パン職人のつらいこと・大変なこと・苦労

パン職人のつらいこと・大変なこと

 

朝が早い

パン屋は早朝7~8時には開店しているところが多いです。

早朝は、朝食に並べるために焼きたてパンを求めるお客さまのほか、通勤・通学途中にお店に立ち寄るお客さまもいます。

そのため、パン職人は開店時間に間に合うように食パン、フランスパン、惣菜パンなど数十種類のパンをつくり、並べる必要があります。

粉からの仕込み作業、成形、焼き上げなど、パン製造の工程はいろいろとあり、出勤時間は夜中や明け方といった店も少なくありません。

毎日早く起きなければいけないことは、パン職人にとって当たり前のことですが、慣れないうちはつらいことのひとつです。

体力的にハード

お客さまは焼きたてパンを好むため、どの時間帯にきても何か焼きたてのパンがあるという状態が理想です。

そのため、パン職人は開店してからもたくさんのパンを作り、一日中何度も焼き上げては販売しなくてはいけません。

立ちっぱなしで数々の作業をこなしていくという、体力的にハードな仕事でもあります。

長い時間働ける体力と、コツコツ作り続ける気力が求められます。

最近では女性のパン職人も増えてきていますが、重い粉などを運ぶ作業や力を込めてこねる作業などがあるため、全体としては男性が多い体育会系の仕事となっています。

長時間労働になりがち

店頭に華やかに並ぶパンですが、これらをひとつずつ地道に作り上げていくためには、裏方の仕事や地味な仕事もたくさんあります。

多くの街のベーカリーでは、少ない人数で協力しながら仕込みから焼き上げ、接客までパン販売の数多くの作業をこなします。

1日の終わりが近づくと、翌日の準備や掃除などがおこなわれますが、残業が多くなって長時間労働にもなりがちです。

また多くのパン屋が土日や世の中の連休期間も営業しているため、長期休みが取りにくく、仕事一色の日々になるケースも珍しくありません。

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パン職人の悩み

 

肉体的疲労

パン作りにはパンをこねる作業があり、よくこねるためには力がいります。

またパン職人の仕事では粉をはじめ、重い食材や調理器具を運ぶことも多いです。

一つひとつは軽いパンですが、大量に焼いたパンがのった鉄板は重くて、片手で持てない人もいるほどです。

そのため、腰痛や肩こりなどに悩むパン職人が多く、日ごろからの体のケアや体力作りはパン職人にとって大切になってきます。

やけど

高温で焼き上げる釜の中は意外と奥に長く、取り出しにくいものです。

とくに開店前は一番焼き上げが忙しい時間帯で、鉄板には大量にパンが並ぶため、重さもあり、釜だし作業の際にやけどを負うこともあります。

何も載っていない鉄板は冷めている鉄板と区別しにくく、熱い状態と気が付かず、うっかり触ってしまうケースもあります。

大きな事故になることはまれですが、やけどをすれば痛みが続きますし、とくに女性パン職人にとっては見た目的にも気になるようです。

夏は暑い

パン屋の厨房内は常に火がある状態です。

火傷防止のため、パン職人の厨房ユニフォームは長袖で覆われていることが多いため、夏場はとくに熱く感じられます。

店内は冷房がきいているにもかかわらず、パン職人は汗がふきだしていることも珍しくありません。

さらに長時間労働のため、夏場の仕事終わりはぐったりして、熱中症のような状態になることもあります。

パン職人を辞める理由で多いものは?

 

下積み時代が大変

パン職人の下積みは厳しいことが多いです。

その理由には、朝の早さや体力的なハードさに加え、技術の習得や感覚・センスを磨くことの大変さが挙げられます。

下積み時代は見習いのため、誰よりも早く出勤して掃除などをこなし、また営業終了後は最後まで残り、片付けなどを行う必要があります。

技術職だけに、生地や焼き具合、成型など、教える側の立場からも説明だけでは伝えきれないことがたくさんあります。

師となる先輩も忙しく、手取り足取り教えてくれるというよりは、技術を盗むように体で覚えていくものです。

そのため、ペースに慣れるまでは厳しく感じてしまう期間もあるかもしれません。

また下積みのパン職人は、新商品開発などの華やかな仕事ではなく、計量など裏方の業務で同じ作業を繰り返し続ける時期もあります。

肉体的な大変さと、単調な仕事にうんざりして、道半ばで辞めてしまう人も少なくありません。

体力・待遇面の厳しさ

素材や調理器具などの重いものを一日中運ぶ疲れ、熱い釜などを扱う危険性、労働時間の長さなどを負担に感じ、体力面で限界を感じてパン職人を辞めてしまう人は多くいます。

また、プライベートの時間がない、土日祝は休みがない、早起きがつらいなどの要因から、「思っていたよりきつい」「イメージと違っていた」と感じる人も多いでしょう。

パン職人は基本的に仕事場にいる時間が長く、重労働でもありますので、体力が持続せず、続けたくても諦めざるを得なくなってしまう場合もあります。

たとえば女性の場合では、結婚や出産などを機に生活スタイルが変わり、パン職人として十分な労働時間が取れなくなってしまったため離職するといったこともよくあることです。

労働環境に対して、給与や待遇が見合わないという声もよく聞きます。

人間関係の悩み

他の職人たちと長く同じ時間を過ごし、共同作業も重要になってくるのがパン職人の世界です。

「職人気質」とも言われるように、周囲にもストイックなパン職人がいる職場も少なくありません。

修業中は厳しく教育されることが珍しくはなく、心身ともにラクではない日々が続くこともあります。

密な人間関係の中で生まれる「現場の雰囲気が悪い」「コミュニケーションがうまくいかない」といったような、実際のパン作り以外の人間関係の悩みも多く見られます。

パンづくり以外の仕事が苦手

大手チェーンのパン屋では、厨房のパン職人とホールスタッフが分けられることが多いです。

そのため、パン職人はパンを作ることのみに集中できます。

しかし、個人経営のパン屋や小規模なパン屋では人員が少なく、パン職人が品出しのほか、接客、レジ打ちなどを行うこともあります。

さらに最近はパン屋がイートインコーナーをもち、ドリンクなどの提供を行うこともあります。

パン職人のなかには、接客業務ではお客さまの声が直に聞けて楽しいという人もいますが、逆に接客を苦に退職してしまう人もいます。

パンづくりは好きというのであれば、勤務先を慎重に選び、ミスマッチが起こらない工夫が必要です。