外国人と関わることが多い仕事の種類(13選)
日本国内で働く仕事もあれば、海外に飛び出て現地で働く仕事もあります。
この記事では、外国人と関わることがとくに多い仕事の種類について、代表的なものを紹介します。
「語学力を生かしたい」「日本以外の文化や価値観に触れたい」と考える人にとって、魅力的な仕事がきっと見つかることでしょう。
ビジネスパーソンとして外国人と交渉や営業をする仕事
まず取り上げるのは、会社で外国人と交渉をしたり、営業活動をしたりする仕事です。
「商社マン」は、あらゆる「もの」の商取引を行う商社に勤める人のことです。
商社マンの取引相手は国内のみならず世界中に広がっており、新しい取引先を開拓したり、新規事業を立ち上げたりと、さまざまな仕事に取り組みます。
「海外営業」は、メーカーなどのさまざまな企業において、海外の顧客を担当する営業職のことです。
担当顧客との商談をはじめ、市場調査やマーケティング、営業戦略の立案、契約関連など多様な業務に携わり、自社の売上や利益アップに貢献します。
このような仕事は、ビジネスの最前線で活躍したい、会社員として外国人と関わっていきたいと考えている人に適しています。
商社マン
商社マンとは、一般的に商社で営業などの仕事をする人のことをいいます。
「マン」とはいうものの、決して男性しか就けない職種でというわけはなく、女性も多数活躍しています。
商社は、世の中のありとあらゆる「もの」の商取引を行う会社であり、各社が取り扱う商材を、国内外を問わずさまざまな仕入先から調達すること、そしてそれらを必要とする販売先へ卸すことを、主な業務としています。
国内のみならず、海外企業との取引の機会も多く、世界各国に赴任して働く商社マンも大勢います。
大きな商社では、海外での資源開発や新エネルギー開発といった人と人をつなぎ合わせて新しいビジネスを作り出すことも積極的に行っており、ビジネスパーソンとしての幅広いスキルや視野が身につきます。
海外営業
海外営業とは、メーカーなどの企業に勤務し、海外の企業や販売代理店との取引に携わる営業職のことです。
担当顧客との商談や、市場調査やマーケティング、営業戦略の立案、現地のパートナー企業の開拓、契約関連などさまざまな業務を担当し、自社の売上・利益アップに貢献します。
国内の拠点に所属し、海外顧客と電話やメールなどを使ってやり取りをすることもあれば、相手国への出張や海外赴任をして、顔を合わせて商談することもあります。
一般的な営業としてのスキルに加え、ビジネスレベルの語学力、相手国の商習慣を理解して物事を進めていく力も求められます。
語学力を生かし、観光やサービス業で外国人と接する仕事
外国人と関わる仕事のなかには、高度な外国語の能力が求められるものもたくさんあります。
ここでは、とくに語学のスキルを生かしやすい仕事の種類を紹介していきます。
「通訳」は、日本語と英語など、2つ以上の異なる言語を、お互いの国の言葉に訳す仕事です。
政治やビジネス、芸能、スポーツなど、さまざまな場でニーズがあり、外国人と接する機会も多いです。
「日本語教師」は、日本語を母国語としない人に対して、日本語をわかりやすく教える先生のことです。
日本語そのものはもちろん、日本の文化や歴史などもあわせて伝えていきながら、生徒が日本語に興味を持ってもらえるように指導します。
また、観光に関連する仕事も、外国人との関わりが多いです。
「キャビンアテンダント」は、航空会社のスタッフとして、旅客機を利用するお客さまのサービスや保安管理業務を担当します。
日々たくさんの外国人と接する機会が多く、日常会話レベルの英語力が必要とされます。
「全国通訳案内士」は、観光やビジネスなどの目的で日本を訪れる外国人に付き沿い、観光地などの各スポットを案内したり、滞在中のさまざまなサポートをしたりします。
「ホテルスタッフ」は、お客さまをお迎えして、宿泊や飲食などに関する各種サービスを提供する職業です。
日本のホテルを外国人が利用する機会も増えており、日々さまざまな出会いに恵まれます。
通訳
通訳とは、日本語と英語など、2つ以上の異なる言語を、お互いの国の言葉に訳す人のことです。
各国の重要人物が集まる政治の場をはじめ、国際会議やビジネスの商談、あるいは芸能人やスポーツ選手の来日時など、さまざまな場面で通訳が必要とされています。
言語を正しく聞き取って理解する力に加え、対象者が発する言葉のニュアンスや、「行間を読む」といった人間的なぬくもりを一緒に伝えるスキルも必要です。
仕事柄、外国人が集まる場所で仕事をする機会が多く、外国人とコミュニケーションをとる機会もよくあります。
日本ではフリーランスとして働く人が多いですが、なかには企業に就職して通訳業務を担当する人や、海外で生活しながら通訳の仕事をしている人などもいます。
日本語教師
日本語教師とは、日本語を母国語としない人に対して日本語を教える先生のことです。
日本国内では民間の日本語学校やスクール、日本語教室などで働く人が多いですが、海外の学校にて日本語指導にあたる人もいます。
日本語教師の特徴は、仕事で接する相手のほとんどが、基本的に日本人以外であることです。
日本以外のさまざまな国籍の人に対して、相手の日本語レベルを把握したうえで、興味を持ってもらえるようにわかりやすい日本語の指導を行っていく必要があります。
言葉の背景にある日本の文化や歴史などもあわせて伝えていくことも、日本語教師の役割です。
なお、日本語の指導方法には、日本語を使う「直接法」と、日本語以外の言語(対象者の母国語など)を使う「間接法」があります。
キャビンアテンダント
キャビンアテンダント(CA)とは、各航空会社のスタッフとして旅客機に搭乗し、乗客への機内サービスや保安管理業務を担当する職業です。
旅客機を操縦する「パイロット」とも協力し、安全で快適な空の旅ができるように働きます。
日本人はもちろん、外国人のお客さまとの関わりも多いため、日常会話ができる程度の英語力は求められます。
また、どのような人に対しても明るく、丁寧に、適切なコミュニケーションをとることが重要です。
国際線を担当する場合には、フライトで海外のさまざまな国へ行く機会も多くなります。
通訳案内士
全国通訳案内士とは、観光やビジネスなどで日本を訪れる外国人に対して、日本の名所や文化、歴史を案内したり、滞在中のサポートをする職業です。
通訳ガイド業務自体は誰でも行えますが、「全国通訳案内士」と名乗れるのは、全国通訳案内士の国家試験に合格し、都道府県の登録を受けた人のみとなっています。
外国人とスムーズに会話ができる程度の外国語能力に加えて、日本の文化・地理・歴史・経済などに関する幅広い知識も求められます。
訪日外国人の増加とともにニーズは高まっていますが、現状では正社員としての求人がさほど多くなく、フリーランスや兼業で働く人が多いです。
ホテルスタッフ
ホテルスタッフとは、ホテルに勤務し、お客さまをお迎えして各種サービスを提供する職業です。
ホテルは、宿泊はもちろん、食事やビジネス会議、結婚式など、さまざまな目的で利用されており、日本人客だけでなく外国人客も多いです。
一流ホテルでは高級感のある接客、カジュアルなホテルでは親しみやすい接客など、各ホテルの雰囲気・特色はさまざまですが、いずれの場でも「お客さまをおもてなしする心」が求められます。
訪日外国人が増えている現代では、シティホテルやリゾートホテルをはじめ、ビジネスホテルやカプセルホテルといった比較的安価なホテルでも、ホテルスタッフが外国語でお客さまと接する機会が増えています。
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国際平和と途上国支援のための活躍をする仕事
ここでは、国際平和や途上国支援と関連性の高い仕事の種類を紹介します。
いずれも海外で働くことや、さまざまな国籍の人と共に働いたりする機会が多い仕事です。
「国連職員」とは、国際公務員として国連関連機関に所属し、紛争や貧困、人権問題など、国を超えたさまざまな問題に向き合う人のことです。
国連職員は世界中におり、多様性が重視された職場で、異なる人種や価値観の人たちと連携してプロジェクトを進めていきます。
「青年海外協力隊」は、国際協力機構(JICA)における海外協力隊事業のひとつで、途上国などに派遣され、ボランティア活動を行います。
現地のスタッフと協力したり、地域住民とコミュニケーションをとったりする機会も多いです。
「NGO職員」は、NGOという団体に所属し、途上国の開発や教育などに携わったり、環境保全や人権擁護的な活動をしたりと、世界的な問題に取り組む人のことです。
国連職員
国連職員とは、国連やその下部機関などに勤務し、世界の諸問題を解決するための仕事をする人のことです。
国連職員は「国際公務員」という身分になり、紛争や貧困、人権問題など、国を超えた中立的な立場で多種多様な問題に取り組んでいます。
国連の本部はニューヨークにありますが、職員の多くは世界中に広がる関連機関で勤務しています。
国連そのものがダイバーシティ(多様性)を重視した組織であり、異なる国籍の人たちの価値観や精神性をも理解し、お互いに協力して仕事を進めていく力が強く求められます。
青年海外協力隊
青年海外協力隊とは、国際協力機構(JICA)における海外協力隊事業のひとつで、途上国などに派遣され、ボランティア活動を行う人のことを意味します。
青年海外協力隊には120以上の職種があり、医療や教育、IT、ものづくり、スポーツ、社会福祉など、さまざまな分野に強みをもつ人材の力が求められています。
派遣中はずっと途上国に身を置いて支援活動を行うため、現地のスタッフや地域住民とコミュニケーションを取る機会は非常に多いです。
青年海外協力隊には任期がありますが、プログラムが終了し、日本帰国後にも、ここでの経験を生かして国際協力活動に取り組む人もいます。
NGO職員
NGO職員とは、NGO(Non Governmental Organization/非政府組織)という団体に所属する人のことです。
NGOは政府とは異なる民間の立場で、途上国の開発や教育などに携わったり、環境保全や人権擁護的な活動をしたりと、世界的な問題に取り組んでいます。
日本には400ほどのNGOがあるとされ、国内事務所で働く人のほか、海外拠点で生活しながらプロジェクトを進める人もいます。
所属するNGOによって活動内容が異なりますが、グローバルなものの考え方が求められ、外国人との関わりも多いです。
外国人と関わり、日本の治安や安全を守る仕事
ここでは、外国人と関わることで、日本の治安や安全を守っていく仕事を紹介します。
「外交官」とは、日本の国を代表して、外国との交渉や交流を担当する国家公務員です。
外務省や、世界各地の在外公館(大使館や総領事館)に勤務し、諸外国と政治的な交渉事や経済的な連携を行うことで、日本の平和や安全を守ります。
「入国審査官」は、日本各地の空港や港で、日本へ入国する人の審査や、日本にいる外国人の管理に携わる国家公務員です。
不法入国や犯罪者の入国、外国人の法に違反した滞在、拳銃や麻薬の密輸などを防ぎ、日本の治安と安全を守ります。
また、同様の場で活躍する「入国警備官」は、日本に不法に入国、あるいは不法に滞在している外国人を取り締まります。
ときに法の違反者と向き合うなど危険を伴う仕事にも従事するため、強い責任感や使命感が求められます。
外交官
外交官とは、日本の国を代表して、外国との交渉や交流を担当する国家公務員のことです。
東京にある外務省や、世界各地の在外公館(大使館や総領事館)に勤務し、諸外国と政治的な交渉事や経済的な連携を行っていきます。
とくに海外赴任をする場合には、外国人との関わりが多いです。
外交官は民間企業の社員とは異なり、国家公務員として、あくまでも国全体のための仕事をします。
他の省庁や関連機関とも連携をとり、常に外国を意識しながら行動し、日本と日本国民の平和や安全を守ります。
入国審査官
入国審査官とは、日本各地の空港や港で、日本へ入国する人の審査や、日本にいる外国人の管理に携わる国家公務員です。
不法入国や犯罪者の入国、外国人の法に違反した滞在、拳銃や麻薬の密輸などを事前に防ぐことで、日本の治安と安全を守ります。
外国からの観光客数が年々増加傾向にあるなか、入国審査官の果たすべき役割や重要性はさらに大きなものとなっています。
この仕事では、犯罪の疑いがある外国人と関わることがあるため、強い使命感や責任感をもつことが求められます。
入国警備官
入国警備官は、日本に不法に入国、あるいは不法に滞在している外国人を取り締まる国家公務員です。
地方入国管理局や空港、港に勤務して、法律に違反している疑いがある外国人を調査し、違反が判明した場合には、身柄を拘束します。
入国審査官と同様、日本の治安を守るために欠かせない存在です。
入国警備官は、警察官と同じように拳銃の所持や、違反が認められた場合の強制退去の権限などが認められており、強い気持ちを持って外国人違反者と向き合わなくてはならない場面も多いです。
英語や中国語、スペイン語などの外国語力を高めていくと、外国人とのコミュニケーションで役立ちます。
この記事のまとめ
ここでご紹介してきたように、外国人と関わる仕事といっても、活躍する分野はさまざまです。
また、会社員として働く仕事もあれば、公務員として働く仕事、あるいはNGOなどの団体に所属する仕事もあります。
漠然と「外国人と関わりたい」と考えている人は、まずどのような業界で働きたいのかをイメージして、進路を考えていくとよいでしょう。
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