マンション管理士の現状と将来性
資格受験者は減少傾向
マンション管理士は、専門知識をもってマンションの維持管理やマンション管理組合の運営に関してアドバイス・コンサルティングをおこなうための資格として、平成13年度(2001年度)に国家資格として創設されました。
資格創設当初は受験生が約10万人もいたのですが、現在では2万人を切っており、その勢いは衰えつつあります。
しかしながら、これはあくまで「受験生」にスポットを当てた見かたです。実際の求人や仕事の環境はまた違う側面があります。
20代で正社員への就職・転職
需要はあり、将来性もある
マンション管理士の仕事は、マンションがある限り続くものです。
マンションは、基本的には生活の拠点として住むために使うものですし、賃貸するにしても売却するにしても、そのマンションがあってこそのものです。
つまり、マンションの中身である専有部分(住戸などで使っている部分)がどのように使われようが、だれが使おうが、マンション全体を維持管理してその組織を運営する必要があり、それに対するアドバイスやコンサルティングをおこなうマンション管理士の仕事は、マンションがある限り必要とされるのです。
とくに、リーマンショック前の2000年代中盤〜後半にかけては、史上空前のマンションブームで過剰供給となっておりました。
それからリーマンショック後には、その反動と景気後退の影響で、これまた史上空前の空室率となったのですが、近年、景気回復の兆しがみえてからは空室率が改善してきています。
さらに、消費税や贈与税の増税が控えていることから、マンションの開発がまた活発になってきています。
こうしたことから、マンション管理士の仕事のおおもとであるマンションの数は堅調に増えております。
また、既存の古いマンションも再利用(リノベーション)する流れもありますので、それに対する需要も多くあります。
他と差別化をはかるならプラスアルファを
現在の需要が堅調でも、少子高齢化の現状には変わりませんから、いずれマンション管理士の仕事のおおもとであるマンションの供給も、既存のマンション管理士やマンション管理会社がこなせる範囲で落ち着いてくると考えられます。
そうしたときに、マンション管理士として生き残っていくためには、プラスアルファの知識やノウハウ、スキルが必要となります。
マンション管理士を有利にするようなプラスアルファは、「法律関係」「建築関係」「機械設備(ボイラーなど)」「対人交渉」に関するものです。
マンション管理士の試験に合格したのちも、気を抜かずにこれらの知識や経験を積んでおくと、将来をより有利にすることができます。