ドラッグストア店員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「ドラッグストア店員」とは
ドラッグストアに勤務し、接客やレジ、商品管理、発注、清掃などの業務を担当する。
ドラッグストア店員のおもな仕事は、来店されたお客さまに対しての接客、レジ、商品管理、発注、清掃などです。
ドラッグストアでは一般用医薬品のほか、日用品、食料品、化粧品など多岐にわたっており、店員は豊富な商品知識を持ってお客さまの買い物のサポートをすると同時に、店舗運営に携わりながら売上向上を目指します。
ドラッグストア店員は、正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなどさまざまな雇用形態で働けるところが特徴です。
学歴はほとんど問われず、求人数も多く、採用されればすぐに店員として店頭で働くことができ、給料は正社員で年収600万円前後がボリュームゾーンとされています。
「登録販売者」あるいは「薬剤師」の資格を持っていると優遇されるケースが多く、医薬品の専門知識を有したプロフェッショナルの活躍に期待が寄せられています。
近年、ドラッグストアは私たちの健康な暮らしを保持するために大きな役割を担っており、コンビニエンスストアやスーパーマーケット同様に欠かせない存在となりつつあります。
「ドラッグストア店員」の仕事紹介
ドラッグストア店員の仕事内容
医薬品や食品・日用品など生活に欠かせないものを販売する
ドラッグストア店員のおもな仕事は、ドラッグストアに来店されたお客さまに対しての接客、レジ、商品管理、発注、店内の商品陳列・清掃などです。
ドラッグストアで扱う商品は一般用医薬品のほか、日用品、食料品、化粧品など多岐にわたっており、とくに大型の店舗になればなるほど扱うアイテム数や種類も増えます。
また、昨今ではドラッグストアでもプライベートブランドを売り出していることも多く、そういった商品の取り扱いやPRなどをすることもあります。
そこで働く店員は、商品知識を身につけてお客さまが快適に買い物をできるようにサポートをすると同時に、店舗運営に携わりながら売上をアップさせるために働きます。
お客さまから「どの製品を使えばいいの?」など聞かれることも多いため、店員は商品知識を身につける必要があると同時に、お客さまに気持ちよく買い物をしていただくためのさまざまな仕事を行います。「
一般用医薬品を販売するために、「薬剤師」や「登録販売者」の資格を生かして活躍する人も多くいます。
近年は少子高齢化が進み、身体と心の健康づくりには適切な予防が必要だとされているため、利用客に対し健康に対する正しい情報を伝え、適切な商品を提供しなくてはなりません。
またドラッグストアは新たなマーケットとして注目を集めており、高齢者や子育て世代への対応、サポートなど、さまざまな役割も求められています。
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ドラッグストア店員になるには
正社員やアルバイトとして採用されれば誰でも働ける
さまざまな雇用形態がある
ドラッグストア店員は、正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなど、多様な雇用形態で働く人がいます。
正社員であれば、各企業に総合職といった形で就職し、各店舗に配属され、店舗の経営をになうこととなります。
店舗に配属される際、薬剤師・販売登録者・化粧品担当など、それぞれが担当を持つ場合もあります。
働きたい部門によっては薬剤師の国家資格が必要となったり、販売登録者を試験に合格したりしていなければいけません。
一方、パート・アルバイトであれば学歴はほとんど問われず、求人数も多く、採用されればすぐに店員として店頭で働くことができます。
女性でも働きやすい環境が整えられている
ドラッグストアは、一般用医薬品のほか食品や日用品を扱う店舗が多く、化粧品や生理用品など「女性ならでは」といえる商品も扱うことが多いため、女性が活躍しやすい業界です。
結婚や出産を機に退職したり、パートに代わったりする人も少なくない一方、パートからスタートし、頑張りが認められることで社員登用されるというケースも珍しくありません。
「登録販売者」や「薬剤師」の資格を持っている女性がドラッグストアを就職・転職先とすることもあり、自分のライフスタイルや興味関心に合わせて働きやすい環境が整っているといえるでしょう。
ただし、店頭でお客様と接する場で仕事をするため、清潔感を求める店舗が多く、髪色・髪型、ピアス・ネイルなどに関して制約のある店舗が多くあります。
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ドラッグストア店員の学校・学費
特別な学歴が求められることはなく、さまざまな学歴の人がいる
ドラッグストア店員となるにあたっては、必須の学歴や資格は特にありません。
そのため、さまざまな学歴や職歴の人とともに仕事をすることが多くあります。
正社員となる場合は、大卒以上の学歴が必要な場合はありますが、アルバイトや契約社員であれば、高卒でも十分働くことができます。
ただし、薬学部を卒業していたり、薬剤師の国家資格を所持していると優遇されたり、業務を進めやすいことがあります。
またドラッグストアによっては、一角に調剤薬局を設け、病院で出される処方箋を受け付けていることもあるので、薬剤師の資格があると、そういった場所で働くチャンスが増えるでしょう。
なお「登録販売者」の資格については、誰でも試験を受験することが可能です。
ドラッグストア店員の資格・試験の難易度
薬剤師や登録販売者の資格を持っていると有利に
ドラッグストア店員になるために必須となる資格は、とくにありません。
ただし、薬剤師や登録販売者などの資格を持っていると、採用の面でも実務の面でも有利に働くことが多くあります。
登録販売者は、入社後に店舗で実務経験を積みながら取得する人が多く、資格を取得することで、基本給とは別で資格手当が支給されるケースもあります。
また薬剤師の資格があれば、店員として働くほか、隣接する調剤薬局のスタッフとして働くこともできます。
薬剤師になるためには国家試験に合格しなくてはいけませんが、登録販売者の認定試験は実務経験があればだれでも受けることができるため、の勉強をして認定を受け、キャリアアップを目指す人もいます。
ドラッグストア店員の給料・年収
年収は雇用形態や所持資格により大きな差がある
小売業のなかでは比較的給料がいい
ドラッグストア店員の年収は、正社員として働く場合、薬剤師の資格を取得していれば600万円前後がボリュームゾーンとなっているようです。
ドラッグストアは比較的給料がよいといわれており、大手ドラッグストアの場合、店長やその他の役職者になると年収1000万円以上を得ている人もいるようです。
薬剤師の有資格者であれば、パートであっても時給2,000円~3,000円程度といった高時給で採用されることもあります。
ただし、ドラッグストアで扱う商品は種類も数も多いため、仕事は多忙になりがちで、店によっては残業が多くなることもあるようです。
地域や資格によって給料に違いがある
都市部のドラッグストアは夜遅くまで営業している店も多く、日によってシフトがバラバラであったり、残業が多かったりする場合も珍しくないため、多忙な分だけ、給料も高く設定されていることが多いです。
一方、地方では最低賃金程度の給料しかもらえないことも多く、地域によって差があるのが現状です。
また大手ドラッグストアの場合、店長やその他の役職者になると年収が高くなる傾向にあり、全国展開している場合は「転勤が可能な人」と、「限られたエリア内で働く人」で、給料に違いが出ることもあります。
また登録販売者資格や薬剤師免許を持っているだけで、一般的な店員よりも基本給が高めに設定されていたり、資格手当が別途加算されたりするため、資格取得を目指す人も多いです。
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ドラッグストア店員の現状と将来性・今後の見通し
セルフメディケーションによる需要は増加
ドラッグストアで取り扱うさまざまな商品は、いずれも人々の快適で健康な暮らしを保持するために大きな役割を担っており、もはや私たちの生活にはなくてはならないものとなっています。
そこで働く店員の需要も多く、店長候補として、より高いキャリアを目指してステップアップしながら、店員として貢献していくこともできます。
近年では、日頃から健康に気を付け、軽度な身体の不調は自分で手当てをする、いわゆる「セルフメディケーション」の重要性が叫ばれるようになってきました。
こうした影響を受けて、ドラッグストアでも、医薬品の専門知識を有したプロフェッショナルのさらなる活躍に期待が寄せられていくと考えられます。
ドラッグストア店員の就職先・活躍の場
ドラッグストアもしくは販売会社
ドラッグストア店員の中でも、正社員である場合は、そのドラッグストアを展開または提携している医薬品販売会社に就職することになります。
そして各ドラッグストア店舗の担当として、店舗で接客販売をおこない、スーパーバイザーらと協力して各店舗の経営をおこないます。
ドラッグストア店員は、正社員として就職してフルタイムで働くことはもちろん可能ですが、そのほかにも派遣やパート・アルバイトといったさまざまな雇用形態でライフスタイルに合わせてくことができます。
パートやアルバイト勤務のドラッグストア店員は、おもに勤務先のドラッグストアの店長が採用を担当するので、雇用元と勤務先は同じということになります。
ドラッグストア店員の1日
接客販売・商品管理が業務の中心
ドラッグストアでは、商品を買いに訪れるお客さんとの接客や商品販売、品出し、発注などが主な業務になります。
営業時間内で、早番・遅番などのシフトで働くことが多くなっています。
<ドラッグストア店員の1日>
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ドラッグストア店員のやりがい、楽しさ
セルフメディケーションに貢献できる
昨今では「セルフメディケーション」といって、病院の過度な混雑や医療費の圧迫を避けるため、市販薬を活用し、体調管理を行う人が増えています。
ドラッグストアでは昔からある市販薬はもちろん、薬剤師の対面が必要な医薬品も取り扱い、身近な場所で人々の体調管理に貢献できるのが魅力のひとつといえます。
市販薬をより正しく効果的に使用するために利用頻度の確認をしたり、ときには医療機関への受診を勧めたりと、地域住民の健康を守るよきパートナーとなるでしょう。
またドラッグストア店員はこうした接客をするにつれて、医薬品をはじめとした商品知識が増えていきます。
日常生活になじみ深いものがほとんどであるため、知識が増え自分自身の生活で役立つことも多いでしょう。
ドラッグストア店員のつらいこと、大変なこと
医薬品を取扱う苦労や難しさ
ドラッグストアの店員として大変なことのひとつは、「この症状にはどの薬がいいか?」「この薬とこの薬の違いは何か?」などとお客さまから質問される機会がとても多いという点です。
市販薬は正しく使えば効果を望めますが、その反面で副作用を伴うこともあります。
薬品に関する説明をするには医師や薬剤師でも難しいことであり、特別な資格のないドラッグストア店員では、より困難を極めます。
とくにドラッグストアは、老若男女が利用するため、相手のニーズを素早く汲み取って、適切な接客をすることは簡単ではありません。
「薬の効き方」を上手に人々に伝えるには、ときには大変な思いをせねばならないこともあるでしょう。
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ドラッグストア店員に向いている人・適性
さまざまな場所にアンテナを張り、情報収集力にたけている人
ドラッグストアにはいろいろなニーズを抱えたお客さまが訪れますが、体調がかんばしくない人や、その家族は、言葉でコミュニケーションを取ることが難しい人もいます。
お客さまのニーズを的確にとらえるための対話力も必要ですが、相手の状態を的確に把握できる、ノンバーバル(非言語的)コミュニケーションの得意な人は、その特性を生かせるでしょう。
また、ドラッグストアでは話題の商品を売り出したり、新商品を大々的に展開したりすることもあります。
売り上げをアップさせるために、お店に頻繁に来るお客さんの様子や、季節・気候、口コミで話題の化粧品など、いろいろな部分にアンテナを張り、店舗経営に活かせる人も、この仕事に向いているといえます。
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ドラッグストア店員志望動機・目指すきっかけ
医薬品や日用品への興味関心
ドラッグストア店員の志望動機として多いものは、「医薬品や日用品に興味があり、それらを扱う仕事がしたい」という内容です。
近年はセルフメディケーションにより市販薬を使用する人も増え、それによって医薬品に関する興味がわき、ドラッグストアへの関心を持ったという人もいます。
薬剤師などの国家資格を取得するのは難しいですが、ドラッグストアで働きながら登録販売者を目指して勉強をするなど、薬に関する向学心がある人の志望が多いようです。
特別な資格を持たずとも、身近なところで人と接しながら、暮らしの質を高めるお手伝いができる場として、ドラッグストアを選ぶ人もいます。
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ドラッグストア店員の雇用形態・働き方
正社員やパート・アルバイトなど様々な働き方がある
ドラッグストア店員は、店長が正社員、それ以外のスタッフはほぼパート・アルバイト勤務であるという場合が多くみられます。
店長がパートやアルバイト勤務のスタッフをまとめながら、各地域の店舗を束ねるスーパーバイザーと協力して経営方針を練り、店員がそれを実務に反映することもあります。
正社員として働く場合には安定した収入が得られますが、本部社員とパート・アルバイト店員の橋渡しのほか、店の運営も一任されることが多く、責任がともないます。
パート・アルバイトとして働く場合、働く時間・曜日の融通が利きますが、収入は低めになることが多いでしょう。
パートやアルバイトから正社員になる道もありますし、ライフスタイルを鑑みて正社員からパートやアルバイトになるという人もいます。
ドラッグストア店員の勤務時間・休日・生活
店舗の営業時間・定休日に準ずる
ドラッグストアは365日営業しているというところが多く、営業時間も長い傾向にあるため、店員の勤務時間はシフトなどで決められています。
正社員の場合は営業時間内で1日7~8時間、週休2日というところが多いようです。
ただし、店舗運営以外に事務処理もこなさなくてはいけないので、パート勤務の店員と休日が違うことがあります。
それでも、基本的には大幅な残業がある、休日がなかなか取れない、といったことはあまりないので、生活のリズムは安定しやすいでしょう。
パート勤務の場合は、より自分の生活に合ったシフトを組める可能性が高く、子育てや介護をしているなかでも、接客経験と共に薬の知識も得ることができるという点でメリットは多いといえるでしょう。
ドラッグストア店員の求人・就職状況・需要
エリア拡大競争により求人も多い
現在、大手ドラッグストアを中心として販売エリアの拡大競争が激化しており、あらゆるチェーン店の新店舗が続々とオープンしています。
地方においてもドラッグストアは欠かせない存在であるため、日本全国どこを見ても求人は常に豊富にあるといえるでしょう。
パートやアルバイトの求人のほか、店長候補としてキャリアアップを前提にした募集などもあり、ドラッグストアで働きたい人にとっては就職しやすい状況が今後も続くと考えられます。
就職の難易度としてもとりたてて難しいということはなく、だれにでもチャレンジしやすい業界と言えます。
ただし衛生に気を使う職場であり、また覚えることも少なくはないため、清潔感と真面目さは重視されるでしょう。
ドラッグストア店員の転職状況・未経験採用
求人数は多く、オープニングスタッフの求人も多い
ドラッグストアで働くうえで絶対に資格が求められるということはなく、未経験者であっても採用されやすいため、転職のハードルは非常に低いです。
大手ドラッグストアを中心にしたエリア拡大競争にともない、新店舗のオープンも着々と行われているため、求人の数自体も多く、オープニングスタッフとして募集人数も多いことがよくあります。
もともと別なドラッグストア店員の経験がある人が違う店舗に転職する場合、ドラッグストアでの仕事のしかたや商品名などにも詳しく、即戦力として歓迎されます。
別の職種からドラッグストア店員として働く際は、接客経験がある・薬剤師の資格がある・登録販売者の資格があるなどのアピールポイントがあると、より採用されやすいでしょう。
ドラッグストアと調剤薬局の違い
薬剤師が常駐しているか、市販薬を扱っているかなど違いがある
ドラッグストアと調剤薬局の大きな違いは、薬剤師が常駐しているか否かという点です。
調剤薬局は薬剤師が常駐し、医薬品を調剤することができ、主に病院からの処方箋を持参することで薬を処方してもらうことができます。
一方、ドラッグストアは主に一般用医薬品(市販薬)を販売しており、薬剤師が常駐しているとは限りません。
また、調剤薬局は日用品の販売などがなく、一般用医薬品も販売していないところが多いです。
ただし、近年は医薬分業が進んで、院外の調剤薬局に処方箋を出す病院が増えてきています。
そのためドラッグストア内に調剤薬局を設け、薬剤師が常駐しているところも増加しています。