動物飼育員の勤務時間・休日・仕事は激務?
動物飼育員の勤務体系の種類
動物飼育員の勤務体系の種類は、大きく分けると「公立」と「民間」で異なります。
それぞれの動物園や水族館によっても違いがありますが、公立の場合は都道府県や市町村の定める「定時」で働くのが一般的です。
一方、民間の場合は、公立よりも開園時間が長く設定されることが多いため、勤務体系は早番と遅番といった「シフト制」を取り入れる場合が多くなります。
またゴールデンウィークや夏休みなど、お客さまがたくさん訪れる繁忙期には、開園時間を長くする施設もあるため、その場合は残業時間が長くなったり、宿直する可能性もあります。
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動物飼育員の勤務時間
動物飼育員の勤務時間は、基本的に施設の開園時間に合わせたものとなります。
基本的なパターンとしては8:30〜17:00や17:30頃までの勤務で、その間に1時間ほどの休憩が入る8時間程度の労働が一般的です。
ナイトサファリなどの夜間の営業をしている動物園では、シフト制で早番・遅番に分かれて勤務することもあります。
動物飼育員の仕事では動物や生き物を相手にするため、急に体調が悪くなったり、出産が重なったりする場合には、残業をしたり休日出勤をして対応しなくてはならない場合があります。
やや忙しい職業ではありますが、ひと昔前に比べるとワークライフバランスも取りやすくなってきました。
動物飼育員の休日
動物飼育員の休日については週休2日制で、平日の休みになることが一般的です。
なお、民間の場合は、スタッフの人数や組織体制によっては週1日休みの場合もあります。
休日の取り方もさまざまで、「Aさんは水曜日休み、Bさんは木曜日休み」というように固定される場合や、完全シフト制をとる職場もあります。
土日祝日やゴールデンウィーク、夏休みなどの行楽シーズンは大勢のお客さまがやってくる繁忙期となるため、動物飼育員も休みを取らずに休日出勤したり、連日忙しく過ごすことが多いです。
繁忙期以外の時期には、スタッフ同士で調整しながら有給休暇を取得しやすい職場もあります。
多くの動物園では週に1日程度の休園日を設けているほか、年末年始なども休園日としていることがほとんどです。
ただし動物は365日生活しているため、餌やりや清掃、また異常時に備え、交代でいずれかのスタッフがいるようにしています。
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動物飼育員の残業時間
動物飼育員の残業時間は、トラブルがなければ多くありません。
基本的には定時に帰ることができますが、動物が体調を崩した場合や、出産時、イベント準備などがあれば、遅くまで残って仕事をすることもあるでしょう。
また繁忙期に開園時間を延長する動物園や水族館もあるため、この時期は残業時間が長くなりがちです。
また、動物はいつ異変を起こすかわからないため、この仕事に就く以上、急な残業が発生することは覚悟しておく必要があるでしょう。
動物飼育員に夜勤はある?
働く動物園や水族館によっては、動物飼育員でも夜勤はあります。
公立の動物園や水族館で夜勤勤務は減ってきましたが、民間の施設のなかには、現在も夜勤や宿直制度をとるところがあります。
そうした職場には宿直用の部屋が用意され、寝泊りすることが可能になっています。
緊急時にいつでも職員が駆けつけられ、病気の生き物や体調が悪い動物がいる場合は、つきっきりで看病することもあるため、動物たちにとっては安心な環境でしょう。
夜勤がない施設では、夜は動物飼育員が誰もいない状態になります。
動物飼育員は忙しい?激務?
動物飼育員は、忙しく激務といえます。
帰宅時間は、ゴールデンウィークや夏休みなどの繁忙期を除けば定時に帰ることが可能です。
しかし実際は1日の大半が肉体労働であり、「汚い、臭い」といった大変な環境で働かなければいけません。
飼育員の基本業務は、1日に何度も餌をやり、排泄物の掃除をすることです。
簡単に感じる人もいるかもしれませんが、たとえばインドゾウなどの大型動物は1日に100キロほどの餌を食べ、食べる分だけ糞の量も多くなります。
大きな掃除用具や重い餌を持ち運び、全身を動かしての作業はとても大変で、真夏や真冬、どのような天候の日であっても関係なく働かなくてはなりません。
また、猛獣系の動物の飼育を担当する場合は危険もともないます。
このように、動物飼育員は大変なこともたくさんありますが、日常生活では触れ合えない動物と一緒に過ごし、その命を守り、訪れた人々に動物の魅力や素晴らしさを伝えることができる、やりがいに満ちた仕事です。
「新しい命の誕生を目にして、その子がすくすくと成長する姿を見ている毎日が本当に幸せ」と話す飼育員も大勢います。
動物飼育員の休日の過ごし方
動物飼育員の休日の過ごし方は、人によってさまざまです。
仕事中は肉体労働なので、体を休めてリフレッシュしたいところですが、動物飼育員の多くは無類の動物好きなので、つい担当する動物のことを考えてしまう人が多いようです。
とくに動物の具合が悪かったり、食欲不振や病気、妊娠中の場合には、休みの日でも様子が気になってしまいます。
動物を飼育することは、マニュアルや正解がない難しい仕事です。
そのため時間がまとまって取れる休日を利用して、遠方の動物園や水族館に見学に行って、運営上の工夫や事例を見たりする人もいます。
またセミナーや勉強会に参加して、同じ動物を担当する飼育員同士で情報交換をしたり、図書館で勉強して知識を深めるなど、動物たちのことを第一優先に考えて過ごす人が多いようです。