音楽家の引退後の生活
音楽家の引退
音楽家の定年
音楽家には、個人で活動している限り基本的に「定年退職」というものは存在しません。
スポーツ選手のように、年齢とともに低下する体力や身体能力が重要な仕事の場合だと一般的な仕事よりも早く定年(年齢的な限界)を迎えることが多いのですが、音楽家はむしろ逆であるといえます。
一流の音楽家として知名度が高く、技術とセンスがある音楽家であれば個人で活動を続けることは難しくありません。
むしろ経験を積んでいる分だけ音楽家としてのレベルが高く、若い音楽家では見せることのできない音楽の世界を披露できる高齢の音楽家も少なくありません。
年齢が影響するケースもある
とはいえ、すべての音楽家が天命を全うするまで音楽家として活動できるというわけではありません。
音楽家の中にも、例えば「声楽」のように年齢が強く影響する分野もありますし、楽器演奏にしても体を動かす仕事ではありますから年齢的な限界を感じることも少なくありません。
個人差も大きいですが、音楽家の引退は年齢が関係していないわけではなく、いつかは年齢的な限界を感じる可能性は十分にあります。
楽団では定年が存在するケースもある
個人での活動には定年が存在しませんが、「楽団」のように集団に所属する場合だと定年のような仕組みが存在するケースもあります。
オーケストラ楽団の場合、60歳前後で定年として退団するケースが多く、定期的に新しい人材に入れ替えることによって若い音楽家を育成する機会を確保するという側面もあります。
もちろん、退団後に個人で音楽家としての活動を続けていく人も少なくありませんが、退団を機に音楽の世界から身を引く音楽家も多いです。
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音楽家の引退後の生活の変化
後進の育成に注力
音楽家の引退後の生活としては、何らかの形で音楽に関わっていくというケースが多いです。
例えば大学に音楽講師として招かれたり、個人の音楽教室で若い世代に音楽を教えていくという道もあります。
特に現役時代に数々の功績を残している音楽家の場合は指導者として引く手あまたであり、さまざまな場所で後進の育成に携わっていくことができます。
優秀な指導によって若い音楽家を世に輩出できれば、より一層音楽の世界に貢献できるのです。
趣味のレベルで音楽に関わっていく
音楽へのかかわりを、プロレベルから趣味のレベルに落とす人も多いです。
自宅などで個人的に音楽を楽しんだり、小規模の集まりで音楽を楽しむなど、さまざまな形があります。
SNSや動画投稿サイトが流行している現在、インターネットを介して広く自分の音楽を披露する方法も選択肢の1つです。
ときには地域の催しやボランティアで腕前を披露するなど、規模は小さくなれども音楽家としての腕前を人々に披露する機会は十分にあります。
第一線で活躍していた時代とは異なる満足感を得られるでしょう。
生涯現役で活躍する音楽家も
引退せずに、生涯音楽家として第一線で活躍し続けるという音楽家も珍しくありません。
例えば「作曲家」の場合だと年齢に伴う身体能力の低下の影響をさほど受けないため、寿命を迎える間際まで仕事を続けるという人もいます。
最後の作品は「未完」の状態になるという話も珍しくなく、そうした音楽家は後世までその名前が知れ渡ることもあります。