タクシー運転手の需要・現状と将来性

タクシー運転手の現状

タクシー会社の二極化

タクシーの輸送人員数は、リーマンショック以降大幅に落ち込みましたが、近年は安定した需要があります。

一方、2009年と2014年には規制強化が行われ、乗務員不足の影響もあり供給は減少傾向にあります。

タクシー1台当たりの売上高は増加しつつありますが、乗務員を比較的確保しやすく売り上げも高い大手業者と、そうでない小規模業者の間で業績が二極化するという事態も起きています。

ライドシェアの浸透

近年、自家用車を用いた個人ドライバーによるサービス、いわゆる「ライドシェア」が若者を中心に注目を集めています。

日本ではライドシェアは「白タク行為」として禁止されていますが、交通が不便な過疎地域等に限り認められるようになりました。

また、実費(燃料代や高速料金等)の割り勘による一部の相乗りサービスは認められており、若い世代を中心に利用が広がりつつあります。

こうしたサービスははじまったばかりですが、社会に浸透するにつれタクシー業界にとっては脅威となることでしょう。

タクシー運転手の需要

タクシー運転手の需要は一定数ありますが、近年は運転手の高齢化によって人材が不足しています。

また、外国人観光客の増加により、利用者数が大幅に増加していることも、原因として挙げられます。

タクシー運転手は歩合制であり、安定した収入が得られないというイメージが根強いこと、また不規則な勤務時間により生活が安定しないことなどが若い世代を中心に敬遠される傾向にあります。

タクシー運転手の人材不足を解消するには、こうしたイメージを払しょくするべく、タクシー業界全体で働き方や環境を変えていくことが必要だと考えられます。

タクシー運転手の将来性

タクシー運転手は、運転免許を取得し、身体が健康でありさえすれば、基本的には誰でもなれる職業です。

もちろん、運転技術や地理の知識、お客さまに対する気づかいやマナーなど求められるものはさまざまありますが、これらはある程度仕事をしながら学んでいくことができます。

とはいえ、実際に仕事をするとなると、そう楽なものではないことに気づくはずです。

サービス業なだけにストレスは大きく、また1日の勤務時間が長いため体力や集中力も要します。

また、歩合制という独特の働き方に対応できるかどうかも、仕事を続けていくポイントになるでしょう。

経験を積み、個人タクシーの運転手になれば法人タクシーで働く以上の自由も得られますが、うまくいかなければ年収は一般的な会社員のそれに満たないということも十分に考えられます。

「本当に稼げる」タクシー運転手になるためには、地道な努力と前向きな姿勢が必要になります。

タクシー運転手の今後の活躍の場

現在、自動車メーカーIT企業が自動車の自動運転技術の開発を進めています。

実際に路上での運転実験も行われており、安全面や法律面の問題は多く残るものの、技術的には実用の段階に近づきつつあります。

遠い将来とはなりますが、自動運転が一般的になると、タクシー運転手の仕事も変わってくることでしょう。