義肢装具士に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介

義肢装具士に向いている性格・適性

バランスのよい人柄

義肢装具士の仕事には、集中して器具を作る製作業としての側面と、利用者さんの言葉に耳を傾ける医療者、あるいは営業職のような側面の両方があります。

そのため、義肢装具士にの適正にはいくつかのポイントがあります。

義肢装具士には、ものづくりへの熱意だけでなく旺盛な好奇心や、他人の心に寄り添うことができる優しさが求められます。

これらの性格をバランスよく兼ね揃えていることが大切です。

ものづくりが好き

義肢装具士は義肢についてのスペシャリストであり、専門知識を持っていることが求められます。

義肢の扱いを紹介したり、トラブルを防ぐためのメンテナンスをするので、仕組みや素材などに精通していなければなりません。

物を作ることが好きな人であれば、素材や組み立て工程、仕組みなどに自然と意識が向いていくことになるでしょう。

また、義肢装具士は、素材や機能のメリットなどを紹介していくことも大きな役割です。

ものづくりに対する熱意や愛情が大切です。

好奇心が旺盛

義肢装具は年々機能が進化し、新しいものになってきています。

医療技術などもそうですが、目に見えて大きく進化しているものも少なくありません。新しい技術を学び、しっかりとついていくことが大切です。

現状のものに満足するのではなく、積極的に情報を収集する好奇心や、患者さんのために最も良いものを提供しようという探究心がポイントとなります。

新しいものが好きな人であれば、こうしたことは苦にならないでしょう。

ただし、何でも新しいものに飛びつけば良いということでもなく、義肢装具を使う人の状態を見極めて、より適したものを提供することが大切です。

他人の心に寄り添うことができる

義肢装具士には職人としての根気強さや高い技術力、そして医療者としての豊富な知識を身につけていることが求められますが、それだけではこの仕事は務まりません。

義肢・装具をつくる上で最も大切なのは使用者のニーズです。

それを親身になって聞き出すコミュニケーション能力や、相手の気持ちをくみ取る思いやりがなければ、義肢装具士として不十分です。

体の一部を失い、心身共に大きな傷を負った人の中には、義肢・装具の着用を拒絶する人もいます。

リハビリに後ろ向きになったり、日常生活に復帰すること自体をあきらめたりする人も少なくありません。

心を閉ざしがちな人に寄り添い、根気よく接することができることが、義肢装具士に最も必要な資質であるといってもよいでしょう。

義肢装具士になるには

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

義肢装具士に必要なスキル・能力

障がい・障がい者に対する深い理解

優秀な義肢装具士となるためには、心持ちや性格だけでは足りない部分もあります。

というのも、義肢装具士は技術者であり医療者であるという、ふたつの専門職の特性を持った職業だからです。

義肢装具士として独り立ちするためには、まず、障がい・障がい者に対する深い理解が必要です。

義肢装具士の資格は専門の教育機関でしっかりと学習すれば、ほとんどの場合、試験を突破し、取得することができます。

しかし、せっかく資格を取得し就職が決まっても、すぐに離職してしまう人も少なくありません。

その理由の一つに、義肢や装具を必要とする障害を持った人達と接することに抵抗を感じてしまうということが挙げられます。

事故や病気で体の一部を失った人たちの喪失感は、健常者には計り知れないほど大きいものです。

精神面にも深いダメージを受けている人も多く、中には医療者にストレスをぶつけてしまう人もいます。

義肢装具士はそういった人たちの決して楽ではない社会復帰への道のりを心身ともに、サポートする役割をになっています。

義肢装具士を志す人はまず何にも優先して、障害のある人たちに対する正しい知識と理解を持つようにしましょう。

人体の構造に関する確かな知識

義肢装具士は、人体に関する知識も求められます。

義肢装具士が手掛ける義肢や装具は基本的にオーダーメイドです。

使用者の体型や症状、目的に適合した義肢・装具をつくるために、採寸・採型からたずさわります。

その後、組立、仕上げなどの工程を丁寧に進めていき、完成した義肢・装具を実際に使用者に装着してもらいます。

しかも、義肢装具士の仕事はこれで終わりではありません。

ほとんどの場合、使用者は着用後に違和感を訴えます。

これを受け、義肢装具士は義肢・装具に微調整を繰り返し加えるのです。

その際は医師理学療法士との連携が必要不可欠です。

義肢装具士はものづくりの職人である上に医療者でもあるため、高度な技術と同時に、人間の体の構造やしくみに関する医療知識が求められます。

医療者としての強い使命感

義肢装具士は人工の手足、つまり義手や義指、義足、コルセットやサポーターなど低下した身体機能を補う医療器具を医師の処方のもと、設計・制作する専門職です。

これらの器具をつくること自体には実は資格は必要ありません。

しかし、医療機関で使用者の体に直接触れて型を採ったり、着用後に器具を調整して、適合させたり、場合によってはリハビリに参加したりする行為は、国家資格を有する義肢装具士だけに認められた医療行為です。

義肢装具士はもともと手先が器用な人が多く、ものづくりに秀でた職人としての側面が強いことも事実です。

しかしそれと同時に、使用者一人ひとりと深く関わり、信頼関係を構築できなければその技術力を発揮することはできないのです。

医療をになう人材のひとりとして、使命感と責任感を持って患者さんに接することも大切なポイントです。

手先が器用

義肢装具は手作りで作成される部分も多いので、細かな力の入れ具合などによって形を変えていくきめ細かい作業が必要になってきます。

人の身体につけるものなので、微妙な調整が非常に大切なのです。

不器用な人はなれないという職業ではありませんが、手先の器用さや細やかな感覚があれば仕事の上で有利になるでしょう。

義肢装具士に向いていないのはどんな人?

多くの場合、義肢装具士はひとりの患者さんに対し、採寸やカウンセリングと実際の製作、そしてアフターケアまでを一人で担当します。

そのため、コミュニケーション能力と製作技術のどちらもを求められる大変な仕事です。

また、医療施設を訪問する外回りの仕事と、作業所での製作作業のバランスやスケジュールを考慮して自分で仕事を組み立てる必要があります。

このように、様々なバランス感覚が重要となる仕事です。

特定の技術に注力してしまうタイプや、全体のスケジュール調整が苦手な人は、義肢装具士になるまでに訓練が必要です。