋が立ち上げられることも少なくなっています。

外国人力士の増加

近年の相撲界において、もうひとつの特徴が外国人力士の増加です。

力士を目指す日本の若者が減っている一方で、幕内力士の約30%を外国人力士が占めるようになりました。

相撲は日本の伝統的な文化ですから、最初は外国人の力士は存在していませんでした。

戦前には米国出身の力士が何人か誕生していましたが、本格的に外国人の力士が増えてきたのは近年になってからです。

戦後初の外国出身力士となったのは1964年に入門した米国出身の高見山で、その後、大関まで昇進した小錦や初の外国人横綱となった曙など、ハワイ出身の力士を中心に外国人力士が増加しました。

近年は世界中のさまざまな国の出身力士がおり、とくにモンゴル出身の力士の活躍は目覚ましいものがあります。

白鵬をはじめとして横綱もモンゴル出身の力士が多く、近年は日本人の力士が優勝することは少なくなってきています。

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力士の今後の動向

現在は各相撲部屋に外国人力士は1人という制限があるため、外国人力士の数が抑えられています。

また、親方になるための条件として「日本国籍を持っていること」という項目があるため、外国人力士が引退後に親方になるためには日本に帰化する必要があります。

しかし、このまま日本人力士の数が減り続ければ、大相撲のあり方や運営方法にも影響が出るかもしれません。

今後は日本人力士の数を増やす努力が必要で、大相撲の伝統を守りながらもさまざ改革が求められています。

力士を目指す日本の若者が増えるように、昔ながらの育成システムも変えていくことも考えられています。

力士の将来性

近年の相撲界では現役力士の暴行事件や親方の理事解任、パワハラ問題など、社会的にネガティブなニュースが次々と出てきました。

昔からの根強いファンが多い大相撲ですが、ネガティブなイメージが蔓延しつつあるのも事実であり、そういった意味では世間の風当たりは厳しい面もあります。

しかし、将来性のある若手力士に対しては注目が集まっているのも事実で、日本の伝統文化を背負って前向きに相撲に取り組んでいる力士も大勢います。

相撲はある意味で特殊な世界であり、誰もが簡単に力士になれるわけではありませんが、大相撲の世界を背負っていく次世代の力士の登場に期待が集まっています。

時代とともに変わっていく部分も多くありますが、長い歴史をもつ日本の国技である大相撲はこれからも長く続いていくことは間違いないでしょう。