ブリーダーの働き方にはどんな種類がある?
ブリーダーの雇用形態
ブリーダーの雇用形態は、大きく分けると以下の4つです。
・正社員
・アルバイト・パート
・フリーランス
・副業・兼業
ブリーダーは、ブリーディング業を営む企業や、有名なブリーダーのもとで正社員、アルバイト・パートとして働く人が多いです。
知識や経験のない人がブリーダーを目指すなら、まずは現場に入って仕事を覚えることが、最も近道になるでしょう。
企業に勤める場合は「研修生」や「サポートスタッフ」としてスタートすることが多く、未経験者を受け入れてくれるところ、動物専門学校卒業生を対象としているところなど、各社で異なります。
ブリーダーはしっかりと知識を身につければ、独立・開業も目指せます。
さらに、ほかの仕事をしながらサイドビジネスとして副業・兼業のブリーダーになる人もおり、希望に合わせてさまざまな働き方を選べるといえるでしょう。
ここからは、それぞれの働き方について詳しくご紹介します。
20代で正社員への就職・転職
正社員のブリーダー
正社員のブリーダーの仕事内容は、動物たちのお世話が中心です。
犬舎の清掃、エサやり、散歩など何十頭もの動物たちの健康管理を含めた対応をし、出産や病気の子がいれば、細かなケア・サポートを行います。
さらに、必要に応じて子犬や子猫を卸す取引業者や飼い主となるお客さまからの問い合わせ対応や、ペットを飼うときのアドバイスなどもします。
職場によって異なりますが、空いている時間には事務作業なども含まれることもあるでしょう。
正社員として働くメリットは、繁殖の知識をはじめ、独立を視野に入れたブリーダーとしてのノウハウを学ぶことができる点です。
トップブリーダーが活躍する企業では、社会保険や寮などを完備しているなど、働きやすい環境が整えられていることもあります。
一方、デメリットとしては、一般的な企業に比べて賃金が低めで、休みが少ないことがあげられます。
給料は一般的な企業の場合は、20代前半で月収18万円前後で年収220万円、30代前半で平均年収が400万円~500万円ほどです。
なかには必要な届け出を行わないまま営業していたり、法律違反のブリーディングを行っていたり、数を産ませるための適当な繁殖を繰り返すような悪質なブリーダーも存在し、社会問題となっています。
倫理面で問題のない企業への就職を考えましょう。
アルバイト・パートのブリーダー
アルバイト・パートのブリーダーの一般的な仕事は、「アシスタント」「サポートスタッフ」という形で飼育している動物たちの餌やり、散歩、掃除が中心です。
経験やスキルに応じて任せられる仕事も増えていきますが、最初はあくまでも師匠となる先輩ブリーダーの補佐業務からスタートすると考えておいたほうがよいでしょう。
アルバイト・パートとして働く場合、動物が大好きな気持ちがあれば、多くの職場では特別な資格や経験が問われないことが多いです。
最近はブリーダーの需要が高まっているため、地域にもよりますが、アルバイト・パートの募集は比較的見つけやすいでしょう。
しかし、命ある動物を「商品」としか見ずに、適切な飼育や繁殖を行わない悪質ブリーダーに出会ってしまう可能性もあります。
アルバイトとして働く先を探すときも、各ブリーダーの考え方や仕事の仕方をよくチェックし、本当に信頼できるブリーダーかどうかを見極めてから決めるべきでしょう。
給料は未経験であれば、時給1,000円程度からスタートすることが一般的です。
20代で正社員への就職・転職
フリーランスのブリーダー
フリーランスのブリーダーは、繁殖に関わるすべての業務を行います。
日常的なお世話から、出産の立会い、生まれたばかりの動物たちや母体のサポート、さらに事務作業や取引企業や飼い主への営業なども必要です。
この働き方のメリットは、自分の生活スタイルにあった働き方ができることです。
たとえば結婚や出産後、育児をしながらでも仕事ができるのは開業の最大のメリットになります。
デメリットとしては、毎月決まった給料がもらえるわけではないため、企業に勤めるよりも不安定な面があることです。
繁殖するには「年1回のワクチン、狂犬病予防注射」「エサ、トイレ、シャンプーなどのケア用品」「定期健診・出産費用」などの経費がかかるため、販売した動物の売り上げすべてが収入になるわけではありません。
たとえば飼育しているメスの犬2匹が1年に2回、3匹ずつ出産した場合、年間12匹の子犬が産まれます。
その子犬たちを10万円で販売すれば120万円の売り上げになりますが、そこから必要経費を引いた分が収入になるのです。
給料は扱う動物の種類や数によって左右されるため、年間200万円ほどしか稼げない人もいますし、1000万円以上稼ぐトップブリーダーもいます。
副業・兼業のブリーダー
副業・兼業のブリーダーの仕事内容は、毎日の餌やりやトイレ掃除、散歩、また出産期になれば夜を徹して子どもの誕生を見守るなど、ほかの雇用形態と変わりません。
専業として働く人がいる一方、ほかの職業に就きながら副業として働くことになるため、両立させるバランス感覚も必要になるでしょう。
兼業としてブリーダーを始めるときも特別な学歴や資格は問われません。
動物の生態や繁殖などに関する知識やスキルがあれば、副業・兼業でブリーディングを行うことも可能です。
ただし本業の種類や忙しさにもよりますが、動物の飼育は決して簡単なことではなく、最初から何匹もの犬や猫を扱うほど大きな規模でスタートすることはやめておいたほうがよいかもしれません。
副業・兼業のブリーダーは、家族みんなで協力して働ける人や、ペット関連の仕事をしている人、犬や猫が大好きで仕事にしたいと考えている人、在宅で仕事をしている人にとっては魅力的な働き方のひとつでしょう。
飼育できる環境や家族の理解があれば、ブリーダーをしながら動物の知識や経験をさらに深めることができ、仕事自体に幸せを感じられるはずです。
一方デメリットは、副業としてブリーダーを始めたとしても、必ずしも儲かるとは限らないことです。
動物の飼育や出産には経費がかかり、ペットショップなどに流通させる場合は価格を叩かれるケースが多いため、場合によっては赤字覚悟で働く必要があります。
トップブリーダーになれば年収1000万円を超える人もいるといわれますが、そのような人はごくわずかです。