画家の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
画家の仕事とは
画家は絵を描くことを職業としている人です。
紙や布の上に絵筆や絵の具などの画材を用いて作画を行なうのが仕事です。
現在日本の画家は日本画家と洋画家に分けられ、各自、使用する材料や手法が異なりニーズも違います。
また最近では、デジタル画面上でグラフィックソフトのみを用いて作画を行なう画家も登場しているようです。
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画家にはどんな種類がある?
日本画家
日本画を描く人のことを日本画家と呼びます。
日本画とは、日本の伝統的な画材を使って描かれた絵のことで、具体的には、岩絵具や墨などの絵具を使い、和紙や絹などに絵を描きます。
日本画の絵具の使い方は、一般的な絵の具とは異なります。
たとえば、岩絵具は天然の鉱物を砕いたもので、粉状となっており膠(にかわ)というゼラチンと混ぜて使い、色を塗っていきます。
また、貝殻を砕いた胡粉(ごふん)や金箔などを用いるため、洋画に比べると材料が非常に高価で、日本画制作にはお金がかかります。
伝統的な日本画といえば、花や鳥を描く「花鳥画」をイメージする人も多いと思いますが、それだけでなく風景や人物、植物、動物など、さまざまなモチーフを描きます。
近年ではモダンな日本画も多く、これからの日本画家は新しい分野に挑戦する人がますます増えていくでしょう。
洋画家
洋画家とは、西洋画を描く画家のことです。
なお洋画家とは日本人に対してのみ使われる言葉で、ピカソやゴッホなど海外の画家を洋画家とは言いません。
洋画家は、西洋で発達した技法を使って絵を描き、画材も油彩や水彩絵の具、パステルなど西洋発祥のものを使います。
ひと口に洋画家といっても、描く対象はさまざまで、人物や風景、静物を描く人もいれば、線や図形など幾何学的な模様を描く人もいます。
また、一見何を描いているのか分からないような抽象的な作品を描く画家も多く、目に見えないもの、人の心の中にあるものを表現する人もいます。
描き方も人によって違い、写真のように写実的に細密に描く人もいれば、印象派のモネやルノワールのようにやわらかいタッチで描く人もいます。
なお現在の日本で洋画家とは一般的に油絵を描く人を指し、美大で西洋絵画を学ぶ場合には、「油絵学科・油画科」に進学するのが基本です。
美術家
日本画や洋画という枠にとらわれずに活動したり、さまざまな技法を盛り込んで作品を作る場合は、画家ではなく美術家と呼ぶこともあります。
美術家として活動する人の中には、絵画だけではなく彫刻や現代アートなどさまざまなジャンルで活躍する人も少なくありません。
版画家
画家と言えば一般的には絵を描く人のことを指しますが、版画の儀容によって作品を制作している人を版画家と呼び、画家の一部とされています。
版画にはさまざまな種類があり、その技法によって大きく4種類に分けられます。
木版画
木製の原版によって制作される版画で、日本人にとってもなじみのあるものといえるでしょう。
葛飾北斎や歌川広重の浮世絵や、棟方志功などの版画も木版画でつくられています。
銅版画
銅板を削ってつくられる版画です。
銅版画の中には、エングレービングやエッチングなど、さまざまな技法があります。
これらはヨーロッパで発明された技法で、印刷のために必要とされた技術が発展していったものです。
リトグラフ
ドイツで作られた技法で、日本では石版画とも呼ばれています。
昔は石を使っていましたが、今はアルミ版などを使われて作られます。
シルクスクリーン
枠に布を張って版を作る版画です。
昔は絹を使っていましたが、現在は化学繊維が使われています。
鮮やかな色彩で知られるアメリカのアンディ・ウォーホールなどが有名です。
法廷画家
法廷画とは、法廷の中の様子を新聞やテレビなどで掲載するために描かれるものです。
日本では裁判中に写真や動画の撮影が禁止されているため、法廷画家が裁判を傍聴し、その様子を絵に描き広く世間に伝える役割があります。
画家の役割
画家の職業的な役割としては消費者に美や娯楽を与える、新しい創造性を提供するということが挙げられます。
消費者は自身の生活に潤いを求め、インテリアとして絵を購入する場合もありますし、お店の雰囲気作りとして絵を購入することもあります。
これらは画家の絵の美しさに惹かれるからです。
絵の愛好家の購入例として、画家が描く新しい価値観を見たいということから絵を購入する場合もあります。
日本では絵をたしなむ文化はあまり浸透していませんが、芸術大国と呼ばれるフランスでは、新築や結婚のお祝いとして画家の絵を購入するのが習慣となっており、常に絵に親しむ基盤が整っているので画家という職業も多くのニーズがあります。
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画家の勤務先の種類
画家という職業はチームで仕事を行なうことはまずありません。
自分ひとりで絵筆を持ち仕事に従事するため、自営業として働くのが一般的です。
自由がきく仕事ではありますが、自分自身の技術が求められる仕事ですので、その分の労力も伴います。
また、美術団体に所属している日本の画家は多くいます。
画家は個展が主な活躍の場となりますが、個展を開くのには多くの費用がかかります。
その点、美術団体に所属していると、その団体が開く展覧会に絵を出展することができ、多くの人に自身の絵を見てもらえるというメリットがあるのです。
そして他の画家のクオリティをチェックしたり、先輩の画家からアドバイスをもらったりすることもできますので、美術団体に所属する事は画家にとって有益です。
画家の仕事の流れ
画家として仕事をする場合は、2つのパターンがあります。
まずは、クライアントから依頼を受けて絵を描くケースです。
大きさや色合い、テーマなどの指定を受け、クライアントが満足する作品を仕上げ、その分の代金を収入として得ます。
もう1つは自由に作品を作り、それを個展や画廊などに出品し、美術商やファンなど気に入った人に買ってもらうケースです。
ただし、ここまでに達するには相当の人気や知名度が必要です。