獣医師に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
獣医師に向いている性格・適性
動物に愛情を注げること
毎日動物と深く関わっていく獣医師だからこそ、「動物好き」であることは不可欠です。
犬や猫だけでなく、動物全般について興味が持てる愛情が必要で、幅広く、深い専門知識をつけるために自分で勉強を続け、突き詰めていく姿勢が求められます。
ただし、関わる動物たちに感情移入しすぎるのもよくありません。
獣医師はたくさんの動物と接し、ときにはどう最善を尽くしても助からない場合など、つらい思いを味わうことがありますが、落ち込んで立ち直れないと仕事を続けるのも難しくなってしまうでしょう。
勤務先によっては実験に使われる動物と関わらなければいけなかったり、たくさんの動物の最期をみとらなくてはいけないこともあります。
動物を愛する一方で、現実に冷静に対処できる精神力や、命に触れる仕事であることを十分に理解しておくことが必要です。
勉強・研究熱心
難易度の高い獣医師の大学に入学し、6年間という長い時間をかけてしっかり学び、卒業して国家試験に合格するためには、勉強熱心であることが必要になります。
さらに就職してからも専門知識が要求されるため、勉強嫌いの人にとっては厳しいものがあるかもしれません。
現場で先輩たちから学びながら、自分自身で勉強や研究を続けるなど、「常に動物たちのために努力を惜しまない」姿勢が求められます。
体力がある
獣医師は頭を使うばかりでなく、体力も必要な仕事です。
大型の動物を抱きかかえることもありますし、動物病院では急患が入ると休みなしで勤務を続けなければいけないこともあります。
人と接するのが苦でない
動物病院に勤務する場合は、飼い主とのコミュニケーションも必要です。
飼い主の気持ちや、要望を汲み取り、親身になって治療法を考えることで、満足度の高い診察をすることができます。
また動物病院以外でも、働く仲間とコミュニケーションを取らなければ仕事を円滑に進めることができません。
動物と信頼関係を結ぶだけでなく、人とも良好な関係を築く努力が必要です。
動物以外にも、人と接するコミュニケーション力があるとよいでしょう。
20代で正社員への就職・転職
獣医師に必要なスキル・能力
洞察力・柔軟な発想力
動物は体調がどんなに悪かったり、異変が起こっても自分の言葉で伝えることができません。
そんな動物たちのSOSサインを見逃さない洞察力や、とっさの判断ができる発想力が必要です。
同じ種類の動物でも、性格はバラバラなので、柔軟な対応ができる人も獣医師に向いているでしょう。
「本に書いてあるこの犬種の性格と違うから、この犬はおかしい犬だ」と自分の頭の中で勝手に決めつけてしまうのは避けたいところです。
柔軟性
動物医療は日々変化しており、高度な医療機器が開発されたり、新しい治療の研究も進んでいるため、動物を守るためにもこうした新しい情報を柔軟に取り入れていくことが必要です。
獣医師を目指す人は勉強家で研究熱心な人が多いですが、専門性が問われる分、人によっては視野が狭くなりがちです。
常に好奇心を持って、新しいものを柔軟に受け入れる姿勢も大切でしょう。
判断力
獣医師は自分の頭で判断し、行動に移さなければならない場面が多く出てきます。
たとえばペットの病気を治そうとするときも、「すぐに手術を行うべきか、それとも薬で様子を見るか」という判断が求められるのです。
適切な判断を下すためには、もちろん知識や経験が必要で、日々の仕事から自分の感覚を研ぎ澄ませ、自分自身で考える力を養う必要があるでしょう。
根気強さ
いくら人に馴ついている動物と接する場合でも、人間の思い通りにいかない場面は多くあります。
したがって、獣医師にとっては根気強さも大切なスキルです。
ちょっとしたことでイライラしたり、冷静な判断ができなくなると、仕事にも支障をきたしてしまいます。
動物のことをよく観察し、動物が何を言いたいのか、訴えたいことを根気よく観察して汲み取るスキルが重要です。
獣医師に向いていないのはどんな人?
獣医師は体力を使う仕事であるため、体力に自信がない人はきつく感じるかもしれません。
とくに動物病院で働く場合は、朝早くから夜遅くまで勤務し、休日も勉強したり学会に出かけたりと、とにかく体力を使います。
あまり体力に自信がない人は、今のうちに体を動かすなどして、体力をつけておきましょう。
また、獣医師はほかのスタッフ(動物看護師など)と協力したり、飼い主などから希望を聞いたりして仕事を進める必要があります。
そのため「動物は好きだけど人間は苦手」という人は、仕事を円滑に進めるのが難しく感じてしまうことがあるはずです。
コミュニケーション力は何歳からでも磨けるため、人と積極的にコミュニケーションをとって、人付き合いに慣れておくとよいでしょう