童話作家になるには? 仕事内容や年収は?
この世界にあこがれる人は多いのではないでしょうか?
しかし、童話作家へのデビューは狭き門であり、デビュー出来ても作家としての収入だけでは生活することが厳しい世界です。
この記事では、童話作家になるにはどんなことが必要なのか・仕事内容・年収など解説します。
童話作家になるには
童話作家になるには、資格や免許が必要な職業ではなく、なりたいという強い気持ちがあれば誰でも挑戦できます。
一番のデビューへの近道はコンクールやコンテストに公募することです。
出版社へ直接作品を持ち込む方法もあります。
公募にあたっては、
・講談社児童文学新人賞
・JXTG童話賞
・グリム童話賞
など毎年開催されているものから、企業や地方のJAなどさまざまな団体がコンクールを行っているので、公募ガイドなどを細かくチェックしておくと有利です。
特定の年齢層に伝わる表現力を養うには、個人の感覚だけでは限界があることから、普段から海外作品を含め多くの童話を読み研究することが大切です。
アマチュア童話作家の中には、自身の子どもの行動がきっかけとなってプロへ転身した人もおり、常に子どもの視点を持って世の中を見ることは重要といえます。
童話作家になるための専門の学校・学部というものはありませんが、カルチャースクールの講座の一つとして「童話」が取り上げられることもあります。
こういった講座はプロの童話作家の方が講師となることが多く、プロの言葉を聞くチャンスです。
実際に童話創作教室に通ったことが、プロの童話作家へとつながった人もいます。
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童話作家の仕事内容
童話作家の仕事は、子どもたちの感情を揺さぶり、愛される物語を創り出すことです。
また、『魔女の宅急便』の作者・角野栄子さんをはじめとして、多くの女性作家が活躍する業界です。
童話作家という職業は、小説家などと同じ執筆業に分類され童話だけでなく、さまざまなジャンルの作品を書かれる方もいます。
童話作家へのデビューは狭き門であり、やっとの思いでコンクールに受賞してデビューできたとしても、出版社からの依頼はすぐに来るわけではありません。
編集者とともに企画を立て、自ら作品創りにつなげていきます。
童話は海外作品を翻訳されたものが人気となることも多く、世界中にライバルがいる仕事でもあります。
子どもたちの心を豊かにする作品を社会に発表することは、社会的にもとても有意義な仕事です。
多くの読者から、高い評価を得た童話は長い間、愛されます。
童話作家としての働き方
童話作家は、基本的にフリーランスの自営業として働きます。
時間や働き方に左右されず作品を作れるので、仕事の仕方や作業方法は作家によってさまざまです。
しかし、作家としての収入だけで生活できるのは一部の人気作家のみなのが現状です。
ほとんどの童話作家は兼業で他の職業に就いており、主婦をはじめサラリーマンや画家・ライターなどの仕事をしています。
別の仕事をしながら童話作家を目指す方が多いこともあり、年齢はデメリットにならず童話作家への転職はいつでもできます。
女性の場合では、主婦から童話作家へと転身するケースもあり、たとえば童話作家の戸田和代さんは、40歳を過ぎてからデビューして『きつねのでんわボックス』という名作を創り出しています。
また、教育現場を取材していたジャーナリストが童話作家としてデビューするケースなど、子どもと触れ合える職場、出版関係の仕事からの転職も多いです。
20代で正社員への就職・転職
サラリーマン兼業童話作家の1日の例
童話作家の給料面
童話作家の収入は
・作品が出版されたことで得られる印税
・原稿を作成した時点で得る買取原稿料
の2種類の方法から得ています。
印税とは本の刷り部数(製作数)に応じて支払われるもので、重版のたびにも支払われます。
買取原稿料は原稿を作成したことに払われる報酬で、刷り部数などに左右されず重版された際に、追加されることもありません。
例えば、印税を10%と想定した場合、1000円の本を3000部発行すると印税は30万円という計算になります。
創作時間を考えると決して高い報酬とは言えません。
買取の原稿料はさらに低くなることがほとんどで、「印税契約で重版がかかる人気作」を制作できることが童話作家を本業とできるスタート地点となります。
童話作家だけで生計を立てるときは、しっかりと準備をしてからフリーランスになるほうがよいでしょう。
童話作家のやりがい・魅力
- 自分の作品を読んでもらい、喜ばれること
- 自分の作品が子どもたちの心の成長に大きく貢献できる
- 日本中だけでなく世界中の子どもたちへ届けられる
- コミュニケーションのひとつとして使われる
絵本を読んだ子どもたちは想像力・感受性を豊かにするきっかけをもらえます。
きっかけをもらった絵本は大人になっても心に残っており、自分の子どもや孫へ読み継がれていきます。
流行の変化が激しいメディア産業では、めずらしいことであり、その童話を生み出すことは大きなやりがいのひとつです。
自分の作品を世に出せれば、日本中だけでなく翻訳され、世界中のこどもたちが読んでくれます。
近年では「ファースト・ブック」と呼ばれた、まだ話せない小さな赤ちゃんとお母さんをつなげる手段としても活躍しており、童話作家としての魅力のひとつです。
童話作家に向いている人・適性
- 子どもと同じ目線に立つ
- 好奇心旺盛に取り組める
- 根気強くチャレンジできる
主にこの3つが挙げられます。
童話は子どもに向けて書くことが多いため、子どもの気持ちを考えることや同じ目線に立つことは重要です。
常に新しいことに挑戦する気持ちは童話の題材になるだけでなく、自分だけの世界観を作りやすくなります。
ただし、本業として稼ぐようになるまでは兼業作家として活動する必要もあり、そういった意味では根気強さも求められます。
「童話作家になるには? 」のまとめ
童話は、子どもの成長にかかせないもののひとつであり、今後も求められていくコンテンツです。
童話作家として、自分なりの童話を作り上げるのは非常に大変なことです。
童話は子どもの笑顔を引き出したり、母と子のコミュニケーションツールとして大切な役割を果たします。
絵本を世に出すことが出来た日には、なによりの喜びを感じられるはずです。