和菓子職人の1日のスケジュール・生活スタイル

和菓子職人の業務スケジュール

独立開業や小さな店舗は柔軟な対応が必要

和菓子職人の1日の働き方は、店舗や企業の規模などによって異なることが特徴です。

小さな店舗で勤務する場合は、朝早くから夕方までの勤務が一般的ですが、勤務時間表どおりにならないことがほとんどでしょう。

生菓子は作り置きができないため、定番人気商品の在庫を切らさないことはもちろん、特別注文に合わせた制作も必要です。

お客さまや注文次第で柔軟な対応が求められるため、決まった勤務開始時間よりも早く出勤することもあります。

食品メーカーや和菓子の製造工場は定時

一方、食品メーカーや和菓子の製造工場などでは、比較的決まった時間帯と休日で働けます。

店舗やメーカーによっては早朝からの出勤や、早番・遅番の2交代のシフト制にしているところも多く見受けられます。

休日は週に1日の定休日と、月に2日、シフトに応じて休みが取れるほか、年末年始やゴールデンウィークなど店舗の定めた休日があります。

また、有給を利用すればまとまった休みを取ることも可能です。

繁忙期は店舗によって休日出勤も

和菓子店にとっての繁忙期は、お盆やお彼岸、節句の時期、卒業シーズンなどがあたります。

そのためサラリーマンが休んでいるお盆などの大型連休時には出勤し、繁忙期を過ぎてから交代で休みを取るというパターンが多いようです。

ほかにも地域によっては学校行事やお祭りなどのとき注文が殺到する店もあるでしょう。

残業や休日出勤をしてでも注文された数を作り上げる必要があるので、大変忙しくなります。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

老舗和菓子店で働く和菓子職人の1日

ここからは、老舗和菓子店で働く和菓子職人の1日について見ていきましょう。

6:00 起床
朝起きたら身支度をする前に蒸気をあげる準備として、ボイラーに点火します。
6:15 朝生(あさなま)づくり
着替えや身支度を簡単に済ませたら、前日までに受けた注文を確認します。

そして、先ほど点火した蒸気を使って団子や大福などの朝生づくりを開始します。

7:30 朝食・開店準備
朝生が完成したら朝食を食べて、開店準備に取りかかります。
8:00 開店
朝早くから開店しているので、地元の方が勤務先への差し入れ用に買うため寄ってくれます。
8:30 中生(ちゅうなま)づくり
店舗が落ち着いたら日持ちが2~3日のどら焼き、もなか、鮎がしなどの中生づくりに取りかかります。
9:00 接客
午前中はお客さまが多い時間帯なので、店頭が忙しいときは作業を中断して接客しなければなりません。
11:00 配達
一度工房を離れて、注文の商品をお客さまのご自宅まで配達に出かけます。
12:00 昼食休憩
午後からは集中力が切らせない作業に入るので、昼休憩はしっかり休んでリフレッシュすることが必要です。
13:00 上生(じょうなま)菓子づくり
休憩後は、技術力が求められる上生菓子の製作を行います。

注文数や在庫に合わせて数や種類を調整することも大切です。

14:30 焼き菓子づくり
生菓子が仕上がる目処がたったら、比較的日持ちのする焼き菓子を作ります。

また、賞味期限や売れ行きをチェックしながら補充していきます。

16:00 明日のための仕込み
明日使う予定の食材を準備し、道具の片付けを行い、足りない食材は早めに発注します。
17:00 勤務終了
繁忙期でなければ残業はほとんどないため、夕方には勤務が終了です。
18:00 夕食
夕食をとりながら、テレビを見たり雑誌を読んでリラックスします。
19:00 新作和菓子の試作・研究
和菓子職人として腕をあげるためには日々の勉強が欠かせないため、夕食後に自宅での新作和菓子の試作や研究を行います。
22:00 入浴・就寝
試作の作業がひと段落したら、明日も早いので早めに就寝します。

製造部で働く和菓子職人の1日

ここからは、和菓子店の製造部主任として働く和菓子職人の1日を見ていきましょう。

製造部が独立している店舗や工場は、和菓子職人が和菓子の製作に注力できる仕事環境が整えられています。

綿密なスケジュールに従い効率的に作業するので、サラリーマンの勤務時間とさほど変わりません。

8:30 出勤
出勤したら、作業服に着替えて準備します。
8:45 朝礼
全体朝礼で本日の注文状況や新しい企画などについて申し送りをして、全員で注意事項を共有します。
9:00 生菓子づくり
早い時間は予約の入っている生菓子の製作を行います。

その日の天気や湿度によって食材の状態が違うので、見極めながら作業することが大切です。

11:00 日持ちのする菓子の製造
生菓子が終わったら羊かんなどの日持ちのする菓子の製造に入りますが、工程を間違えると同じものができあがりません。

ひとつひとつ丁寧に慎重に作業を進めます。

11:30 生菓子づくり
電話で生菓子の注文が入ったので、生菓子づくりを優先して追加で作業を行います。
12:00 昼休憩
黙々と自分の作業をこなすことが多いので、お昼休憩はなるべく従業員全員で一緒に過ごし、コミュニケーションを図るようにしています。
13:00 製作スタート
午後からの製作は、日持ちのするギフト菓子などがメイン業務です。
15:00 午後の休憩
午後には15分の休憩が用意されているので、外の空気を吸ったりお茶を飲んで一息つきます。
15:15 若手指導
若手の育成も主任の仕事です。

見習い職人たちが担当するいる雑用や材料の下準備について、よかった点や改善点を伝えます。

16:20 清掃
最後の40分は作業場を清掃する時間として取られているので、この時間になったら隅々まで綺麗にします。
17:00 退勤
よっぽどのことがない限り、残業はほとんどありません。
17:30 見習い職人の指導
職人見習いたちが終了時間後に自主練習を行うのを、少しだけアドバイスをしてから帰宅します。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

休日には自分の勉強を

和菓子職人は、休日に自分の勉強をすることも大切です。

他店の味を食べ比べて研究したり、和菓子の世界は日本の伝統文化と関連していて奥深いので、華道や和装、日本建築、歌舞伎、相撲、短歌、俳句などの勉強にも励むとよいでしょう。

またケーキやチョコレートなどの洋菓子だけでなく、日本人にとってあまりなじみのない外国のお菓子を研究することも、新しい和菓子の味を生み出すことにつながるかもしれません。

日本の伝統を大切にするとともに、現代に生きる職人として新しい和菓子を生み出すことができれば、自分の将来も和菓子の将来もさらに広がるでしょう。