義肢装具士の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説
義肢装具士の1日のスケジュール
義肢装具士の仕事は、大きく分けて次の3つがあります。
・新規に義肢や装具を作る患者さんのカウンセリング・採寸
・技師や装具の製作
・既に利用されている義肢や装具のメンテナンス・修理
大きな企業で働く場合、担当業務を分担している場合もあるようですが、多くの場合は業務ごとではなく利用者ごとの担当となっており、上記すべての工程をひとりで担うこととなります。
そのため、担当している業務の進行状況によって1日の流れも大きく変わってきます。
一日中誰にも会わずに製作を進めることもあれば、カウンセリングやメンテナンスのため社外を回る一日ということもあります。
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製作中心の一日
義肢装具士の業務の中心である、製作中心の一日の場合は次のような流れになることが多いようです。
外回り中心の一日
義肢や装具を利用する患者さんの採寸やカウンセリング、メンテナンスも重要な仕事のひとつです。
件数が多い日は一日中社外にいるような日もあるようです。
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スケジュール管理も大切な仕事
業務毎ではなく患者さんごと、案件ごとに任せられる仕事の場合、その案件をどのようなスケジュールで進めていくのか、自分で計画・調整する必要があります。
いくつもの案件を並行して抱えている場合は、カウンセリングと製作を同じ日に行ったり、一日の中で何軒も訪問しなければなりません。
義肢や装具を必要とする患者さんは、手元に届くまでの間は大変不便な思いをしています。
また、退院までのリハビリ計画などもあるため、納期までに確実に納品する必要があります。
これらの器具は生活や動作に直結するものですから、当然クオリティも重要となります。
十分なクオリティで納期に余裕を持って納品するため、義肢装具士は自分のスケジュールをしっかりと管理する必要があります。
そのため、その日一日だけでなく、長い目で見たスケジュール管理には常に心を配っている必要がある仕事なのです。
義肢装具士の勤務時間
義肢装具士といっても技術職としての一面が強いのか、それとも医療職としての側面が強いのかによって働き方や働く場所が変わってきます。
それによって勤務時間なども変わってくきます。
病院などに行く回数が多い義肢装具士の人は、打ち合わせや採寸が病院が開いている時間帯になるので、夜は家に帰れる日が多いです。
しかし開発や技術職としての要素が強くなってくると、義肢装具の納品前には残業や休日を返上しての仕事となることもあります。
過酷過ぎる現場になるということはあまりないようですが、それでも忙しい毎日を送っていくことになるでしょう。
義肢装具士の休日
基本的には土日休みであったり、シフトが決まっている職場が多いですが、病院や施設への訪問の際には先方の都合に合わせる必要もあり、その通りに休めないこともあるようです。
年休や代休がどの程度しっかり取れるかはその職場にもよりますし、繁忙期かそうでないかに左右されることもあります。
小さな企業も多いので、就職をするときには、お休みが気になる人は、休日の日数や有給休暇を確認しておくことも必要です。
基本的にはしっかり休める職場であっても、納入期限などの関係で自由に休みを取れなくなってしまう時期ができることもあります。
リハビリ職は一般的に休日と平日のメリハリがしっかりとついていることが多いですが、義肢装具士の場合には製作作業があるため、少しあいまいなケースもあります。
義肢装具士の残業時間
義肢装具士の仕事は義肢装具士の製作の他、病院や医療施設の訪問など外回りの仕事もあります。
一日に多くの病院や義肢装具を利用している人のもとに足を運び、チェックや点検をする義肢装具士もいます。
そうした人は、外出先でのスケジュールをすべてこなすだけで、その日の仕事が終わることもあるでしょう。
しかし、相手先の都合などによって時間が大きくずれてしまうことも珍しくありません。
訪問予定をすべてこなしてから、会社に戻って製作作業をすることもあります。
納期や担当件数によっては残業時間が発生することもあります。
義肢装具士の資格取得者はまだまだ多くはない現状もあり、一人ひとりの義肢装具士に期待される働きも大きくなっています。
時期によってばらつきはありますが、残業が全くない仕事というわけにはいきません。
義肢装具士は忙しい? 激務?
義肢装具士の仕事の忙しさは、実際に手掛けている製作件数に大きく左右されます。
義肢装具の製作をになう会社では、基本的に案件をスタートから完了まで一人の担当者が行うことが多いようです。
義肢装具士ひとりで複数の案件を担当することもあります。
たとえば製作段階の案件がいくつも重なっている場合は作業場内で業務が完了しますが、異なる医療施設でのヒアリングや採寸が重なってしまうと、1日の中で何ヶ所も訪問して回らなければいけない日もあります。
そこに製作も重なってくると、帰社後さらに作業場で作業を続けなければなりません。
採寸やヒアリングもスムーズに進めば良いのですが、患者さんの受け入れ状態しだいでは、なかなかコミュニケーションを取ってもらえなかったり、採寸に協力的でないケースもあります。
そういった場合には、通常の何倍もの時間をかけて向き合う必要があることもあります。
また、納入して仕事が完了になるかと思いきや、装着後の違和感が続き、何度も何度もリテイクを重ねるということもあります。
このように、義肢装具士の仕事は自分の都合だけで進めていける仕事ではありません。
むしろ、関係する医療機関や利用者さんの都合や希望に合わせながら進めていく必要があります。
仕事が立て込んでくると業務量が多くなることに加え、自分の業務を自分で進められないストレスもあるようです。
義肢装具士の休日の過ごし方
義肢装具士は肉体的にも精神的にも体力のいる仕事です。
そのため、休日には稼働日の疲れを癒すため、しっかりと体を休める、という人も多いようです。
趣味に没頭したり、温泉などでリラックスするというのも良い手でしょう。
少し余裕がある時期には、休みの日を利用して研修会や勉強会に参加するという人もいます。
義肢装具の技術も日進月歩であり、常に新しい技術や理論が生み出されています。
担当の利用者さんにとって最も良い器具を提供し続けるため、このように情報をアップデートし、自分の技術や知識をブラッシュアップしていくことも大切な取り組みのひとつです。