配管工の現状と需要、現状と将来性

配管工の現状

配管工を取り巻く大きな問題として、配管工事施工会社のほとんどが、工事の元請ではなく、下請業者化してしまっているという現状があります。

配管工事施工会社は、中小・零細企業が大半で、大企業に比べると、どうしても営業力や知名度、資本力で劣ります。

そのため、実際には配管工の多くが「元請業者」となる工務店やハウスメーカー、またゼネコンやサブコンといった大企業から仕事を受注して、下請けとして働いています。

工事の発注者との間に別の業者が入るたびに中間マージンが発生するため、下流に位置する配管工事施工会社の利益はどんどん薄くなり、それに伴って配管工一人ひとりの給料も低くなりがちです。

こうした事情は、建設業界が抱える構造的な問題のひとつです。

公平性・健全性を保つため、一人ひとりの職人を守るため、企業の垣根を超えて、業界全体で取り組んでいくべき課題といえます。

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配管工の需要

配管工に限った話ではありませんが、大工や職人、作業員など、建設関係の仕事は、業界全体で慢性的な人手不足がずっと続いている状況です。

少子化によって若年層の人口自体が減少しているうえ、建設関係の仕事は、きつい、危険、汚いという、いわゆる「3K」のイメージが強く、若者の志望者はそう多くありません。

さらに、これまで長年にわたって現場を支えてきたベテランの職人たちも、近年急速に高齢化が進み、引退する人が増えています。

一方で、水道やガスといったインフラ工事の需要はきわめて底堅く、仕事は十分すぎるほどにあるため、どこの配管工事施工会社も人材の確保に頭を悩ませています。

このため、まったくの未経験であっても、やる気さえあれば、すぐに配管工としての働き口を見つけることができるでしょう。

配管工の将来性

建築需要は、世の中の景気に左右されやすいという特徴がありますが、ここ数年は非常に好調です。

都市部ではマンション建設が盛んに行われていますし、地方でも、ディベロッパーなどが大規模商業施設を中心に据えて、街全体を再開発する事例も増えています。

今後、高度経済成長期につくられたビル群の建て替え時期が順次到来することもあって、建築業界は、当面は引き続き堅調に推移する見通しです。

配管工についても、ある程度のキャリアさえあれば、少なくとも食いっぱぐれるという心配はまずないといえます。

しかし、上述したように、配管工は下請という立場から生じる待遇面の弱さが根本的問題としてあります。

仕事自体はあっても、生活面における不安はどうしても残り、手放しで「将来安泰」とはいえません。

より安定的に働くためには、資格の取得に励んだり、講習をこまめに受けて自身の技能を磨いたり、大手企業に転職したりなど、労働単価を引き上げる努力が必要になるでしょう。

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配管工の今後の活躍の場

配管工の活躍の場は、今後、よりエンドユーザーに近づいていくことが予想されます。

すでに足元でも、一般家庭向けに「水回りのトラブルをご相談ください」「排水が詰まったすぐご連絡ください」といった広告活動を行って、直接工事を取りに行く動きが見られます。

水道配管工だけでなく、ガス配管工も、工場などのプラント配管工も同様で、いつまでも下請けに甘んじるばかりではなく、元請業者になることで活躍の場を大きく広げることが可能です。

そのためには、設計から施工、設備の取り付け、試運転、施工後の点検や修理まで、一連の仕事をすべて手掛けられるようになることが必要です。

どうにかして下請けから脱却できれば自分の裁量で仕事ができるようになりますし、経済的にも安定するため、がんばってみる価値は十二分にあるでしょう。