フラワーデザイナーの仕事内容・なり方や必要な資格・給料を解説
フラワーデザイナーの仕事内容
華やかな場所に相応しい花を演出する
花は、結婚式やホテル、ホールや美術館、ショールームなど多くの人々が集まる空間を華やかに彩る重要なアイテムです。
フラワーデザイナーは、花の美しさを活かしながら、さまざまな用途に合わせて花をアレンジする職業です。
結婚式にかかわるフラワーデザイナーは、花嫁のブーケや髪飾り、花婿のブートニア、フラワーシャワー、メイン装花からゲストテーブルにいたるまで祝福の花で演出します。
空間装飾にかかわるフラワーデザイナーは、多くの人々の心を和ませるための役割もあります。
フラワーデザイナーとフラワーコーディネーターとの違いは、きちんとした定義などはなく、主に結婚式やホテルなどで花をコーディネートする職業をフラワーコーディネートと称している場合があります。
20代で正社員への就職・転職
フラワーデザイナーの就職先、活躍の場
花屋、ブライダル関連は需要が高い
フローリストのスタッフとして切り花などを扱いながら、誕生日や母の日などギフトに欠かせないブーケやアレンジメントを提供するフラワーデザイナーは、花屋には必要不可欠な存在です。
また、ブライダル関連は花の演出が欠かせない分野であり、結婚式場やホテルはフラワーデザイナーが最も需要性が高い就職先といえます。
その他、イベント会社やディスプレイ会社、デザイン会社や施工会社は、空間装飾における花を活用した演出が求められるため、フラワーデザイナーが活躍できる場所です。
フラワーデザイナーの1日
主役の花を引き立てる花屋の舞台裏
20代で正社員への就職・転職
フラワーデザイナーになるには
認定資格を取得するための3つの方法
フラワーデザイナーになるには、日本フラワーデザイナー協会(NFD)認定資格を取得するのが就職に有利な方法です。
認定資格を取得するには主に3つのケースがあります。
・専門学校で花の知識を学びながら認定資格を取得する
・大学在学中、または卒業後に認定資格を取得する
・花にかかわる職業に就職してから認定資格を取得する
また、一般職として働きながら専門学校などで花に関する知識を学び、認定資格を取得してフラワーデザイナーとして活躍する人もいます。
フラワーデザイナーの学校・学歴・学費
専門学校、通信講座で基礎から学ぶ
フラワーデザイナーとして活躍するには、学歴を問われることはないようですが、就職先の応募条件を満たす必要があります。
日本フラワーデザイナー協会(NFD)認定資格を取得できる専修学校や、NFDの公認する教育施設で花にかかわる知識を学ぶのがおすすめです。
一般職に就職しながら、フラワーデザイナーを目指す人もいることでしょう。
働きながら学ぶには、通信教育でフラワーデザイン講座を受けるという方法もあります。
フラワーデザインの基礎から学べるコースがあり、資格試験に向けたカリキュラムのある通信講座を選びましょう。
フラワーデザイナーの資格・試験の難易度
キャリアアップを目指せる2つの資格
フラワーデザイナーとして活躍するには、日本フラワーデザイナー協会(NFD)の「フラワーデザイナー検定資格」が最も有利とされています。
検定試験の等級は3級・2級・1級があり、年齢・性別の制限がありません。
3級の合格とともにNFDの3級正会員となり、3級フラワーデザイナーとして正式に認定されます。
さらに2級・1級を合格し、講師資格を認定されるとNFDの公認校で講師になることも可能です。
また、厚生労働省が認定する「フラワー装飾技能士」は花の装飾技能を証明する資格で、ブライダルや空間装飾にかかわるフラワーデザイナーにとって、キャリアアップを目指せる国家資格となります。
フラワーデザイナーの給料・年収
企業の経営状態によるが業界全体が低め
フラワーデザイナーとして活躍している人の口コミ調査によると、平均月給は16万円~22万円、平均年収はおよそ240万円~280万円程度となっています。
男女比は男性1割に対し女性が9割と、女性が活躍できる職業です。
就職先によっても、年収が変わるのでしょうか?
・花屋:240万円~250万円
・結婚式場、ホテル:260万円
大手結婚式場やホテルなどでは、年齢に応じて役職手当や昇給などもあるようです。
フラワー業界全体が景気に影響を受けやすい特徴があるせいか、他の職種と比べると年収水準が低いのが現状です。
フラワーデザイナーのやりがい、楽しさ、魅力
モノづくりの楽しさ、感謝の言葉
花を求めて訪れるお客さまが、贈る相手を考えながらうれしそうに話をする姿や、完成したブーケやアレンジメントをよろこんでいただけることが何よりうれしい瞬間です。
また、結婚式にかかわるフラワーデザイナーは、花嫁さんが希望した以上の仕上がりになるのが目標であり、やりがいだといいます。
大切な記念日や、人生の中で一番輝かしい結婚式に、お客さまの理想のアレンジを作り出すモノづくりの魅力があり、感謝の言葉をいただいた時、一つの達成感を感じることでしょう。
フラワーデザイナーのつらいこと、大変なこと
立ち仕事、肉体労働、体力の限界...
花にたずさわる仕事は肉体労働が多く、長時間労働のためきついと思われる人が多いようです。
花屋で働く仕入れ担当のフラワーデザイナーは、早朝4時~5時に花市場に仕入れに出向くため早起きが必須となります。
さらに立ち仕事が基本で、花が長持ちするように1年中気温が低い環境で働くため、体力が資本となります。
お客さまと接客しながら、花の準備や配達、ブーケ制作やラッピング業務など仕事は山ほどあり、朝早くから夜遅くまで長時間労働になります。
若いうちは乗り越えることができても、年齢を重ねるうちに体力に限界を感じる人もいるようです。
フラワーデザイナーに向いている人、適性
花への愛情、几帳面な性格、人が好き
花に対する強い愛情があってこそ、花にかかわるさまざまな知識や技術を学ぶことができます。
デリケートで命短い花ができるだけ美しい状態を保つために、花の下処理や手入れ、観察などが苦ではない几帳面な性格の人が向いているといえます。
さらに、お客さまやクライアントとの要望を引き出す傾聴力や、柔軟性、提案力、相手の予算に応じてアレンジメントを完成させるための高いコミュニケーションスキルやビジネススキルも必要となります。
フラワーデザイナーの志望動機・目指すきっかけ
コミュニケーション力を自己PRする!
フラワーデザイナーを目指すきっかけは、人によってさまざまです。
お花屋さんになるのが子どもの頃から夢だった人もいれば、通勤電車の中でフラワーデザイナー教室の看板を目にしたことがきっかけとなり、転職した人もいます。
志望動機のポイントとなるのは、植物全般に対する強い愛情、花を育てたエピソードなどを添えると効果的です。
また、花や植物が好きというだけではなく、コミュニケーションスキルに自信がある点などを積極的にアピールしましょう。
フラワーデザイナーの雇用形態、働き方
花屋のアルバイトからはじめるメリット
未経験からフラワーデザイナーを目指すには、花屋のアルバイトからはじめてみるのも一つの方法です。
活躍中の有名なフラワーデザイナーも、花屋のスタッフとして働きながら、ブーケやアレンジメントの技術を身につけた人が多いといいます。
花屋で働くメリットは、専門学校に通う費用を節約できる上、報酬を得ながらさまざまな知識を学ぶことができます。
さらに、仕入れや売上管理、店舗運営にいたるまで学ぶ機会が多いため、将来、独立を目標にしている人には最もおすすめしたい方法です。
フラワーデザイナーの勤務時間・休日・生活
5月~6月は繁忙期、深夜残業も覚悟
フラワーデザイナーの勤務時間は、就職先や働き方によって異なります。
花屋で働くフラワーデザイナーは、平均8時間程度の労働ですが、母の日や結婚式が多い5月~6月など繁忙期の週末は、ブーケ制作や装花のセッティングなどに追われ、残業が深夜にまで及ぶことがあります。
ホテル勤務で店長クラスになると、基本週休2日のシフト制もあり、休日は撮影の手伝いなどを中心に過ごし、自分の趣味のための余暇を持てる人がいるようです。
フラワーデザイナーの求人・就職状況・需要
ブライダル関連は今後も需要が続く?
まず、花屋での正社員雇用は少ない現状です。
大手花屋の中にはアルバイトや契約社員から正社員登用制度を設けている企業もありますので、安定を求めるなら大手企業を選びましょう。
誕生日や記念日、ブライダルやイベント、パーティーなど、華やかな場所には必ずといっていいほど美しい花が装飾されています。
花をデザインするという仕事は、モノづくりと一緒で、繊細な人間にしかできない職業です。
ウェディングやパーティーなどおめでたい場所やイベントには、花という生きた商品が必要不可欠な存在である以上、今後も需要があるといえます。
フラワーデザイナーの転職状況・未経験採用
未経験、異業種からの転職が多い花業界
現在活躍する有名なフラワーデザイナーの中には、0からの未経験、異業種から転職された人も多いです。
実際に大手転職サイトを見てみると、ブライダル企業では応募条件に未経験・第二新卒歓迎とされる求人案件もありますが、稀少な求人です。
実際に異業種から転職されたフラワーデザイナーの体験談によると、美容師やオフィスワークからの転職、受付勤務から25歳で転職したケースなどさまざまです。
すべての人に共通するのは、フラワーデザイナーを目指す大きなきっかけがあり、試行錯誤の壁を乗り越えた結果、現在のポジションを確立されています。
花に関する愛情が人一倍強く、勉強熱心な人が成功する職業といえるでしょう。
フラワーデザイナーの現状と将来性・今後の見通し
フラワーデザイナーのIT化サービスに注目
近年では、花のデザインを手がける花屋やフラワー産業が増加傾向にあるため、フラワーデザイナーが必要とされる場はさらに拡大しつつあるようです。
花という素材は、人のあらゆるライフシーンにおいて欠かせない貴重なアイテムです。
今後もブライダル業界や福祉施設など、人を癒す場所に花という演出が必要とされる限り、フラワーデザイナーの需要は尽きないといえるでしょう。
また、ビジネスのIT化が進む昨今では、店舗を持たずに開業できるネット通販の花屋や、国内一流のフラワーデザイナーにWEBサイトからオーダーできる新サービスにも注目しましょう。