動物飼育員のつらいこと、大変なこと
動物飼育員のつらいこと・大変なこと
決して「キレイ」な仕事ではない
動物の世話をするのは思った以上に大変な仕事であり、さらに職場は「汚い、臭い」という過酷な環境です。
毎日決まった時間に餌をやり、小屋の掃除をし、体調が悪ければ獣医師と相談したり対応しなければいけません。
動物園では複数の飼育員たちが役割分担して面倒を見ていますが、なかにはゾウやキリン、シマウマなど、人間よりずっと体の大きな動物もたくさん扱います。
体が大きければ必要な餌も数十キロにもなり、糞もすごい量です。
掃除中に自分が汚れてしまうこともありますし、動物の臭いが染み付いて取れないと感じる人もいるでしょう。
慣れないうちは、全身を動かすため毎日筋肉痛との戦いになるかもしれません。
真夏や真冬、どんな天候の日であっても働かなければならず、決してキレイな仕事ではないことを知っておく必要があります。
動物の気持ちを理解する難しさ
動物飼育員が苦労を感じることのひとつは、動物の気持ちを理解する難しさです。
動物は人間と違って言葉を話せないため、動物とコミュニケーションをとるのは簡単ではありません。
たとえば具合が悪そうにしているのを見ても、原因がわからず戸惑うこともありますし、飼育員が気づかないまま、知らず識らずのうちにストレスをためこませてしまう可能性もあります。
だからこそ、動物飼育員はいつも動物の様子を注意深く観察し、いち早くその異変に気付かなければいけません。
新人のうちは動物たちの気持ちがなかなか理解できず苦労を感じることが多いかもしれませんが、動物とのコミュニケーションは経験によって円滑にいく面も大きいです。
諦めない根気と、地道な努力でカバーすることを目指しましょう。
危険を伴うこともある
動物園にもよりますが、猛獣系の動物の飼育を担当する場合は、注意が必要です。
過去には動物園のスタッフが飼育している動物に襲われ、命を落としてしまった事故もあります。
もちろん各動物園では細心の注意を払って飼育していますが、一人ひとりの飼育員が気をつけていかなければいけません。
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動物飼育員の悩み
動物飼育員の悩みは、体力勝負できついと感じることがあげられます。
日々の業務の中で重い荷物を運んだり、中腰での清掃作業を続けることで腰に負担がかかり、腰痛に悩む人が多いです。
また動物が病気になったときは、容態が気になって何日も眠れぬ夜を過ごすことがあります。
動物の死に直面することが最もつらい瞬間ですが、「もっとやれることがあったのではないか」「なぜ異変に気付いてあげられなかったのだろう」と自分の力不足を感じ、苦しい気持ちになることもあるでしょう。
命の重みは、自分が本気で動物たちと向き合ってこそ理解できるものです。
命には必ず終わりがあるからこそ、動物たちが1日でも元気で生き続けられるように、全力で仕事に取り組むことが必要だといえます。
動物飼育員を辞める理由で多いものは?
動物飼育員を辞める理由で多いものは、大きく2つに分けられます。
・体力の低下や体調不良で続けられなくなる
・地元に戻る
動物たちの世話は季節や天候を問わず、野外での力仕事が多いため、体力が何より必要な仕事です。
しかし歳を重ねるにつれて体力が低下して疲れが抜けなくなり、続けたいのにやむなく辞めるという選択をしなければいけない人もいます。
腰痛を発症して悪化したり、動物たちの毛や羽毛、ホコリでアレルギーを発症し、辞めなければいけなくなった人も少なくありません。
また動物飼育員は求人が少なく、全国各地から採用試験を受けにくる人が多いですが、働くうちに地元に戻るために辞めてしまう人もいます。
その理由は、地域文化や気候になじめなかったり、家庭の事情や親の介護で地元に戻らなくてはならなかったりなどさまざまです。
想像以上に体力や健康が求められること、そして動物園や施設がある地域で長く働き続けられるかどうかを冷静に判断することが大切だといえるでしょう。