新幹線の運転士になるには? 免許取得は難しい? 年収はどれくらい?
鉄道会社への入社後、駅員・車掌の経験を積み、さらに在来線の運転士としても働いたのちに、新幹線運転士になるための社内試験や研修などを受ける必要があります。
また、新幹線の運転士となるためには健康状態や判断力などの適性も重視されます。
この記事では、新幹線の運転士になるまでの流れや、なるために必要なことを解説します。
新幹線の運転士になるには
300キロ近いスピードを出す新幹線の運転士は、まさに運転士の「花形」といえますが、新幹線を運転するまでには厳しい道のりがあります。
新幹線の運転士になるまでの流れを大まかに説明します。
鉄道会社に入社して駅員・車掌を経験する
新幹線運転士になるためには、全国各地の鉄道会社へ入社することが第一歩となります。
入社した後、まずは駅員・車掌を数年間ずつ経験します。
その後は、以下のステップでキャリアを積んでいきます。
- 社内試験に合格して国家試験を受験し「動力車操縦者免許」を取得する
- 在来線の運転士としてさらに数年間経験を積む
- 社内で新幹線運転士の募集に応募し、選抜試験を合格する
このような流れを経て、ようやく新幹線に関する勉強と訓練がスタートします。
新幹線の免許を取得する
新幹線を運転するためには、一般の電車を運転する時とは違う「甲種新幹線電気車」免許の取得が必要です。
無事に免許を取得すると、先輩運転士についてもらいながら見習い期間を経て、やっと新幹線の運転手としてデビューします。
新幹線の運転士となる試験はどれも簡単なものではなく、努力はもちろん、健康状態・判断力などの適性も必要です。
新幹線運転士として働ける鉄道会社
現在新幹線を所有する鉄道会社は、以下の5社あります。
- JR北海道
- JR東日本
- JR東海
- JR西日本
- JR九州
「のぞみ」や「ひかり」などの東海道・山陽新幹線は、区間によって運行会社が異なります。
- 東京~新大阪間:JR東海
- 新大阪~博多間:JR西日本
そのため、JR東日本に勤務する運転士が「のぞみ」を運転することはありません。
JR東日本は「はやて」や「とき」など、東北・上越・長野新幹線を担当しています。
もし将来運転士を目指したい新幹線が決まっている場合は、希望する路線や新幹線を所有する会社がどこか念頭に置いて志望先を選ぶことがポイントです。
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新幹線運転士に求められるもの・適性
新幹線は運転士の手だけで運転されているわけではなく、コンピュータープログラムも活用しています。
安全と正確さが何よりも大切な新幹線では、とくに「自動運転機能」が年々進化しており、運転士の大きな助けとなっています。
ただし、すべての運転をコンピュータープログラム任せにすることはできないため、最終的には運転士の判断力や高い技術が必要です。
とくに事故やトラブル、災害時など万が一の際にも、運転士は速やかに適切な行動をとらなくてはなりません。
新幹線運転士としての各種スキルは、運転士になるための訓練などで、時間をかけて身につけていくことになります。
健康状態については、電車運転士全般にいえることですが、視機能や聴力、そのほか身体機能に障害がないかといったことが厳しくチェックされます。
新幹線の運転士の給料・待遇
新幹線の運転士は、鉄道各社で多少の差はありますが600万円から800万円ほどといわれています。
新幹線の運転士も在来線の運転士と同様、「運転士」としての職位は同じため、基本給に違いはありません。
ただし、運転士には「乗務手当」というボーナスが発生します。
乗務手当は乗務時間と乗務距離で決められるため、在来線よりも長時間かけて長い距離を走行する新幹線の運転士は、必然的に手当てが多くなります。
その結果、全体的な給料もアップするのです。
新幹線の運転士も、在来線の運転士と同じように日勤や泊まり勤務で不規則な生活を送ることになります。
在来線と比べると選抜試験は格段に難しくなりますが、給料をアップさせるために新幹線の運転士を目指す人も少なくありません。
なお、近年は女性も新幹線の運転士として働いており、これからはその数がさらに増えると考えられます。
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「新幹線の運転士になるには」のまとめ
新幹線を運転するためには、まず駅員や車掌として現場経験を積んだのち、在来線の運転士になってキャリアを重ねる必要があります。
新幹線運転士の選抜試験は難しいですが、給料をアップさせることもできるため、新幹線の運転士を目指す人も多いといわれます。
将来運転士を目指したい新幹線が決まっている場合は、希望する路線や新幹線を所有する会社がどこか念頭に置いて志望先を選びましょう。