国税専門官の高卒と大卒の違い・給料の差はどれくらい?

税務行政職員の高卒・大卒

公務員は、採用試験に合格すれば、高卒、短大卒、大卒と、ほぼすべての学歴の人がなることが可能です。

しかし、税務署や国税局などで採用される「税務行政」の仕事については、その業務内容の専門性に沿って以下のように採用区分が分けられています。

国税専門官採用試験

高度な税の専門知識や経験が必要とされる国税専門官になるには、人事院が実施する「国税専門官採用試験」に合格し、採用される必要があります。

試験の受験資格は21歳以上30歳未満です。

学歴は問われませんが、難易度は「大学卒業程度」とされているため、大卒者の受験者がほとんどとなっています。

この試験は、筆記試験のほか、人物試験(面接)と身体検査で構成されています。

税務職員採用試験

「税務職員採用試験」は、高卒や専門学校卒の受験者が多い試験です。

受験資格は、試験年度の4月1日時点で、高等学校または中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して3年を経過していない者(卒業見込み者を含む)です。

この試験では、基礎能力試験、適性試験、作文試験などの筆記試験のほか、人物試験と身体検査が実施されます。

国税専門官と税務職員の仕事の違い

国税専門官採用試験、税務職員採用試験のいずれの採用ルートであっても、仕事内容は基本的に同じです。

国税専門官も「税務職員」の一種であり、採用後は一定の研修期間を経て国税専門官となります。

両者の違いとして、高卒の税務職員合格者の場合は、国税専門官合格者よりも研修期間が長く、他の役職になるための試験が多いという点があります。

言い換えれば、高校を出てすぐ税務職員採用試験を経て就職した場合には、同じ年齢の大卒の人よりも早く現場に出るため現場経験が豊富となるのです。

ただし、昇進に関しては違いが出てきます。

大卒で国税調査官のエリートとなり出世コースを進めば、国税局長になれるチャンスもありますが、高卒の税務職員の場合は最大限に出世できたとしたとしても税務局長が最高ポジションという違いがあります。

国税専門官と税務職員の給与面での差は?

国税専門官、税務職員は共に国家公務員であるため、国家公務員の「税務職俸給表」に沿って給与が支給されます。

俸給表では、職務内容の専門性や役職を表す「級」と、勤務年数を表す「号」の2つの位によって、給料が定められています。

国税専門官を含む国家公務員は勤務年数に応じて、基本的には毎年昇給します。

また、学歴によって差がつけられており、仮に、大卒の国税専門官と高卒の税務職員の勤務年数が同じ場合、大卒のほうが給与額は多くなります。

国税専門官の初任給は、大学卒で245,160円(平成28年度、東京都特別区勤務の場合)ですが、税務職員の初任給は201,600円(普通科での研修終了後)です。

この他に扶養手当、住居手当、通勤手当などは学歴に関係なく受け取ることができます。