バス運転手の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説
バス運転手の平均年収・給料の統計データ
バス運転手の給料は、年齢や経験が増えるごとに上がっていくのが一般的です。
また、勤務先の規模や地域によっても異なり、地方よりは都市部、また小さなバス会社よりは大手のほうが給与額は高くなる傾向にあります。
バス運転手の平均年収・月収・ボーナス
賃金構造基本統計調査
厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、営業用バス運転者の年収は、平均年齢53.9歳で453万円ほどとなっています。
- 平均年齢: 53.9歳
- 勤続年数: 13.9年
- 労働時間/月: 164時間/月
- 超過労働: 33時間/月
- 月額給与: 325,600円
- 年間賞与: 624,700円
- 平均年収: 4,531,900円
また、男女別でみると男性のほうが若干給料が高くなっています。
出所:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
求人サービス各社の統計データ
職業・出典 | 平均年収 | 年収詳細 |
バス運転手 (転職ステーション) |
412万円 | - |
バス運転手 (給料バンク) |
394万円~517万円 | 20代の給料:23万円 |
30代の給料:27万円 | ||
40代の給料:34万円 | ||
初任給:15万円 |
上記のデータから、バス運転手の平均年収は400~500万円の間であることがわかります。
バス運転手の手取りの平均月収・年収・ボーナスは
各社の統計データをもとに算出すると、バス運転手の平均年収は450万円前後となると考えられます。
厚生労働省の統計調査より、ボーナスが年間でおよそ2ヶ月となっていることから、月額総支給額は30万円、ボーナスは年間60万円ほど支給されていると考えられます。
東京都で勤務するバス運転手で、独身の人の場合、交通費などを除外して考えると月の手取り額は26〜27万円ほどになると見込まれます。
現在、日本人全体の平均年収が約460万円と言われていることから考えると、一般的な職業と同程度と考えてよいでしょう。
バス運転手の初任給はどれくらい?
バス運転手は、新人である20代のうちは年収200万円台後半〜300万円台になる人がほとんどです。
一例として、はとバスでは観光バス運転職が月額固定給197,700円~254,850円(契約基本給166,300円+観光バス運転士手当21,500円)+諸手当、通勤バス運転職が月額固定給204,790円~261,940円(契約基本給171,390円+通勤バス運転士当23,500円)+諸手当、とされています。(2023年度実績)
技術が問われる仕事であるだけに、経験を積むことで基本給は上がっていきます。
ただし、配属先の営業所や担当路線によってもその額は異なり、極端な増額は見込めないところもあります。
バス運転手の勤務先の規模別の年収(令和5年度)
バス運転手の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。
10〜99人規模の事業所に勤めるバス運転手の平均年収は358万円、100〜999人規模は416万円、1,000人以上の規模では540万円、10人以上規模の事業所平均は453万円となっています。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
バス運転手の勤務先の年齢別の年収(令和5年度)
バス運転手の年収は、年齢による上昇はあまりなく、おおむね400万円台を推移しています。
全年代の平均年収は453万円となっています。
バス運転手の福利厚生の特徴は?
公営バスの運転手として公務員の身分が与えらえた場合、住居手当、扶養手当、通勤手当、夜勤手当、超過勤務手当が付くほか、期末・勤勉手当(ボーナス)が年に2回支給されます。
民間のバス会社は各社で待遇が異なり、なかにはボーナスの支給がなかったり、手当に関しては充実していないところもあります。
しかし、無事故を続けると毎月無事故手当が支給されたり、待遇面を非常に充実させて働きやすさをアピールしているところもあるため、事前にしっかりと調べておく必要があります。
また、万一事故等に巻き込まれた際を考え、労災や休職などに対する補償が手厚いところが多くなっており、契約社員でもこれらの制度は利用できる場合がほとんどです。
近年では育休・産休・時短勤務など女性が働きやすい制度を整え、自社のアピールとしているところも少なくありません。
20代で正社員への就職・転職
バス運転手の給料・年収の特徴
繁忙期と閑散期
観光バスの運転手として働く場合は、繁忙期と閑散期が発生します。
乗務の仕事が少なく営業所で待機する日が多くなる時期には、給与が下がってしまうということも少なくありません。
基本給が低いところも
近年、バス会社の経営は厳しいところが多く、人件費削減のために基本給を安く抑え、その代わり労働時間を長く設定しているところも多くあります。
バス運転手のなり手不足が叫ばれるなか、こうした待遇は改善される傾向にありますが、まだまだこうしたバス会社は多く、就職の際には注意が必要です。
バス運転手の勤務先別の給料・年収
公営バスの場合
令和5年度東京都交通局運輸系職員〈交通技能(バス部門)〉 の場合、採用時年齢の初任給は月額にして18歳で約182,600円、29歳で約208,900円 、35歳で約225,500円 とされています。
かつては公営のほうが給与水準がずっと高く、安定性があることから人気がありました。
しかし最近では待遇面の「官民格差」が問題に取り上げられることも多く、公営バス会社の給与水準は下がりつつあるようです。
また、公営でも民間委託が進んでいたり、正社員ではなく嘱託社員やアルバイトの運転手の採用も増えていることから、必ずしも高額な給料がもらえるとは限りません。
民間バスの場合
主に路線バスの場合、拘束時間が長い反面、実際の乗務時間しか賃金が発生しないという問題があります。
路線バスの場合、通勤通学が集中する朝と夕方はバスを増便します。
両方を運行する場合、「中間開放(中抜け)」として、昼間に数時間の勤務時間外の時間をおいているところが大半です。
この時間は基本的に自由時間ですが、結果的に拘束時間が長くなり、給料が時間に見合っていないと感じる人も多くいます。
また、ダイヤが遅れたりするとこの休憩時間が削られることも少なくありません。
20代で正社員への就職・転職
バス運転手の正社員以外の給料・年収
契約社員・嘱託社員
近年では、バス会社の経営が困難なことから、契約社員や嘱託社員として運転手を採用するところも増えています。
公営バスの場合も、徐々に事業を民間委託するケースが増えていたり、正規職員ではなく嘱託社員やアルバイトの採用を増やしています。
契約社員や嘱託社員の場合、正社員よりも給料は劣りますが、待遇は同程度のことが多く、経験を積むと正社員になる道も開けます。
アルバイト
観光バスなどでは、繁忙期にアルバイトとして短期間採用することもあるようですが、バス運転手のアルバイトはあまりありません。
これはバスを運転できる大型二種免許を取得している人が少ないこと、また大人数の命を預かるバス運転士手を、アルバイトとして軽率に雇うことはできないことが挙げられます。
一方、大型二種免許を必要としない小型のバス運転手は、アルバイト採用もあります。
これは幼稚園や養護・老人施設、社員の送迎など、少人数・短時間の運転を行う場合が大半です。
バス運転手が収入を上げるためには?
バス運転手が収入を上げる方法としては、まず勤続して経験を積むことが考えられます。
バス運転手として経験を積めば、指導運転手になったり、管理部門に異動したりする道が考えられます。
そうすれば給料も上がりますし、仕事の幅もぐんと広がります。
また、バス運転手は資格さえあればどこでも働けるため、キャリアアップや収入アップを目指し転職するという人も多いです。
路線バスから観光バス、また高速バスへと運転のキャリアを重ねていく人も少なくありません。