国税徴収官の仕事内容・なるには
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国税徴収官の仕事内容
国税の滞納を解決する役割
「国税徴収官」は国税専門官の一種で、贈与税や法人税、所得税といった国税の滞納についての解決を目指す職種です。
本来納めるべき税金が滞納されている場合に、滞納者の資産や職業、家族構成などを調べたうえで、法律にもとづいて支払いを催促します。
滞納者のなかには、催促を受けてもスムーズに支払いを行わない悪質なケースもありますが、国税徴収官は冷静に税法に基づいた措置を講じるとともに、滞納者一人ひとりに対して支払いプランの提案を行います。
令状なく差し押さえも可能
国税徴収法142条では、「徴収職員は、滞納処分のため必要がある時は、滞納者の物又は住居その他の場所につき捜索することができる」と書かれています。
つまり、国税徴収官は必要に応じて、滞納者の自宅などを捜索したり、差し押さえをしたりすることも可能です。
「マルサ」といわれる国税査察官が強制捜査をしようとする場合には裁判所の令状が必要になりますが、国税徴収官の場合は令状が必要なく、大きな権限が与えられています。
「特別国税徴収官」という役職も
「特別国税徴収官」とは、国税徴収官のなかでも、とくに悪質な税金滞納者に対して税金の適正な徴収を行う特別徴収部門を統括する役目を担う人のことをいいます。
国税局局長から辞令が与えられ、課長に相当する役職となります。
特別徴収部門に所属する徴収官は、一般的な国税徴収官では対応しきれないような悪質なケースを解決するため、差し押さえなどの厳しい措置を講じる場合もあります。
特別徴収部門は、全国各地に点在する税務署の一部に設置されており、首都圏や政令指定都市などの都市部を中心に見られます。
2012年には特別国税徴収部門の活躍を描く小説『トッカン -特別国税徴収官-』がテレビドラマ化され、大きな反響を呼びました。
特別国税徴収部門は、増加の一途をたどる悪質な税金滞納に対処するためのスペシャリストとして活躍します。
国税徴収官になるには
国税徴収官になるには、まず国税専門官採用試験を受け、合格し、採用されることが第一歩となります。
その後、税務大学校にて約3ヵ月間の専門官基礎研修を受けて、採用された局管内の各税務署に配属されます。
税務署では、管理運営部門と呼ばれる税金の収納や窓口業務などを行う部署に配属に配属され、1年間の実務経験を経た後に、外部事務に関連した実務的な事項を習得する「専攻税法研修」を受講します。
研修終了後はさらに実務経験を積み、高度な専門的知識や技能を習得するための専科研修を経て、勤務状態や本人の希望、適性などを総合的に判断され、国税徴収官に任命されます。
国税徴収官として働いた後に「国税調査官」や「国税査察官」に異動となることもあります。