歯科助手に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
歯科助手に向いている性格・適性
歯科助手に向いている人とはどういう人なのでしょうか。
歯科助手に求められる能力についてご紹介します。
コミュニケーション能力がある人
歯科医院に来院される患者さんの多くが、歯の痛みと治療に対する不安を抱えています。
そのため、受付や治療のサポートをするときに、患者さんに安心してもらえるように優しく言葉をかけたり、気配りができたりする人など、コミュニケーション能力の高い人材が求められます。
また、歯科医院は一般企業と比べて働いているスタッフが少数です。
毎日、少人数で働く職場なので、歯科医師、歯科衛生士、他の歯科助手仲間との人間関係や信頼関係も円滑に築くことのできる人が求められます。
マナーを守れる人
歯科助手は、患者さんとのコミュニケーションはもちろん、歯科医師・歯科衛生士との連携を取るのが上手な人が向いています。
明るく親しみやすい人は患者さんにとっても安心感があります。
さらに、スタッフ同士の言葉遣いや患者さんへの言葉遣い、接客態度など、社会人としての最低限のマナーを身につけており、しっかりとした対応ができる人が向いています。
向上心のある人
歯科助手は医師のサポートをする仕事ですから、歯科治療に必要となる器具の名称や専門用語を覚えたり、機械の使い方を覚えたりする必要があります。
また、医療は日々進歩しています。
医療事務の勉強も必要な歯科医院もありますし、新しい薬や器具、機械などが発売されるたびに、使い方を新たに覚える必要が出てきます。
そのため、専門知識を学びたいという向上心のある人が歯科助手に向いています。
わからないことは素直に尋ねられる、自発的に物事に取り組もうとするなど、やる気のある人であれば歯科助手の適性があるといえます。
ただし、歯の健康のお手伝いをする仕事ですので、喫煙している人は不採用になる場合もあります。
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歯科助手に必要なスキル・能力
歯の治療に関する知識
歯科助手が実際に患者さんの治療に当たることはありませんが、バキュームを担当したり、医療器具を渡したりといったサポートに入るため、歯の治療に関する知識が必要です。
器具の名称や治療の流れなど覚えることが多いため、未経験から始める人は大変だと感じるかもしれません。
ただし、一般的には入社後に研修があったり、先輩が教えてくれたりするので、働きながら知識を得ることができます。
心配であれば、事前に講座などに通って民間資格を取得する方法もあります。
受付・会計などの事務スキル
歯科助手は「助手」と呼ばれるとおり治療のサポートをする職業ですが、実際は半分以上の仕事が受付や会計といった事務です。
患者さんから受け取る診察券や保険証の確認をしたり、カルテの整理をする、会計をしたりといった事務スキルが必要となります。
また、毎月10日までに診療報酬明細書(レセプト)を作成して提出するのも歯科助手の仕事です。
レセプトの作成には保険に関する専門知識が必要なので、講座などで学んだり、実務を経験しながら身につけたりするのが一般的です。
歯科助手に求められる事務スキルは、いちど身につけると他の職場でも通用するため、結婚などで仕事を離れても再就職しやすい職業だといえます。
臨機応変に対応する力
歯科助手の業務は多岐にわたります。
歯科医師・歯科衛生士が患者さんの治療をおこなう職業だとすれば、歯科助手は「それ以外のすべて」を担当します。
受付・会計などの事務作業をしながら電話応対をしたり、治療の流れの急な変更にも対応したりと、臨機応変に仕事を進める能力が求められます。
その時々の状況に合わせながら、機転を利かせて働く能力が必要となるでしょう。
歯科助手に必要な心構え
清潔感と身だしなみ
歯科医院を職場とする歯科助手は、清潔感のある服装やメイクをして、身だしなみをきちんと整えておく必要があります。
医療機関で働くなら、ネイルはもちろんダメですし、アクセサリーもネックレスは白衣に着替えるときに外す必要があります。
小粒のピアスや結婚指輪程度なら注意されない場合もありますが、派手なものや凹凸のあるアクセサリーはNGです。
爪は短く清潔にし、メイクもナチュラルで清潔感のあるメイクを心がけましょう。
また、髪色は金髪や茶髪などがNGとなる歯科医院もあります。
髪型についても、長い場合はヘアゴム等でまとめれば特に問題ありませんが、前髪が長いと不衛生に見えますので、ヘアピンで留めるなどするようにしましょう。
身だしなみに関しては、歯科医院それぞれの方針がありますので、基準があれば予め尋ねておくと安心です。
そして、昼食の後には歯磨きをして、歯を清潔にしておくことも自分の歯の健康を守るため、そして患者さんに接する上でのマナーです。
礼儀正しい接客をする
歯科助手は、治療をおこなう歯科医師のアシスタント業務だけではなく、電話応対、予約の患者さんのご案内、次回の予約業務、会計などの受付業務もこなすことがあります。
患者さんが歯科医院に来られた時に正しい言葉遣いで、礼儀正しく、そして明るく対応するようにしましょう。
知人や友人が来院しても、最低限の社会人としてのマナーを守って、礼儀正しく対応することで、他の患者さんからの好感度も上がります。
歯科助手は歯科医院の顔
一人前の歯科助手になるための心構えには、身だしなみ、礼儀正しい態度、言葉遣いに気をつけることはとても大切です。
しかし、それ以上に大切なことは「明るさ」と「笑顔」です。
どれだけ清潔に身だしなみを整え、言葉遣いが丁寧であっても、明るい笑顔がなければ重苦しく感じてしまいます。
とくに歯科助手が受付の仕事を受け持つ場合は、笑顔が重要です。
顔の見えない電話応対、痛かった治療を終えた患者さんなど、患者さんに最初と最後に接するのは受付なのです。
歯科医院の顔であることを意識して明るく笑顔で接するように心がけましょう。
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歯科助手に向いていないのはどんな人?
歯科助手は、おもに患者さんやスタッフとのコミュニケーションが上手にとれる人、接客マナーの良い人、歯科の専門知識を勉強する意欲のある人が向いています。
しかし、逆にこういう人は慣れるまでに時間がかかる、就職前に注意すべきだという人はどんな人かについてまとめます。
勉強する意欲のない人
歯科助手が受付や電話応対をしていると、患者さんから診察内容や歯の健康などについて質問されることがよくあります。
これは、診察中に歯科医師に聞きそびれた、忙しいそうで聞きづらかったなどが理由です。
基本的には患者さんからの質問には歯科医師が対応すべきです。
しかし、すべての対応を歯科医師に任せると診療が回りません。
簡単な質問やよくある質問などは、歯科医師から指導をあおぐ、自分なりに専門書で勉強するなど努力も必要です。
そのため、勉強が嫌いな人、専門用語や専門知識を深める意欲のない人は歯科助手に向かない可能性があります。
血が苦手な人
歯科助手は受付業務や診療のサポート業務だけで直接患者さんに触れないので血が苦手でも大丈夫だろうと思っている人も多いのですが、その点については注意が必要です。
歯科医師の診療をサポートするために診察台の横でスタンバイするときには、患者さんの唾や、歯や詰め物を削ったときに出るカスを吸い込む「バキューム」という作業をすることがあります。
口の中にバキュームを差し込むので、患者さんには触れません。
しかし、患者さんの口の中を覗き込んで唾などを吸い込んでいく作業なので、血を見て気絶するほど苦手な人は歯科助手に向いていない可能性があります。
少しだけ血が苦手だという人なら、仕事をしているうちに慣れて平気になってくることもあるので、歯科医師に相談しながら仕事を続けられそうか様子を見ても良いでしょう。
このように、歯科助手はイメージしているよりも意外に勉強することが多く、医療スタッフとしての仕事もたくさんあります。
どんな職業であっても一人前になるまでには覚えることや勉強することが必要です。
「勉強が苦手」「血が苦手」であっても、やる気があれば、少しずつ改善することは可能ですし、歯科助手として続けていくこともできるでしょう。