歯科助手仕事のつらいこと・大変なこと・苦労
歯科助手のつらいこと・大変なこと
求人の募集要項とのギャップ
まず、最初に出てくる不満や苦労は「募集内容とのギャップ」かもしれません。
求人情報の広告などに記載されている募集要項を見て、いいなあと思って応募し、勤務することになったはいいものの、実際に働いてみると記載されていた内容と違うと思うことがあります。
例えば「事務・受付」とだけ記載されていたのに掃除、洗濯などの雑務までこなす必要がある職場もあります。
実際の歯科助手の仕事には、歯科医の補助をおこなうだけでなく、掃除なども含まれるのが一般的ですが、記載していないからそう思わなかったという人もいます。
覚えることが限りなくある
歯科助手になる人の多くが、学校や通信講座などで勉強はせず、歯科についてまったくわからない状態で仕事を始めます。
そのため、仕事を覚えるのに苦労した歯科助手は多いです。
専門用語が飛び交い、まるで別次元の世界に迷い込んでしまったようで、何をすればよいかわからず、先輩の後ろで、ひたすらメモを取る日々。
専門用語や器具を覚えるだけでなく、セメントを練る練習や石膏を流すといった技術面も練習し、コツをつかむまで何度も失敗し、落ち込むこともあるでしょう。
半年もすると一人で歯科助手の仕事をこなせるようになりますが、歯科医療は日々進歩しています。
新しい薬品や材料が登場し、その度に使い方を把握しなければならないので、常に勉強をする必要があります。
さまざまな患者さんへの応対
歯科医院は子どもからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんが来院します。
歯科助手は診療アシスタントや受付だけでなく、時には子どもに本を読んだり、体の不自由なお年寄りの介助をしたり、不安な表情をしている患者さんに声を掛けて話しを聞くなど、常に気配りと思いやりが必要です。
最初は歯科の知識を覚えることに必死で、なかなか患者さんへの気配りができないこともあるでしょう。
少しずつ応対できるようになりますが、どんなに業務に慣れても「もし自分が患者さんだったら?」と、患者さんの目線に立って応対する心がけが大切です。
歯科助手は立ち仕事ですし、専門用語の把握や技術面をマスターするまではとても大変です。
しかし、一度覚えてしまえば体が自然に動くようになりますし、患者さんから感謝の言葉をもらえる、やりがいのある仕事です。
20代で正社員への就職・転職
歯科助手の悩み
歯科助手は医師のアシスタントを通して医療に貢献でき、雇用形態もさまざまなので自分の生活スタイルに合った働き方ができます。
一方で、歯科助手ならではの悩みもあります。
業務の範囲が広い
歯科助手の求人では、業務内容が「歯科助手」や「助手兼受付」と記載されている場合が多いです。
歯科医師の横で器具を渡すアシスタントや、患者さんのお会計をする受付だけというイメージがある人も少なくないでしょう。
しかし、実際に働いてみると、詰めものを接着するためのセメント練りや、歯の型をとるための石膏を準備することもあります。
患者さんの口の中に触れる医療行為は歯科医師と歯科衛生士しかできませんが、それ以外のすべての業務を担っていることに驚くかもしれません。
院内の掃除はもちろん、雑誌の整理整頓や買い物、院内で必要な書類の作成など、挙げたらキリがないほど仕事があります。
医院によっては草むしりをすることもあるようです。
こうした雑用全般が歯科助手の仕事なので、イメージとのギャップに悩むこともあるかもしれませんが、なんでもできる歯科助手は患者さんからも医師からも頼りにされます。
どんなに些細なことも「縁の下の力持ち」として自覚し、一つひとつ誠実にこなすことが大切です。
拘束時間が長い
アルバイトやパートは、午前診療または午後診療のみといった時間で区切られていますが、正社員のようなフルタイムの勤務の場合、診療が始まる前から終わりまでいるので拘束時間が長くなりがちです。
なぜなら、昼休みが他の職種より比較的長い傾向にあるからです。
労働時間は法律の規定範囲内でも、仕事場に長い時間いると自分の自由な時間が減ってしまうので、時間の使い方に悩む人も多いです。
しかし、なるべく拘束時間が長くならないようシフト制をとっている歯科医院も多いので、自分に合った働き方ができるよう求人や面接でよく確認するとよいでしょう。
どの職種も、始める前にメリットデメリットを理解しておくことが大切です。
歯科助手を辞める理由で多いものは?
歯科助手を辞めてしまう理由として「人間関係の悩み」は最も多いです。
歯科医師や歯科衛生士、他の歯科助手、患者さんなど多くの人と関わる歯科助手の仕事は、いかによい人間関係を作れるかが鍵となります。
歯科医や歯科衛生士と上手くかかわっていれば、治療や医療行為などもスムーズになるでしょう。
しかし、仲良くなれないとか、ギクシャクしている状態では連携も取れず、円滑な体勢が取れません。
実際に、歯科医院で働いていたけれど「人間関係が上手くいかずに辞めた」という人がいました。
彼女の職場には、歯科助手、歯科衛生士合わせて8人ほどいたそうですが、特定の人としか関わっていなかったといいます。
「人間関係が円満でないので働きにくい」「お局さんがいて派閥ができている」といった歯科医院で勤務すると、業務自体が楽しくても精神的につらさを感じてしまいます。
どんな仕事でもどんな職場でも苦労や不満はあります。
工夫をしながらそうした苦労を乗り越えられれば、やりがいのある仕事、達成感のある仕事と感じることができるでしょう。