水泳選手の現状と将来性
水泳選手の現状
水泳は人気競技の一つ
2012年ロンドン五輪で、日本の競泳選手は金メダルこそ1つも獲得できませんでしたが、銀メダル3個、銅メダル8個を獲得しました。
つづく2016年のリオデジャネイロ五輪で、日本は男子400m個人メドレーで萩野公介選手、女子200m平泳ぎで金藤理絵が金メダルを獲得しています。
また銀メダル2個、銅メダル3個とメダル獲得数自体は減ったものの、萩野公介、瀬戸大也という2人の新星が登場し、今後に期待を持たせる内容となりました。
オリンピックの種目でも、日本の競泳やアーティスティックスイミング(旧シンクロナイズドスイミング)は、毎回のようにメダルを獲得していることもあって、日本で水泳は人気競技の一つです。
古くは古橋広之進選手や前畑秀子選手、岩崎恭子選手(バルセロナ五輪100m平泳ぎ金メダル)、鈴木大地選手(ソウル五輪100m背泳ぎ金メダル)、北島康介選手(アテネ、北京五輪で100m、200m平泳ぎ金メダル)が、国民的スター選手になりました。
現在は、瀬戸大也選手が日本の水泳界をリードしています。
今後、スランプから戻ってきた萩野公介選手や、東京五輪前に白血病で出場を断念した池江璃花子選手らが代表に加われば、日本の水泳界の未来は非常に明るいです。
競技年齢のピークが低い
水泳選手の特徴の一つに、競技年齢のピークの低さがあります。
中学生や高校生が、日本選手権に出場していますし、オリンピックや世界水泳の代表選手としても高校生や大学生が目立ちます。
大学卒業後も、トップ選手として競技生活を続ける選手が増えたのは、ここ10年くらいです。
しかし、水泳の稼ぎでは生活できませんので、大学を卒業すると、ほとんどがスポーツ関連企業や一般企業に就職します。
企業の援助があって、初めて競技生活に専念できます。
そのため、オリンピック代表を狙えないレベルの選手は、遠征費や合宿費を負担できず、競技生活そのものを続けることが難しいです。
20代で正社員への就職・転職
水泳選手の今後の動向
2020年東京五輪の開催が決定して以降、各地域やスイミングクラブなどで選手の育成プロジェクトがスタートしました。
水泳選手も、東京五輪が近づくにつれ、CMキャラクターに起用されるなど注目を集めてきてはいますが、まだプロ化は難しいでしょう。
もともと、水泳会場は施設の規模が小さく、多くの観客を集められません。
また、トップ選手が出場する大会を頻繁に開催するのも現実的に難しいです。
チケット収入が見込めませんし、スポンサーからの資金も集めにくいのが現状です。
将来的にもプロ選手が出るとすれば、北島選手、萩野選手のように金メダルを獲得したうえで、国民的な知名度を得られたケースに限られるでしょう。
その一方で、競技年齢が20代後半から30代へと広がりつつあります。
20代、30代のトップ選手が増えてくれば、水泳界の環境や考え方も少しずつ変わっていく可能性はあります。
水泳選手の将来性
現在、プロスイマーとして活動しているのは萩野公介選手のみという状況ですが、国内外の注目度が高い競技であることは間違いありません。
オリンピックはもちろん、世界水泳もほとんどの種目がテレビで中継されています。
さらに、瀬戸大也選手や、池江璃花子選手といったスター選手も人気を支えています。
とくに瀬戸選手は東京五輪での活躍、池江選手は東京五輪以降の大会で白血病からの復活が期待されており、今後も水泳人気は続いていきそうです。
プロという形で収入を得られる選手はまだまだ少数ですが、企業の支援を受ける形で社会人でも競技を続けられる体制は継続するでしょう。