エディトリアルデザイナーの現状と将来性
出版分野は厳しい状況にある
近年、インターネットや電子書籍の普及により、紙の書籍の発行部数が大幅に減少しています。
紙の書籍に固執するエディトリアルデザイナーの場合、今後は活躍の場が狭まっていき、一部の能力ある人のところに仕事が集中することも考えられます。
一方、ここ数年、スマートフォンやタブレット端末の台頭により、電子書籍の発行タイトル数は右肩上がりとなっています。
エディトリアルデザイナーのなかには電子書籍の分野に転向する人も見られますが、まだ多数のデザイナーを必要とするほどまでは電子書籍も伸びていないという中途半端な段階です。
20代で正社員への就職・転職
新しい領域への挑戦
こうしたことからも、紙の書籍だけに固執せず、時期が来たら電子書籍も手がけようという柔軟な発想と、そのためのスキルを磨く努力を惜しまないエディトリアルデザイナーが、将来的にも有望であるといえそうです。
また、20代など年齢が若い人であれば、エディトリアルデザイナーから、よりデザイナーとしての需要があるグラフィックデザイナーに転身するという例も見られます。
エディトリアルデザインとグラフィックデザインでは多少仕事の進め方やルールなどは異なりますが、デザイナーとしての基礎的な知識・スキルや、専門ソフトを扱える能力が身についていれば、まったくの未経験者よりも転職は有利になるでしょう。
キャリアパスについて
エディトリアルデザイナーのキャリアパスとして考えられるのは、まず、独立をするという道です。
出版社や編集プロダクションなどでエディトリアルデザイナーとして働いていた人が、経験を積み、フリーランスになるといったケースは比較的よく見られます。
その際には、習得したスキルや残した実績はもちろんのこと、会社員時代に培った人脈も生きてくるでしょう。
フリーランスになると自由度が増し、さらに仕事の幅を広げていくことも可能です。
もうひとつは、アートディレクターになるという道が考えられます。
アートディレクターとは、雑誌や広告、ポスターといった各種制作物のデザイン面での責任者の役割を担います。
クライアントのニーズを理解したうえで、一般のデザイナーをやカメラマンなどに指示を出す機会が多くなり、マネジメントにも携わっていきます。
会社でエディトリアルデザイナーから昇進して、アートディレクターになることも可能です。
エディトリアルデザインの需要は徐々に減少傾向にあるとされますが、スキルを磨き、さらにステップアップしていこうという気持ちを忘れずに努力し続けることで、長く活躍することができます。