配管技能士試験の難易度・合格率
配管技能士資格とは
「配管技能士資格」とは、厚生労働省の主管する国家資格であり、各都道府県の職業能力開発協会が試験を実施しています。
配管工の仕事をするにあたっては配管技能士資格は必須ではありませんが、配管技能士を「名乗って」働く場合には資格取得が必要です。
このような資格は、一般的に「名称独占資格」と呼ばれます。
また、資格を取得すれば、一定水準以上の技能を保有していることの公的証明となるため、待遇改善やキャリアアップに役立てる目的で、多くの配管工が配管技能士資格取得を目指します。
配管技能士資格には、住宅などの建設に関する「建築配管作業」と、工場設備に関する「プラント配管作業」の2つの区分があり、前者については1級・2級・3級の3種類に、後者には1級と2級の2種類に分かれます。
20代で正社員への就職・転職
配管技能士試験の受験資格と試験内容
3級資格
配管技能士の3級資格は、いうなれば入門編的な位置付けです。
試験を受けるにあたって受験資格はとくになく、誰でも受験することができます。
3級試験は実技試験のみで行われ、配布された給水配管図にしたがって、エルボ(屈曲管)、チーズ(分岐管)などのパイプ同士をつなぐ「管継手」を使用して、配管組立作業を行います。
試験問題は例年、試験実施日のおよそ2ヵ月前となる11月に公表されるため、しっかりと事前に練習してから本番に臨むことが可能です。
2級資格
2級資格は、中級の位置付けとなっています。
試験を受けるためには、専門学校卒以上の学歴、2年以上の実務経験、3級資格の取得のうち、いずれかの条件をクリアすることが必要になります。
2級試験では、実技試験に加えて筆記試験も実施され、配管図面に関するマルバツの2択問題と、4択問題が計50問出題されます。
実技試験の課題は3級と同じく給水配管の組立ですが、試験問題の難易度は大きく上がります。
1級資格
1級資格は、一人前の配管工としての技量を問う上級者向けの内容です。
試験を受けるためには、学歴に応じた数年間の実務経験を積むことが必須条件となります。
1級試験では、2級と同じく実技試験と筆記試験が課され、実技試験は引き続き給排水管の組立問題が出題されますが、鋼管の溶接作業など高度な技術が求められます。
筆記試験についても、出題形式は2級と変わらないものの、難易度はさらに高くなります。
配管技能士試験の難易度
配管技能士試験は、1級~3級、実技・学科など、試験区分ごとの合格率が公表されておらず、難易度を個別に評価することは困難です。
ただし、受験者全体の合格率は50%前後と発表されており、そこまで難しいというわけではないようです。
実技試験は事前に出題内容が公開されますし、筆記試験も過去問題集が出版されているため、しっかりと対策してから臨めば十分に合格できるレベルといえるでしょう。
試験内容のほとんどは実務に則したものです。
日々の仕事に真摯に取り組み続けることが、合格への一番の近道かもしれません。