財務専門官の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

財務専門官の仕事とは

財務専門官は財務省の総合出先機関、または金融庁の事務委任によって全国にある10の財務局・財務支局、沖縄総合事務局財務部で働く国家公務員です。

地域に合わせた財政、国有財産、金融などの施策を実施するとともに、財務省や金融庁の重要施策を広報する役割も担っています。

それらの仕事を通して地域に貢献するのが財務専門官の使命です。

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財務専門官の業務の内容と役割

財政に関する業務

財務専門官は財務と金融のプロフェッショナルとして地域で活躍する役割があり、主な業務は5つに分類されていますが、まず、財政に関する業務から見てみましょう。

適正かつ効率的に国の予算を確保する

予算執行調査を通して予算編成で改善すべき点を指摘し、予算の見直しや効率化への取り組みを行います。

災害査定立会の実施

台風や地震などで道路や河川、農地などが被災した場合、災害査定立会を速やかに実施し、早期復旧のための災害復旧事業費を決定します。

地方公共団体への財政融資資金の貸付

地方公共団体が生活関連施設、例えば学校や上下水道、廃棄物処理施設などの建設・整備に必要な資金を財政融資資金から貸付します。

国有財産に関する業務

行政財産を有効活用するための調整

国が使用している庁舎などコストと利便性を考慮し、横断的な入れ替え調整や集約などを行い国有財産を有効かつ効率的に使用できるよう調整します。

地域や社会のニーズに対応した国有財産の有効活用

「介護離職ゼロを目的とした都市部における介護施設整備の促進」、「大規模国有地の売却」、「庁舎・宿舎跡地など公的利用要望のない財産の処分による税外収入の確保」、「東日本大震災などの災害に関連したがれき置き場や仮設住宅のために未利用等国有地を無償提供」などを行っています。

金融に関する業務

地域金融機関の検査および監督

預金者の保護を目的として地域銀行や信用金庫などの検査・監督を実施するほか、保険契約者や消費者金融、証券会社をはじめとした金融商品取引業者への検査・監督も行います。

中小企業に対する資金提供の円滑化

中小企業と金融機関双方へのヒアリングなどを行い融資の実態を把握し、金融機関へ資金提供の円滑化をうながしています。

金融商品取引調査

金融商品取引などの監視を行い犯則事件の調査をしています。

経済調査に関する業務

地域経済の動向調査および分析

地域の経済状況の調査と分析を行い、地元に情報発信するほか、年4回行われる財務省の全国財務局長会議で報告しています。

法人企業の調査

企業活動の実態を調査するため年6回統計調査を行うほか、年4回景気予測調査を行い、法人税収見積りの基礎資料などに活用しています。

広報相談に関する業務

財務省や金融庁の施策広報

意見交換会や個別訪問などを通し、地域とのコミュニケーションをはかり財務省や金融庁の施策を広報するほか、意見や要望をヒアリングすることで双方向でよい影響を与える広報活動を行っています。

講師派遣

「財政の現状」や「経済情勢」、「税制一般」など大学生向けや、子育て世代などニーズに応じた講演会を実施しています。

多重債務者相談

多重債務者の相談を無料で受け、状況の聴取、債務整理方法の説明、法律専門家の紹介などを行っています。

財務専門官の勤務先の種類

財務専門官の勤務先は、北海道(札幌市)、東北(仙台市)、関東(さいたま市)、北陸(金沢市)、東海(名古屋市)、近畿(大阪市)、中国(広島市)、四国(高松市)、九州(熊本市)財務局と福岡財務支局、沖縄総合事務局が勤務先となります。

各財務局には事務所や出張所があり、例えば関東財務局の場合は水戸市、宇都宮市、前橋市、千葉市、東京都文京区、横浜市、新潟市、甲府市、長野市、立川市、横須賀市、つくば市の計12カ所の財務事務所・出張所があり、いずれかの場所が勤務先になります。

基本的な業務内容は変わりませんが、担当する地域に根差した国の行政機関として各地域の特色に応じて地域経済を支えるとともに、地域の意見や要望を財務省や金融庁に伝え、国の施策に反映させるのも財務専門官の仕事です。

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財務専門官の仕事の流れ

金融のプロフェッショナルとして働く財務専門官の仕事は広範囲にわたりますが、地域の活性化を左右しかねない金融に関する業務のうち、地域金融機関の検査・監督の流れを紹介します。

1.委任

銀行や信用金庫など金融機関への検査・監督は、金融庁や証券取引等監視委員会、公認会計士などから委任を受け行います。

2.検査・監督

検査・監督はオンサイトモニタリング(立ち入り検査)やオフサイトモニタリング(ヒアリングや資料確認)によって行われます。

3.通知・報告確認

検査結果の通知を行い、問題点があれば改善促進を行い、指摘された金融機関は報告・回答、改善を行うことで地域の中小企業や住民が安心して取引できる環境を維持していきます。

財務専門官と国税専門官の違い

財務専門官と同じく、お金に関する「専門官」という名が付く国家公務員に国税専門官があります。

財務専門官は財務省財務局に所属する国家公務員で、主に地域のため、国民のために働く「金融や財政のプロフェッショナル」という立ち位置です。

国税専門官は財務省の外局である国税庁や税務署に所属する国家公務員です。

「税金のスペシャリスト」として税金に関する調査や指導を行い、国の財政基盤を支えるのが主な役割で、時には財産差し押さえや脱税案件の刑事告発なども行います。

国税専門官の仕事