ピアニストに向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
ピアニストに向いている性格・適性
ピアノが好きである
プロのピアニストは、他の職業とはやや異なる特徴を持っています。
そのため、ピアニストとして求められる素質も、一般的なサラリーマンとはやや異なっています。
ピアニストとして活動するには、毎日何時間でも弾いていられるほど、ピアノが好きであることが前提です。
プロのピアニストの仕事は、その多くが練習であるといっても過言ではありません。
暇さえあればピアノを弾いているというピアニストもいます。
また、ピアノで食べていくのは、一部の成功者を除いて、楽ではないのが現実です。
それでもピアノにたずさわっていたい、と思える強い気持ちこそが、何よりの適性といえます。
地道にコツコツ続けられる
毎日、1日も欠かさず練習を続けるということは、実は楽なことではありません。
体調が優れない日もあるでしょうし、どうしても気分が乗らない日もあります。
そんな時でも、怠けたい気持ちに負けず、少しずつでも練習を続けていく必要があるのです。
しかも毎日練習を続けているということは、劇的な変化や成長を感じることもあまり多くはないでしょう。
毎日毎日同じことをくり返しているように感じてしまうときもあります。
このように、ある意味地道な努力を少しずつ積み重ねていくことが苦にならない人は、ピアニストに向いているということができます。
逆境に負けない
プロのピアニストとして活動する間、常に順調な時期ばかりではありません。
練習しても上達を感じられないということもあるでしょうし、スランプに陥ってしまい、思うようにピアノが弾けなくなってしまうこともあります。
また、コンクールでの入賞やコンサートの依頼などわかりやすい成功につながらなかったり、定期演奏の契約が打ち切られるなどの逆境に身を置くこともあります。
そのようなタイミングで、ネガティブな思いや状況に負けて諦めてしまったら、ピアニストとしての道はそこまでになってしまいます。
逆にそのような状況でも希望を捨てず、ゴールや目標をしっかりと見すえて練習や営業を続けた人だけが、逆境を抜けることができるのです。
ピアニストとして成功するためには、逆境に負けない精神力や、明るい未来を信じる楽観的な気持ちも不可欠といえるでしょう。
感受性や感情表現が豊か
音感がよく、奏法が完璧で、楽譜通りにピアノが弾けたとしても、ピアニストにはなれません。
プロのピアニストに一番大切なのは、表現力です。
楽譜を解釈し、自分なりの表現を加えた演奏をしてはじめてピアニストになれます。
自分なりの表現を出すためには、自分の中に様々な感情や感覚のストックがなければいけません。
何かを見て感動する心、あるいは怒ったり悲しくて泣いたりする感情が、そのまま表現力につながります。
普段から様々な音楽、あるいは文学や映像作品、自然風景なども含め、様々なものに触れ、心揺さぶられる体験を重ねることで、感受性や感情表現が広がり、その結果表現力を広げることも可能になるのです。
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ピアニストに必要なスキル・能力
手の大きさ・指の開き
どんなにピアニストに向いている性格であっても、ピアノが上手に弾けなければ、残念ながらピアニストになることはできません。
ピアノの技術向上のためには練習あるのみですが、特に有利に働くポイントもあります。
ピアノを弾く上で、手が大きい・指が広く開くという点は大変有利な特徴です。
クラシックのピアノ曲の中には、リストやラフマニノフの作品など、手が大きくないと演奏が困難なものがあります。
親指と小指を広げた状態で、どれくらいの音程を押せるかが問われます。
これが広ければ広いほど、難しい曲でも楽に弾くことができ、体への負担を減らすことができます。
とはいえ、この点については技術でカバーすることもできます。
もちろん、手の小さい方でも技巧派ピアニストとして活躍している人がたくさんいるため、手が小さいからといってピアニストを諦める必要はありません。
また、指の開きは手の筋肉や関節に影響を受けるため、毎日のストレッチによって広くなることもあるようです。
耳が良い
クラシックだけでなく、ジャズやポピュラーのピアニストでも、音感や耳の良さは大切な素質です。
とくに、リサイタルを開くようなプロのピアニストは、たいてい絶対音感を持っています。
絶対音感は、生まれながらに備わっている人は少ないのですが、訓練すれば身につきます。
一般的には、子どものころに音楽教室に通って身につける必要があるといわれていますが、子どものころに訓練を受けなかった場合でも、音感をみがくことはできます。
音大を受験する際にも、音を聞き取って楽譜に書き記す「聴音」のテストがありますので、音楽教室でしっかりと訓練するとよいでしょう。
ピアニストに向いていないのはどんな人?
ピアニストに向いている性格を紹介しましたが、例えばその反対の性格の人は、残念ながらピアニストに向いているとは言えません。
本当はピアノが嫌いなのにいやいや続けている人、毎日の練習が嫌いで怠けぐせがある人、あるいは、辛いことがあるとすぐに投げ出してしまう人、などです。
とはいえ、ピアニストという職業は芸術家の一種です。
このような特徴がある人でも、ピアノの演奏がずば抜けて上手だったり、表現力が大変高かったり、あるいはチャンスに恵まれるなどして、成功していく可能性もゼロではありません。
なんらかの理由からプロのピアニストになりたいと心から思ったのであれば、自分の特徴を生かしつつ、ピアニストに向かっていくチャンスをつかむことが大切です。