水泳選手に必要な筋肉・体脂肪率はどれくらい?

水泳選手には、短距離であれば主に瞬発力、長距離であれば主に持久力が求められます。

常に高いパフォーマンスを発揮するために、トレーニングによって水泳技術の向上を目指すことはもちろん、体づくりにも力を入れています。

この記事では、水泳選手に求められる筋肉や体脂肪率の特徴について、詳しく紹介します。

水泳選手はどんな筋肉が必要?

水泳選手は、水の中を勢いよく泳ぐための筋肉を育てていくことが重要です。

実際にどんな筋肉が必要なのかを詳しく紹介します。

赤身と白身

水泳選手の筋肉について考えるにあたって、まずは水泳選手と同じように水の中を泳ぐ魚の特徴を紹介します。

魚には、マグロやカツオのような赤身魚と、タイやヒラメのような白身魚がいます。

マグロやカツオのように遠海まで泳ぐ回遊魚は、瞬発力より持久力に優れています。

遠くまで長い時間をかけて泳ごうとすると、大量の酸素を取り込み、エネルギーを長く生みだし続けることが必要です。

その際、酸素は「ヘム」という鉄入り色素と結合して供給されますが、この「ヘム」が赤い色をしているため、マグロやカツオの身は赤く見えます。

反対に、タイやヒラメのように近海を泳ぐ魚は、獲物を追いかけることなどで瞬発力が発達しています。

瞬発力を生むのに重要なのは効率よくエネルギーを生みだすことで、酸素を大量に取り込む必要はありません。

そのため筋肉に色がつかず、白く見えます。

長距離選手と短距離選手

人間も魚と同じように、赤身(遅筋という)の割合が多い人と、白身(速筋という)の割合の多い人がいます。

陸上競技のランナーでいえば、長距離選手の筋肉は赤身の割合が多く、短距離選手の筋肉は白身の割合が多くなっています。

水泳の場合、長距離を得意とする選手は、やはり赤身の割合が高いそうです。

陸上での長距離走も得意というタイプは、水泳選手としても後半の追い上げに持ち味があります。

それに対して、水泳の短距離が得意という選手は、必ずしも白身が多いわけではないようです。

100m自由形でも1分近くかかることから持久力も必要で、むしろ、赤身と白身の割合が同じくらいの人が力を発揮するといわれています。

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水泳選手の体脂肪率

水泳選手は引き締まった体をしていますが、陸上など他のスポーツ選手と比較した際に、体脂肪率としてはそこまで低いわけではありません。

ここからは、水泳選手の体脂肪について詳しく説明します。

体脂肪率は8~16%

陸上競技のトップ選手は体脂肪率が10%以下の人がほとんどですが、水泳選手の場合、男子で8〜12%、女子で10〜16%とやや高めになっています。

実際、見た目でも、陸上競技のトップ選手の身体は鋼のように研ぎ澄まされた印象ですが、水泳選手の身体にはうっすらと脂肪がついているのがわかります。

水泳選手の体脂肪率が高いのは、脂肪が少しついているほうが浮きやすいからです。

少し脂肪がある方が水に浮きやすい

筋肉の比重が1.1なのに対して、体脂肪の比重は0.9です。水の比重1.0より高いと沈み、低いと浮きます。

もともと人間の体の大半は水分なので、誰でも水に浮きますが、体脂肪が少なすぎると浮きにくくはなります。

体脂肪率が数%の体操選手やボクシングなど格闘技の選手がプールに入ると、沈んでしまって泳げない人が目立つように、水に浮くには少し脂肪のついている人のほうが有利なのです。

水泳のトップ選手には、定期的に体脂肪率を測定しながら、食事内容を変えている人もいます。

大きくて力強いだけではなく、素早くしなやかに動かせる筋肉をつけて、その上にうっすらと脂肪をつけて浮力を得る。

言葉でいうのは簡単ですが、こうした体を作り出すために選手たちは日々、努力を重ねています。

すべては水の抵抗を減らし、推進力をより獲得するためです。

トップ選手の中には、全身の毛をレースに合わせて処理する選手もいます。

ほんの少しの体毛による水の抵抗さえも、勝負を分ける世界だということです。

「水泳選手に必要な筋肉量・体脂肪率」まとめ

水泳選手は、短距離と長距離、どちらの種目を専門にするかによって、育てていく筋肉が変わってきます。

水の中で浮くためには脂肪が必要なため、引き締まった体はしていますが、陸上選手などに比べて体脂肪率はやや高めです。

いずれにしても、水泳選手は高いパフォーマンスを発揮するために、体づくりにもこだわっていくことが重要となります。