女性の配管工のキャリアパス・結婚後の生活

女性の配管工の現状

配管工は、建築関係の職業のなかでは比較的女性の活躍が目立つ職業です。

職場によっては、配管工の女性比率が4割を占めているケースもあります。

その理由としては、配管工が業界全体で人手不足であり、企業側が男女関係なく積極的に求人しているという事情もありますが、それ以上に、配管工の仕事内容の特徴が大きく影響しています。

配管工は、ほかの建設業界の職種と同じ肉体労働であるものの、同時に、床下やPS(パイプスペース)などの限られた狭い空間に配管が納まるよう設計や施工方法を工夫するという「頭脳労働」でもあります。

このため、たとえ筋力面や体力面で劣っていても、設計の知識やアイディア力、技術力などでカバーすることが可能です。

女性の配管工のなかには、コツコツとキャリアを重ねるとともに、資格も取得して、施工全体を管理する現場監督になっている人もおり、配管工は男女平等に活躍できる仕事といえるでしょう。

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女性の配管工の強み・弱み

配管工に最も求められるものは、水道やガス、冷媒などの中身が万が一にも漏れたりすることのないよう、きちんと確実に施工するという「仕事の正確さ」です。

そうした作業には、女性ならではの手先の器用さや、慎重さ、細かいことにまで気付く注意力などが、おおいに役立つでしょう。

また、男性中心の建築業界に女性が入ることで、職場の雰囲気が明るくなったり、コミュニケーションがスムーズにいったりといったことも期待されています。

逆に、女性の配管工の弱みとしては、やはり体力的な問題が大きいです。

とくに働きはじめて半年から1年ほどは、仕事にも慣れておらず、つらさや厳しさを感じることが多いでしょう。

鋼鉄製の配管など、重いものを持ち運ぶという仕事柄、腰を痛めやすく、コルセットが手放せないという女性配管工も目立ちます。

さらに、女性の配管工ならではの悩みとして、化粧や日焼けの問題があります。

配管工は、空調の効かない閉鎖空間や屋外での作業が大半を占め、どうしても発汗量が多くなります。

日に何度も化粧直しをしたり、日焼け止めを塗りなおすことは避けられないでしょう。

結婚後の働き方

配管工は、始業時間がかなり早く、6時や7時から働きはじめることも珍しくありません。

その一方、安全上の問題もあって、基本的には日が暮れるまでに仕事が終わります。

端的にいえば、配管工は「朝型」の職業であり、生活リズムが安定しやすいことが魅力のひとつです。

比較的自由の効く夕方以降の時間を有効に利用すれば、料理や洗濯、掃除などの家事をこなすことも十分に可能でしょう。

このため、女性配管工の結婚後の働き方については、相手の職業にもよるものの、同じようにフルタイムで仕事を続けて、家庭生活と両立させる人が大半です。

ただし、配管工の仕事は体力的にハードですから、疲れているときは家事を代わってもらうなど、ある程度の配偶者の協力は不可欠といえるでしょう。

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配管工は子育てしながら働ける?

配管工が子育てしながら働くことは、現状ではどうしても困難といわざるを得ません。

配管工事施工会社は、ゼネコンやハウスメーカーといった大手の下請けとして工事を手掛ける中小・零細企業が大半であり、スタッフはどこも少人数です。

一人でも抜けると大幅な戦力ダウンとなるため、出産や育児などで長期にわたって仕事ができなくなる場合は、職場復帰を待つのではなく、ほかの代替スタッフを雇用するケースが一般的です。

ある程度子どもが成長し、手がかからなくなるまでは、一時的にせよ、キャリアを中断せざるを得ないケースが多いでしょう。

ただし、配管工はきわめて人手不足であるため、多少のブランクがあっても、実務経験者が再就職先を見つけるのに困ることはまずないでしょう。

なお、昨今は人件費の負担増を覚悟してでも産休制度や育休制度を整えて、貴重な人材の流出を防ぐという方針の企業も一部見られます。

将来的に子育てとの両立を希望しているなら、そのような企業を探して就職するという選択肢もあるでしょう。

配管工は女性が一生働ける仕事?

配管工は、自身の腕前がものをいう職人の世界であり、「手に職をつける」という目的にはピッタリの仕事です。

生活に不可欠なインフラ工事を扱うこともあって、需要は時代の変化や景気の波に関わらず常に一定以上あり、技術と経験のある人材は、どの企業からも引く手あまたです。

一定のスキルさえあれば、いつでも、どこでも働けるのが配管工です。

結婚や出産、子育てなどのライフイベントに応じて生活事情が変わりやすい女性こそ、そのメリットを享受しやすい職業かもしれません。

仕事自体にも、ものづくりとしての面白さがあり、また技術を磨いていく道には終わりがありません。

資格を取って監督になる、独立開業するなど、キャリアアップしていく方法も複数あります。

配管工は、男性女性に関係なく、生涯を通じて楽しく、向上心をもって働き続けられる仕事といえるでしょう。