国税専門官のつらいこと・大変なこと・苦労

国税専門官のつらいこと・大変なこと

税金を徴収することの難しさ

国税専門官の仕事は、納税者に正しく税金を納めてもらうことです。

しかし、国民のすべてが税金を払いたくて払うわけではありません。

何とかごまかして納税額を減らそうとする人、強硬に払わない人、払いたくても払えないという人など、国税専門官はさまざまな人に対応していかなければなりません。

ときには法と人情との間で悩むこともありますが、それでも守るべきことは守ると強い意志を持ち、仕事に向き合う必要があります。

勉強をし続ける必要がある

国税専門官は、日々変わる税法や脱税の手口を勉強していかなければなりません。

たとえば、2015年に相続税が増税された際には、脱税を考える人が増えたといわれました。

こうした税の法改正に対してもトレンドをしっかりと追いながら、素早く対応をしていく必要があるのです。

複雑な税法に対する正しい知識を身につけるためには、仕事中だけではなく、帰宅後にも勉強をし続けることが必要になる場合もあります。

忙しい仕事の合間に新しいことを学ぶ努力が求められるのは、国税専門官の大変な部分です。

上下関係が厳しい

国税専門官が働く環境の体質は古く、完全な年功序列だといわれています。

そのため、先輩が指示したことはたとえ疑問に感じることがあっても、きちんと受け入れることが基本です。

また、飲み会も比較的多めといわれており、プライベートを大切にしたいと思っている人につらい環境かもしれません。

ただし、最近は女性の国税専門官も増えていることから、家庭生活を重視する人とっても働きやすい環境が整っています。

国税専門官の悩み

税金の滞納は昔から変わらぬ社会問題となっており、令和2年度の査察調査結果によれば、告発した査察事案についての脱税総額は69億円にものぼりました。

お金はあるにもかかわらず、財産を隠して本来払うべき税金を払わない悪質なケースも増えています。

こうしたなか、国税専門官は脱税を探るために膨大な書類やデータから証拠を探したり、隠し財産の家宅捜索を行ったりなど、過密な業務内容になりがちであるといわれています。

なお、国税専門官といえば、刑事顔負けの「Gメン(マルサ)」といわれる「国税査察官」を想像しがちですが、全国の自治体に点在する税務署の窓口で働いている国税専門官もたくさんいます。

税務署での勤務は基本的には1日8時間程度で定時に帰宅することができますが、毎年2月中旬から3月中旬の年度末は確定申告の時期で残業続きとなることもあり、忙しさに疲れてしまうという人も多いです。

国税専門官を辞める理由で多いものは?

税金を納めてもらうために働く国税専門官ですが、基本的には煙たがられる存在ですし、時には罵声を浴びせられることもあります。

とくに脱税のために差し押さえをすることになれば、悪いのは脱税した人なのにも関わらず、家財を没収することに恨みを持たれてしまうこともあり得ます。

また、確定申告の時期は書類のチェックや納税者への指導などで多忙を極め、残業続きとなり、ストレスもかなりかかります。

国家公務員ということもあり、着実に昇給して給料も安定していますが、このようなことにストレスを感じて国税専門官を辞めてしまう人もいるようです。