ドッグトレーナーの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
ドッグトレーナーの仕事とは
ドッグトレーナーの仕事は、自宅でペットとして飼われている飼い犬の「しつけ」をすることです。
人とペットが一緒に楽しく暮らしていけるように、トイレや散歩、留守番などのマナーを教えます。
また、無駄吠えや噛み癖など、問題行動をする犬にトレーニングすることで、飼い主の悩みを解消することも大切な仕事です。
犬のしつけは、どの子にも同じやり方が通用するわけではありません。
それぞれの犬の個性を見極めて、その子に合わせた方法を試しながら、根気よくしつけていく必要があります。
また、いくらトレーナーがしつけを行なっても、飼い主と犬の関係がうまくいかなければ、なかなかコントロールすることが難しいものです。
そのため、ドッグトレーナーは飼い主と犬がうまくコミュニケーションをとれるようになるために、都度アドバイスをします。
「しつけ」の専門家として、犬と飼い主がさらに信頼関係を築けるようにお手伝いすることが、ドッグトレーナーの役割です。
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ドッグトレーナーの業務の内容
犬に人間と一緒に暮らすためのマナーを教える
ドッグトレーナーの仕事は、ペットとして飼われている犬に対して、人と暮らすためのさまざまなマナーを教えることです。
具体的には食事、散歩、トイレなどのマナー、無駄吠えや噛み癖などの問題行動を解消するために「しつけ」を行っていきます。
仕事は飼い主の依頼から始まりますが、その際に大切なのは「ヒアリング」です。
どのようなことに困っているのか、トラブル行動はあるのかといったことにはじまり、犬の状態、普段の生活環境、またどのレベルまでしつけをしてほしいかまで、具体的にすり合わせをしていきます。
そのあとは、子犬なら基本的なマナーやルールのしつけを、成犬であればその子の性格や問題行動を解消するためのしつけ方法を考えていきます。
一頭ごとの特徴や習性をよく理解したうえで、根気強くしつけていきます。
飼い主へのアドバイスを行う
いくらドッグトレーナーが丁寧にしつけをしても、飼い主の元へ引き渡した途端、元に戻ってしまったら困りものです。
だからこそ、ドッグトレーナーは飼い主にしつける方法を指導することも大切にしています。
飼い主が日々継続的に正しく犬と接し、犬と良好な関係を築いていけるよう、ドッグトレーニングのプロとして飼い主に適切なアドバイスを行います。
また、家に帰ってから違うしつけ方法をして犬が混乱しないように、飼い主にしつけ方法の共有を行うことも欠かせません。
ドッグトレーナーの役割
近年はペットブームもあって、マンションで小型犬を飼育する人が増えています。
ペットはわたしたちの生活を楽しく、豊かなものにしてくれますが、同時にペット関連のトラブルに頭を悩ませる人も少なくありません。
たとえば「無駄吠え」は、騒音の観点からご近所トラブルにつながりやすい問題です。
また「噛み癖」などの問題行動に頭を悩ませる飼い主も多いですが、犬が噛むのは、言葉を発することができない犬からのSOSの場合があります。
ドッグトレーナーは、それぞれの犬の様子をしっかりと見極めながら、しつけを通してペット関連のトラブルを解決する役割を担っています。
ペットと飼い主の間にドッグトレーナーが関わっていくことで、人と犬はもっと楽しく一緒に暮らせるようになります。
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ドッグトレーナーの勤務先の種類
ドッグトレーナーの代表的な職場は、ドッグトレーニングを行う施設、犬のしつけ教室、しつけサービスを提供するペットショップやトリミングサロン、動物病院などです。
しつけ教室やペットショップで犬を預かっている場合は、犬のお世話から事務作業、電話対応、掃除、送迎などの仕事も含まれる場合があります。
また、基本的なマナーのしつけだけでなく、ショーなどの競技会への出場やドッグスポーツへの参加のためのしつけを手掛けることもあります。
さらに、ドッグトレーナーは、経験を積んでいくと独立する人もいます。
たとえば、自分でしつけ教室を経営したり、お客さまの自宅へ出向いてしつけを行う訪問型のドッグトレーナーになるといった形です。
犬のしつけ教室で働くドッグトレーナー
犬のしつけ教室は、飼い犬に対して「おすわり」「まて」「トイレ」などの基本的なしつけから、無駄吠え、噛み癖などの犬の問題行動を改善し、マナーを教える場所です。
「ドッグスクール」「犬の幼稚園」「犬の保育園」とも呼ばれています。
犬のしつけ教室は個人経営の場合が多く、レッスン内容や方針は教室ごとに異なることが多いです。
たとえば指導の形式だけでも、ドッグトレーナーが犬を預かって1対1でトレーニングする個別指導や、飼い主と一緒にトレーニングする形式、ほかの犬と合同で行うグループレッスンなど、さまざまなスタイルが見られます。
その教室がどのような指導方法をとっているのを、事前に確認しておくとよいでしょう。
ペットショップで働くドッグトレーナー
ペットショップもドッグトレーナーの活躍の場の一つです。
しつけのコツなどを伝えながら、来店したお客さまに接客や販売などを行うことがメインになりますが、なかには「しつけ代行」や「トレーニングサービス」を行っている店舗もあります。
たとえばペットショップの「ジョーカー」の一部店舗ではしつけ教室を開催しており、年齢ごとにクラスが設けられ、トレーニングを行っています。
また大手の「コジマ」でも「パピーレッスン」「プライベートレッスン」「こいぬのほいくえん」などのマナー教室が多数開催されているのが特徴です。
こうしたペットショップでは、ドッグトレーナーの知識を生かして活躍できるでしょう。
ペットショップは個人経営から大手企業まで幅広くありますが、大手に勤める場合は給料や待遇などが比較的安定しているのが魅力です。
ペットホテルで働くドッグトレーナー
ペットホテルは、旅行などで飼い主が家を不在にする際、犬を預かって世話をするサービスを提供しています。
通常のペットホテルでは、預かった犬に対して餌やりや散歩などを行い、犬が慣れない場所でもストレスをためずに過ごせるようにサポートします。
これに加えて、しつけサービス(ショートステイに合わせてトイレトレーニングや、無駄吠え防止トレーニングなど)を行っているホテルもあり、そこではトレーナーの知識や経験を生かすことができるでしょう。
すべてのペットホテルがトレーニングを実施しているわけではないため、トレーナーとして勤務したい人は、事前にサービス内容を確認しておきましょう。
独立・開業して働くドッグトレーナー
ドッグトレーナーは知識や経験を身につけたら、独立して働く人が多いのも特徴です。
独立後のワークスタイルはさまざまですが、自らしつけ教室を経営したり、お客さまの自宅へ出向いてしつけサービスを行ったりする人が多いようです。
また、最近はペットブームで犬と人間がともに過ごす場所が拡大しています。
たとえば、リハビリテーションの一貫として「ドッグセラピー」を積極的に取り入れる老人福祉施設も増えているるなど、ドッグトレーナーが活躍できる場はさらに広がっています。
今後もドッグトレーナーの考えやアイデア次第で、就職先の幅や知識や技術を生かせる機会は多くなっていくでしょう。
ドッグトレーナーの仕事の流れ
ドッグトレーナーの仕事は、飼い主からの依頼で始まります。
いきなりしつけに入るのではなく、「どんな問題行動がある犬なのか?」「飼い主はどこまでしつけを期待しているのか?」「飼い主と犬の関係性は?」などをヒアリングし、事前に犬の状態を把握します。
その後、問題行動をなくすために、さまざまな方法を試しながら犬をしつけていきます。
たとえば同じ犬種の犬でも、覚えが悪い子もいれば、褒められるとすぐに覚えてしまう子もいるなど個性があるため、しつけの仕方は犬の特徴によって変えなくてはなりません。
飼い犬を飼い主の元へ返す際には、どういったしつけをしたら有効かを飼い主に対して丁寧にアドバイスします。
ドッグトレーナーと関連した職業
ドッグトレーナーと犬の訓練士の違い
「ドッグトレーナー」と似た仕事に「犬の訓練士」があります。
ドッグトレーナーは、人が飼う「ペット」を相手に「しつけ」をする職業ですが、「犬の訓練士」は、警察犬・災害救助犬・盲導犬・麻薬探知犬などの「使役犬」を相手に、命令に対して仕事ができる「訓練」を行う職業です。
ペットのしつけとは異なり、犬の訓練士は人命に関わる仕事をする犬を育てるために、厳しい訓練をするのが大きな違いといえるでしょう。
このように対象となる犬と、仕事内容が異なる職業ではありますが、最近では逆の意味で使われることも多くなっています。
たとえば使役犬の訓練を行う仕事を「ドッグトレーナー」と呼んだり、動物の専門学校で使役犬訓練の知識を身につける学科を「ドッグトレーナー科」と名付けていることもあるのです。
そのため「ドッグトレーナー」と耳にしたときは、具体的な仕事内容まで確認しておくとよいでしょう。
ドッグトレーナーとペットシッターの違い
「ペットシッター」は、ドッグトレーナーと同様、ペットビジネスの職業のひとつです。
ペットシッターは、留守にする飼い主の代わりに、犬や猫などのペットのお世話をする仕事で、必ずしもしつけをする必要はありません。
飼い主であるお客さまの依頼に応じて、ペットの散歩や、旅行中の世話などを行うのが、ペットシッターの中心業務です。