産業カウンセラーの需要・現状と将来性

産業カウンセラーの現状

「産業カウンセラー」という職業は、もともとは海外で誕生したとされています。

日本においては1960年に日本産業カウンセラー協会が創立されており、60年以上の長い歴史と実績をもちます。

しかし、世間一般的には「産業カウンセラー」の仕事内容や役割がそこまで広く認知されているわけではないようです。

産業カウンセラーは基本的に企業や公的機関など「働く人たちが集う場」で活躍するため、産業分野に関わる人以外にとって、あまりなじみがないと感じるのもムリはないでしょう。

それでも、セクハラ・パワハラも含めた職場で発生するトラブル、あるいは不安定な雇用や厳しい成果主義の下で生まれるストレスなどが問題視されている現代、それらをケア・フォローできる産業カウンセラーへの社会的な注目度は徐々に高まっています。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

産業カウンセラーの需要

常駐型の産業カウンセラーを置くのは大手企業が中心ですが、それ以外の企業でも、月に数回程度、非常勤で従業員のカウンセリングに携われる人材を募集するケースがあります。

むしろ、現状では産業カウンセラーとしての正社員や常勤の求人はさほど多くなく、就職は難しいと考えておいたほうがよいでしょう。

この仕事は経験やスキルが重視されやすいため、より高度な専門知識を有しており、豊富なカウンセリング経験がある人が優先的に求められます。

そのため若手や実務経験が浅い人は、非常勤などで多様なカウンセリング経験を積み、より安定した環境で働けるチャンスを掴もうと努力していることが多いです。

産業カウンセラーの将来性

日本では、もともと欧米のように「悩みを解決させるためにカウンセリングを受ける」という習慣や文化が浸透しておらず、友人や家族以外の第三者に相談をすることに対して、心理的な負担やハードルの高さを感じる人も少なからずいます。

今後、こうした現状を打破して多くの人が気軽にカウンセラーのもとに相談に行くことができるように、産業カウンセラーの存在意義や必要性を広く発信していく必要があるでしょう。

産業カウンセラーを設置する企業も徐々に増えているといわれますが、似たような役割を担う職業として「産業医」や「保健師」などもいます。

産業医と保健師はどちらも国家資格であり、産業カウンセラーよりも資格の権威性や資格を取得する難易度は高いです。

そのため、これらを取得している人が優遇されやすく、産業カウンセラーの資格だけでは就職が難しい場合もあるようです。

実際、産業領域で働く保健師が、プラスアルファのスキルとして産業カウンセラーの資格を取得するケースも多いです。

もし心理学やカウンセリングに焦点を当てるのであれば、心理系の資格として権威性の高い「臨床心理士」や「公認心理師」などの別の資格やスキルも身につけないと、なかなか安定して活躍できる場を見つけるのは難しいかもしれません。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

産業カウンセラーの今後の活躍の場

これからの世の中においては、産業カウンセラーはさらに活躍の機会を増やすのではないかと考えられています。

現在の日本は先行き不透明な状況にあり、誰もが知る大手企業であっても、大規模なリストラや早期退職勧告などをおこなったり、経営難で倒産してしまったりすることも珍しくありません。

不況が続くなか、非正規雇用の割合も時代とともに増加傾向です。

こうした時代において「将来に不安を抱いている」「働くことに対して希望が持てない」「正社員になれずキャリア形成がうまくいかない」という若者も増えており、このような人たちをサポートしていく場面で産業カウンセラーの力が生かせることもあると考えられています。

同時に、すでに組織で働く人に対してのメンタルヘルスケアや、健全な組織づくりに対する期待感も、ますます増していくはずです。

ただし、先述した通り、この職業は資格を持っているだけで活躍の場が約束されるわけではありません。

カウンセリングに携わる専門家として、いかに自分の知識やスキルを磨き続けていくかが重要です。