鉄道会社で働くには? 必要な学歴や求人の状況、キャリアパスも紹介
日本各地には数多くの鉄道会社があり、たくさんの社員たちが協力しながら働いています。
この記事では、鉄道会社で働くための道のりや鉄道会社の採用情報、就職しやすい学歴や学部などをまとめて紹介しています。
鉄道会社社員になるまでの道のり
鉄道会社の社員としては働くための一般的な道のりは、各鉄道会社の採用試験を受け、合格(内定)を目指すことです。
新卒者の場合は、多くの場合、応募資格として学歴による制限が設けられています。
幹部候補として採用される「総合職」は、大学や大学院、もしくは高等専門学校の卒業見込みの人が対象になっています。
一方、運転士や整備など現場で活躍する「プロフェッショナル職(現業職)」だと、大学や高等専門学校に加え、短期大学や専修学校の卒業見込み、会社によっては高等学校の卒業見込み者も応募可能です。
中途採用の場合、主に経験を重視した選考になりますが、試験を実施するケースもあります。
鉄道会社の社員になるための最短ルートは、高校を出てすぐに就職を目指すことです。
ただし、学歴によって応募できる職種が変わってくるため、自分がなりたい職種の応募要件は事前に調べたほうがよいでしょう。
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鉄道会社の求人の状況
多くの鉄道会社では、求人を定期的に出しています。
とくに大手鉄道会社では、新卒採用を毎年定期的に実施していますし、中途採用に関しても専用のホームページを設け、年間を通じて募集することがあります。
なお、総合職の採用予定人数はJR東日本でも100人程度で、大手私鉄は50人前後です。
企業規模からすると決して多いとはいえず、しかも人気のある業界で優秀な人材も多く応募するため、狭き門といえます。
一方、現場で働くプロフェッショナル職(現業職)は、500~800人以上のように、大量採用を行う鉄道会社もあります。
鉄道会社で働くための学部・学歴
鉄道会社で働くというと、駅員や車掌の姿を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、鉄道会社ではそれら以外にも、新規事業開発や不動産開発などの職種もあれば、電気系や土木工事などの職種まで、さまざまな領域で活躍する社員が求められています。
目指す職種によって必要な学歴が変わることは知っておきましょう。
総合職(事務系・技術系)の場合
総合職を目指すのなら、大卒または高等専門学校卒が必須条件です。
さらに学科の条件を設けているケースもあります。
事務系の総合職であれば「全学部全学科」が対象ですが、技術系の総合職の場合は、機械系、物理・材料系、電気系、電子系、情報系など、職種に応じた大学の学科卒を条件とする企業もあります。
プロフェッショナル職(現業職)
プロフェッショナル職(現業職)は、大卒のほか高卒の採用を行っており、学部や学科の条件はありません。
ただし、同じプロフェッショナル職であっても、学歴により業務内容は変わってくることが多いです。
ある大手鉄道会社を例にすると、大卒のプロフェッショナル職の場合は、運転士や車掌、さらには線路や電気といった業務を支えることが期待されています。
業務を通して経験と知識を蓄積し、将来的にはマネジメント業務など中枢の業務をまかされる存在になっていきます。
一方、高卒のプロフェッショナル職の場合は、線路や土木構造物、車両、信号システムなどの保守管理、改札業務や窓口対応など、現場を直に支える仕事を担当します。
なお、高卒の場合は、採用実績がある高校に鉄道会社から求人情報が届き、学校を通して応募するのが一般的な流れとなっています。
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鉄道会社社員になるのに有利な資格はある?
鉄道会社に就職する際、必須の資格はとくにありません。
新卒・中途採用ともに応募資格に必要な資格は存在せず、人柄や熱意、仕事への適性などを重視した採用基準になっています。
必要な資格は入社後、業務に応じて取得を目指すことになるでしょう。
会社によっては資格取得支援として国家資格取得のお祝金制度を設けるなど、福利厚生の一環として資格取得をサポートしている場合もあります。
入社後は、制度を上手に活用しながら自身のスキルアップを目指せます。
鉄道会社社員に向いている人
鉄道会社では大勢の社員が活躍しており、人によって個性や価値観もさまざまです。
ここでは、とくに鉄道会社社員として向いている人の特徴や適性を紹介するので、進路を考える際の参考にしてみてください。
自己管理がしっかりできる人
列車の運行は秒単位で行われているため、時間管理を確実にできなければ仕事に支障をきたすほか、まわりにも大きな迷惑をかけてしまいます。
また、列車の運行に関わる仕事は綿密なダイヤに沿って進行していることから、一つひとつの仕事を計画的に進める管理能力も必要です。
こうした点から、自己管理が得意な人には向いています。
チームワークを大切にできる人
鉄道会社では毎日、一つの列車を安全に、そして正確に運行させるため非常に多くの人たちが動いています。
そして多くの部門が常に連携しながら業務を進めているのも鉄道会社の特徴といえるでしょう。
「自分さえよければよい」という考え方だと連携が上手に取れないどころか、安全な運行にも支障をきたします。
安全・安心な運行を実現するには、チームワークを第一に考えられる人が向いています。
ルールを守り、ルーティンワークが得意な人
乗客の安全を守り、列車を正確に運行させるために、鉄道会社には多くの規則が存在しています。
どれも手を抜けない業務だからこそ、数多くのルールを正確に守れる人が向いています。
ルールを守るということは、ルーティン化している業務も多いということです。
イレギュラーが発生しないよう正確な仕事の積み重ねで列車は運行するため、仕事を正確にこなすことが苦にならない人にも、鉄道会社社員は向いているでしょう。
鉄道会社社員のキャリアプラン・キャリアパス
鉄道会社社員のキャリアアップの道は、採用区分が「総合職」か、それとも「プロフェッショナル職」かで変わります。
ある大手鉄道会社のキャリアステップを例に挙げると、総合職もプロフェッショナル職も、入社後は配属部署に応じ、現場の仕事を経験します。
配属部署は車両メンテナンスや土木・線路メンテナンス、運行システム関連や車掌・駅業務などです。
その後、総合職の場合は各部署の指令として働きます。
経験を積むと各部署の計画部門で働いたり、現場責任者としての役割を任されたりします。
一方、プロフェッショナル職の場合も同様に各部署の指令として働いたあとは、該当職種のエキスパートとして活躍したり、現場の管理者として活躍したりします。
大手鉄道会社社員は高卒から目指せる?
高卒からでも鉄道会社への就職は目指せます。
むしろ、各鉄道会社において高卒者の採用人数は多いため、いち早く現場で働きたい人には向いている選択かもしれません。
日本全国の高校の中には、数は少ないですが「鉄道学科」を持つ学校があります。(代表校:岩倉高等学校、昭和鉄道高校)
それらの高校では、英語や数学などの一般科目に加え、鉄道数学や車両知識、電気基礎など、鉄道会社で役立つ知識を学ぶことが可能です。
卒業後は鉄道会社へ就職する学生が多いため、本気で鉄道会社への就職を目指している人にはメリットがあるでしょう。
「鉄道会社で働くには?」まとめ
鉄道会社は日本全国にあり、定期的に新しい社員を採用する企業が多いです。
駅員や車掌をはじめ、現場で働く社員は高卒者も多く、さまざまな学歴から応募できることが鉄道会社の特徴といえます。
ただし、採用区分によって任される仕事内容やキャリアパスが変わってくるため、将来どのような仕事がしたいのかを事前によく考えて、進路選択をしてください。