配管工の資格の種類

配管工にはどんな資格がある?

配管工になるにあたって、必ず取らなければならない資格はありません。

なんの資格も持たなくても、工務店などに勤めて知識と技術を磨けば、配管工として活躍することは可能です。

長年勤めているベテラン配管工のなかにも、資格を持っていない人はいます。

しかし、「配管技能士」を筆頭に、「管工事施工管理技士」や「建築設備士」など、配管工の仕事に密接に関連した国家資格は複数存在しています。

それらの資格があれば、配管工としてどの程度の技能を備えているかという客観的な証明になったり、できる仕事の幅が広がったりするため、キャリアを形成していくうえでは有効です。

必須とまではいえないものの、自身の腕前や専門知識を磨いていくためにも、これらの資格取得に積極的にチャレンジしていくことが望ましいでしょう。

以下では、配管工にとって代表的な資格とその特徴について、いくつかご紹介します。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

配管工の代表的な資格とその特徴

配管技能士

配管技能士は、厚生労働省が認定する技能検定制度の一種です。

各都道府県の職業能力開発協会が実施する試験に合格することで、国家資格が得られます。

配管技能士は「建築配管作業」と「プラント配管作業」の2種類の区分があり、さらに前者は1級・2級・3級、後者は1級と2級の資格があります。

「プラント配管作業」は、工場設備などに用いられる特殊配管を扱う資格です。

住宅や店舗、事務所ビルといった建築の配管作業を手掛ける大多数の配管工は、「建築配管作業」のほうを受験することになります。

3級は配管工の入門編という位置付けです。

試験は事前に発表された課題に取り組むという簡単な実技のみとなっているため、資格取得はさほど難しくありません。

しかし、2級からは実技のレベルが大きく上がるうえ、筆記試験も課されるため、きちんと対策しなければ合格は困難です。

なお、3級は受験資格がなく誰でも受けられるものの、2級以上については学歴に応じた数年単位の実務経験や、受験する下の級にすでに合格していることなど、なんらかの条件を満たすことが必要となります。

1級資格まで取得できれば、プロとしての高い知識と技術を兼ね備えた、上級の配管工といえるでしょう。

管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、国土交通省の主管する国家資格です。

配管工事に関する施工計画を立案したり、安全管理を行うなど、責任者として働くために必要な知識・技能を問うものとなっています。

資格には、手掛けられる業務範囲の異なる1級と2級があり、2級資格者は、一般建設業の営業所の専任技術者や工事現場における主任技術者になることができます。

1級資格者は、それらに加えて、大規模な建設工事で必要とされる監理技術者になることが可能です。

現場の一作業員ではなく、全体を統括する監督になることができるため、管工事施工管理技士の取得は、配管工のキャリアアップとしては最もオーソドックスな方法といえるでしょう。

ただし、受験するためには学歴に応じた実務経験が必要であり、たとえば高校の普通科を卒業した人の場合、2級の受験資格を得るのに4年半かかります。

試験自体の難易度も高めであり、長い時間をかけて継続的に努力していくことが求められます。

建築設備士

建築設備士は、国土交通省の主管する国家資格です。

換気、空調、電気、衛生など、さまざまな種類の建築設備に関する設計や工事監理について、建築士へアドバイスを行うための資格です。

近年の建築設備は、めざましい速度で技術革新が進み、それに伴って複雑化・高度化しているため、建築士だけでは知識や経験が不足していることがあります。

建築設備士は、設備に関する専門知識を駆使して、建築士をサポートすることがおもな役割です。

設計を手掛ける建築士と施工を手掛ける配管工のちょうど中間に位置する、橋渡し役的な立場にある資格といえます。

配管工が建築設備士の資格まで取得できれば、給料などの待遇面の向上はいち職人時代よりもはるかに期待できますが、建築設備士試験は、法令や設備、設計などに関する深い専門知識が問われる難関です。

上述した2つの資格よりもさらに格上であり、資格予備校に通う、通信講座を受講するなど、専門的な受験対策が必要になるでしょう。