カイロプラクターになるには
カイロプラクターの資格
日本には国家資格は存在せず
カイロプラクターという職業は、アメリカをはじめとする海外の国では法制化されているところもありますが、日本においては国家資格がなく、誰でも自由にカイロプラクターと名乗ることができます。
ただし国際的には、カイロプラクターの教育については世界保健機関(WHO)が指針を示しており、日本でも2014年から「日本カイロプラクティック登録機構」(JCR)による「登録カイロプラクター」認定制度が始まり、登録者名簿は厚生労働省(医政局医事課)へ提出されます。
この認定制度は民間資格ということになりますが、世界保健機関(WHO)による教育基準を満たしていることが証明されます。
カイロプラクターは筋肉や神経・骨格といった身体の構造の知識が必要不可欠であり、また施術のための専門的な技術も要求されてきます。
それらについてきちんと学んでいないと、患者さんを元気にするどころか、身体の状態を悪いほうへ導いてしまう可能性があるため注意が必要です。
したがって、カイロプラクターを目指す多くの人は、カイロプラクターの養成学校や講座で学んでから就職しています。
なかには独自の認定制度を設けているところもあり、カリキュラムを修了することで認定されるといったケースが多いようです。
何を学べるかが大事
カイロプラクター志望者向けの講座はいくつもありますが、資格そのものというよりも、それを受講することで何が学べるかのほうが重要だといえます。
実際、いざカイロプラクターとして働くうえで、資格が求められるようなことはほとんどないでしょう。
正しい知識・スキルを身につけているかが何よりも大事になってきます。
なお、海外ではカイロプラクティックの正しいあり方も明確になっており、法制化されている国もあります。
日本では唯一「TCC(東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック)」という学校において、国際基準の勉強ができます。
その学校を卒業することによって、国際認証の「ドクターオブカイロプラクティック」の取得が可能です。
資格がなくても独立もできる
カイロプラクターは、資格を持っていなくても独立し、開業できる仕事です。
経験を積んで患者さんからも認められる存在になれば、たとえ資格がなくても多くの人を癒やすことができるでしょう。
ただし、なるための道筋が決まりきっていない分、自分で学校選びなどを真剣に行うことが大事だといえます。
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カイロプラクターのレベルはまちまち
カイロプラクターは人体に直接触れ、健康に影響を及ぼす責任ある仕事であることから、正しい知識・技術を身につけることが必要不可欠と考えられています。
しかし、これだけ学ばなければ仕事に就けないというわけではないため、日本でカイロプラクターと自称する人は3万人以上いるとされているものの、人によって知識・技術レベルはまちまちとなっているのが実情です。
国内にはカイロプラクターとしての知識や技術を学べる学校・スクールはいくつもありますが、合計4000時間以上のカリキュラムを修了している人もいれば、ほんの数日程度の講習を受けただけで開業している人もいます。
カイロプラクターの活躍の場となる施術院やサロンなどでも、求職者に対して求める経験やスキルは店舗ごとに大きく異なっています。
どのような学校・スクールで学ぶべき?
先に挙げた通り、カイロプラクターになるための絶対的なルートは定められているわけではないため、まったくの未経験から、あるいは独学に近い状態でカイロプラクターとして働き始めることは不可能ではありません。
ただし、カイロプラクティック教育のあるべき姿については「カイロプラクティック教育審議会(CCE)」という国際的な教育認証組織が定めており、その組織から認証を受けた学校を卒業することで、はじめて国際的に認められたカイロプラクターと呼ぶことができます。
学校・スクール選びは、将来自分がどのようなカイロプラクターになりたいのか、何を大事にしていきたいのかをしっかりと考えたうえで行っていくほうがよいでしょう。
国際基準の学びができる学校
日本で唯一、国際認証を取得したカイロプラクティック教育を受けることができるのが、東京都にある「東京カレッジオブカイロプラクティック」という学校です。
WHOが定める基準に沿ったカリキュラムが組まれており、こちらを修了することによって国際的に通用するカイロプラクターとして認められる学位が得られます。
全日制の4年制となっており、4200時間以上という膨大なカリキュラムを学ぶことになりますが、確かな知識・技術を身につけていきたい人はこの学校に通っているようです。
その他の養成学校
上記のほか、整体やカイロプラクティックの知識・技術が学べる養成学校は全国にいくつかあります。
なお、それらは一般的な大学や専門学校ではなく、いわゆる民間のスクールといわれるところが多いようです。
大学で「柔道整復師」の資格をできるところはありますが、カイロプラクターを目指す人の大半は、スクールで学んでいます。
各学校で具体的なカリキュラムは変わってきますが、基礎医学をはじめ、カイロプラクティックの実践につながる検査法やテクニックの技術まで広く学ぶことができるでしょう。
学校によっては、系列の整体院・治療院があり、卒業後にはそちらへそのまま就職できるところもあるようです。
なお、修業年限は3ヵ月程度の学校もあれば、1年や2年以上というところもあり、まったくの未経験者を対象としたものから、経験者がスキルアップのために通えるようなものまでさまざまです。
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女性のカイロプラクターでも活躍できる?
女性でもカイロプラクターになれる?
カイロプラクターは、日本でも知名度が徐々に高まっている職業であり、老若男女問わずカイロプラクティックの施術を受けた経験がある人は珍しくなくなっています。
そのようななか、カイロプラクターの仕事に興味を持つ女性も増えつつあるようですが、実際のところ、女性でもカイロプラクターとしてきちんと活躍できるのかどうか気になる人もいることでしょう。
結論からいうと、女性であっても問題なくカイロプラクターになることができます。
男女で仕事内容に差が出ることはありませんし、この仕事では施術上で手の柔らかさが生かせるところがあり、その点においては一般的に女性のほうが向いているといわれます。
ただし、施術中はそれなりに力を使うこともあり、さらに立ちっぱなしとなる時間も長いです。
重いものを持ち運ぶといったことはほとんどありませんが、体力勝負の面があることは理解しておいたほうがよいでしょう。
女性専門の施術院もある
最近では、女性の患者さんを専門に受け付けるカイロプラクティックの施術院も登場しています。
そうした施術院では、たいてい女性のカイロプラクターが中心に活躍しています。
カイロプラクティックの施術では患者さんの身体に直接触れることになるため、患者さんによっては「女性の先生のほうが安心できる」と話す人もいます。
もちろん、男性の患者さんと女性の患者さんを同じように受け付ける院でも、女性カイロプラクターは働くことができます。
女性にとっても活躍の場は幅広くあるといえます。
活躍の仕方はさまざま
カイロプラクターは、技術があれば、さまざまな働き方を実現することができる仕事です。
たとえば意欲的な人であれば独立開業することも可能ですし、子育てをしながら無理のない範囲でパートに出るといった働き方も可能です。
また、最近はリラクゼーションサロンや美容の分野でも、カイロプラクターのスキルが持つ人が求められることもあります。
自分の目標やライフスタイルに応じて、多様な働き方ができるのも、女性にとってはうれしいポイントといえるでしょう。