競輪選手に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介

競輪選手に向いている性格・適性

デビューしたばかりの新人選手は、レースに出場してもなかなか勝つことはできません。

トップ選手に比べると新人選手は基礎体力やレース展開の読み、駆け引きなどの点で劣っているため、自分の実力不足を思い知らされることがほとんどです。

新人でランクがトントン拍子に上がっていくのは、ほんの一握りのエリート選手だけです。

大半の選手は実力不足を思い知らされ、そこから本当の競技生活が始まることになります。

約2300人の競輪選手の中でランクをアップさせようと思えば、地道に努力するしかありません。

1日に一般道を200キロ走ったり、早朝4時、5時から、バンクを借りて2時間ほどみっちりと練習したりする日々を送ります。

そういった生活を毎日続けることで、自転車に乗る姿が少しずつ美しくなり、競輪界のトップ選手たちと戦えるスキルが身に付いていきます。

第一線で活躍する選手たちは、例外なくそうした努力を重ねてきた人たちです。

一流の選手になるためにひたすらペダルをこぎ、筋力トレーニングをする日々を地道に送ることができる人でなければ、競輪選手として成功することはできません。

競輪選手になるには

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競輪選手に必要なスキル・能力

脚力と背筋力にすぐれた人

競輪の場合は競馬や競艇、オートレースといった他の公営ギャンブルと違い、自分の体を動力源としてレースを行います。

そのため、当然のことながら競輪選手には筋力や運動能力が必要で、とくに脚力と背筋力が重要です。

日本競輪選手養成所の入学試験では、適性検査の1次試験が「垂直跳び」と「背筋力」の測定になっています。

より速く力強い走りを実現するためには、厳しい筋力トレーニングや体重管理を行って脚力を鍛える必要があります。

瞬発力とぶれない体幹

同じ自転車競技でも長距離のロードレースでは持久力が求められますが、バンクでスピードを競う競輪は瞬発力がより重要です。

自転車にとってエンジンの役割を果たすのは、人間の足です。

足の筋線維の1本1本が太くてバネのある筋肉の持ち主が、競輪選手には適しています。

また、自転車をこぐという動作は全身運動なので競輪選手には体幹も必要です。

自転車をこぐときに体がぶれると、力がうまくペダルに伝わりません。

時速60~70kmで疾走しながらペダルを全力でこぎ、その上で体がぶれないようにするには体幹の強さが不可欠です。

体幹の強さは背筋力の強さとも大きく関わっています。

競輪選手の足の筋肉の特徴

太ももが70cm以上の選手もいる

競輪選手の筋肉と聞けば、鍛えられた太い太ももを思い浮かべる人も多いでしょう。

実際、競輪選手を目の前にすると、多くの人が丸太のような太ももに目がいってしまうはずです。

現在、競輪界で最も太ももが太いとされるのは1969年生まれながら第一線で活躍する小嶋敬二選手です。

30代の全盛期には74cmほどあったといわれ、50歳を超えた現在も70cm以上の太さがあります。

男子であれば太ももが60cm以上ある選手はざらにおり、丸太のような太ももから力を自転車に効率よく伝えることで競輪選手たちはバンクを疾走しています。

太ももの前側の筋肉が硬いと腰痛になりやすい

太ももは単に太ければいいわけではありません。

太さに加えて筋肉の柔軟性が重要で、近年の競輪界においてはその考え方が常識です。

とくに太もも前側の筋肉(大腿四頭筋)が硬いと、腰痛の原因になるといわれています。

京大医学研究科の研究によれば、腰痛を訴える競輪選手は太ももの前側の筋肉が酷使されている傾向にあり、硬く縮んだ状態になってしまっているといいます。

太ももの前側の筋肉が硬く縮むと、骨盤が前傾して姿勢が前かがみになりがちです。

その状態で真っすぐの姿勢を保とうするとどうしても腰が反ってしまい、その結果、腰に負担がかかって腰痛を発症しやすい状況となります。

実際に競輪界の第一線で長く活躍する選手は、太ももが太いだけでなく、柔軟性のある選手ばかりです。

太ももの筋肉を柔らかく保つためには、時間を見つけてストレッチングをしたり、こまめにさすったりしたりする地道な努力が必要です。

選手によっては高周波温熱治療器のような医療機器を利用する人もいます。

筋力トレーニングをすると太ももの前側の筋肉が硬くなりやすいので、筋力トレーニングの前後にはとくにしっかりとケアをして柔らかくしておくことが大切です。

第一線で活躍する選手はハムストリングスが発達している

第一線で活躍する競輪選手は、太ももの前側の筋肉よりも裏側の筋肉の方が発達しています。

太ももの前側の筋肉は「大腿四頭筋」と呼ばれ、後ろ側の筋肉は「大腿二頭筋(ハムストリングス)」と呼ばれます。

太ももの裏側の筋肉であるハムストリングスをしっかりと使ってペダルをこぐことが、競輪においては非常に重要です。

ハムストリングスが発達している選手は、より強力な推進力を生むことができ、自転車は爆発的なスピードで前進します。

その理由は、太ももの前側の筋肉がブレーキの役割を果たすのに対して、後ろ側の筋肉であるハムストリングスはアクセルの役割を果たすからです。

かつて自転車の世界選手権で10連覇を達成した中野浩一選手をはじめ、自転車レースの世界で活躍しているトップ選手たちは例外なくハムストリングスがよく鍛えられています。

自転車の乗り込みをしたり、筋力トレーニングで脚を鍛えたりするときも、太ももの裏側の筋肉が鍛えられるように注意しながら行うのがポイントです。

競輪選手に向いていないのはどんな人?

師匠や仲間とうまく付き合うことも、競輪選手として成功するには大切なです。

競輪選手には通常、師匠がおり、その師匠を慕う選手たちがグループを作っています。

一般道を走ったり、競輪場を借りてバンクを走るトレーニングは、この仲間たちと一緒に行います。

先輩たちといい関係を築いていれば、レース展開や駆け引きについていろいろなアドバイスをしてもらえますし、レースでも協力し合えます。

競輪選手としてプロ意識をもちながら地道に努力する先輩たちの姿を、身近で見られることも大きなメリットです。

師匠の教えを守り、先輩たちにアドバイスをもらいながら成長していくという昔ながらの雰囲気が色濃く残るのが、日本の競輪界の大きな特徴の一つです。

レースでも「ライン」と呼ばれるグループを組んで戦う競輪は完全な個人競技ではないため、そういった人間関係が得意でない人は努力が必要です。