パラリーガルの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
パラリーガルの仕事とは
パラリーガルとは、法律事務所等で弁護士の指示・監督の下、法律関連の事務業務を行う法律事務員です。
近年では「専門事務職」として、注目されることが増えてきました。
一般に、パラリーガルは弁護士の監督の下で法務に関する事務業務を行う「リーガルアシスタント」を意味することが多いです。
法律事務所や司法書士事務所における弁護士・法律家の「秘書」や「法律事務職員」、また一般企業の「法務部の社員」などまでを含めてパラリーガルと呼ぶこともあります。
パラリーガルは、最難関の司法試験を突破しないとなれない「弁護士」や、その他の専門資格を必要とする法律職と異なり、なるために特別な資格は求められません。
ただし、法律に関する基礎知識は必要になってくるため、法律を学んだ経験のある人材がパラリーガルになるケースが多いです。
20代で正社員への就職・転職
パラリーガルの業務の内容
パラリーガルの仕事内容は、訴状や契約書のドラフト作成、契約書の翻訳、判例の検索といった法律事務がメインです。
勤務先によっては、スケジュール管理や来客対応といった秘書業務や、一般事務まで幅広く対応することが求められる場合もあります。
法律事務業務に関しては、たとえば、弁護士の作成した訴状などについて文章にミスがないかの確認や、判例や法令などの検索、戸籍などの取り寄せ、その他裁判所への提出文書の作成などを行います。
法律事務所に入ると、まずは「秘書業務」や「一般事務業務」を覚え、徐々にキャリアアップを図るなかで専門的な「パラリーガル業務」を担当するケースが多いようです。
秘書的業務、一般事務に関連した業務の例
1.電話応対や来客応対
2.弁護士のスケジュール管理
3.戸籍謄本や住民票、不動産登記簿謄本等公的書類、証明書の請求
4.経理や給与計算
5.裁判所や法務局、市区町村役所、弁護士会などへの外回り
パラリーガル的業務
1.弁護士が行う法律相談や依頼者との打ち合わせに同席
2.書籍やデータベースを検索し、依頼された事件に関連する資料を収集
3.訴状、準備書面、陳述書などといった裁判書類の作成や起案などの書類作り
4.裁判所で行われる弁論や弁論準備や裁判手続きに同行
パラリーガルの役割
パラリーガルの仕事内容や役割については、事務所の方針や取り扱う分野などによって大きく異なっています。
法律事務業務だけを分担して行う場合と、弁護士などの秘書的業務を兼ね実質的に秘書的役割で勤務する場合があります。
国内にある多くの法律事務所は、弁護士1名~数名と事務員からなる小規模法律事務所です。
そのような事務所で働く場合、パラリーガルは弁護士のスケジュール管理・調整、郵便管理や、裁判所等への書類の提出、クライアントとの連絡、応接業務といった秘書業務と法律事務を兼務することがほとんどでしょう。
法律事務はすべて弁護士が行うケースから、ほとんどをパラリーガルに任せてしまうケースまで、さまざまです。
どこまでの役割をパラリーガルが担うかは、事務所の方針によるところが大きくなっています。
20代で正社員への就職・転職
パラリーガルの勤務先の種類
パラリーガルは弁護士のアシスタント的な役割を担うため、勤務先としては法律事務所が中心です。
その他、司法書士事務所、行政書士事務所、社労士事務所などで法律事務に携わる人もいます。
また、最近では、企業の法務部や保険会社、銀行の信託部門、病院、不動産会社、政府機関などで働くパラリーガルも増えつつあり、とくに外資系企業では企業法務を強固に組織する傾向があります。
企業の法務関連部門で業務に就く場合は、企業活動に関する法律事務を担当します。
法律問題の対応や、契約書の作成・締結、株主総会の実施、株主名簿の管理、個人情報管理体制の確立と実施など、企業が事業を展開していくうえで起こる実地的な事象に対する即戦的な専門部署として、一線で活躍します。
パラリーガルの仕事の流れ
弁護士事務所の主要な業務のひとつである訴訟・調停等の案件の場合、パラリーガルは、裁判所へ提出する書類の準備から関わります。
案件によっては、弁護士ともにクライアントとの打ち合わせに同伴し、打ち合わせ内容の議事録やメモを取り、まとめ直す作業を行います。
その後、内容に応じて、必要となる書類等の取寄せ作業、資料等調査、現地確認などを行います。
裁判所へ提出する訴状の起案から、裁判で実際に使える証拠なのかを検討し、提出物をまとめる作業などの事件に関する証拠資料の整理を実施。
弁護士に確認してもらい、仕上げのために引継ぎます。
提訴時には、弁護士が作成した訴状の誤字・脱字や誤り等がないかの確認をし、書類を弁護士控え用、裁判所用、依頼者用、相手方用など必要部数分揃え、訴訟提起(調停申立)に必要な印紙などの準備もしておきます。
ここまでサポートができて、ひとつの案件を無事終わらせることができます。
パラリーガルと関連した職業
パラリーガルと弁護士秘書の役割の違い
日本においては、弁護士1名にスタッフが数名からなる小規模な法律事務所が多いこともあり、パラリーガルと弁護士秘書の線引きはあいまいです。
一方、大手法律事務所や渉外法律事務所の場合、パラリーガルと弁護士秘書業務を明確に分けていることが多く、それぞれが協力しながら弁護士をサポートしています。
パラリーガルと弁護士秘書のスキルの違い
弁護士秘書は、その名前の通り、担当する弁護士の秘書としての役割を担います。
一方、パラリーガルは法律知識をベースとしたより専門的な業務に携わります。秘書のようなスケジュール管理等の業務は行わないものの、紛争を解決するために事務的な側面から弁護士をサポートします。
弁護士秘書の場合は、法律知識はとくには求められません。
どちらかというと、弁護士などの専門家が仕事を進めやすいようサポートする気遣い、事務処理力、コミュニケーション力が重視されます。
他方で、パラリーガルは法律事務を担うため、一定の法律知識や実務経験、それらをベースとしたリサーチスキルが必要で、渉外事務所などでは高度な英語力が求められることもあります。
両者は似た役割をもつ場合もありますが、求められるスキルはこのように異なっています。