「神職・神主」とは

神職・神主_画像

神社に所属し、儀式の執行や参拝者の対応、施設の維持管理、事務処理まで幅広く携わる。

神職・神主とは、神社で働く宗教職です。

神主というのは一般的な呼び名で、正式には神職といいます。

宗教家という色合いが濃い職業ですが、実際には神社において各種儀式の執り行いだけでなく施設の維持管理、事務処理までをこなし、業務の幅が広い職業です。

神職に就くためには、特定の大学や神職養成所で神道について学ぶ必要があります。

世襲で就職する人が多い職業ですが、一般募集をしていることもあります。

収入や待遇についてはあまり恵まれている状況にはありません。

神道は日本に古来から伝わる伝統的な宗教であり、文化です。

神職には、その伝統を現在の人々に伝え、そして後世に引き継いでいくという社会的な意義が強いという一面もあります。

「神職・神主」の仕事紹介

神職・神主の仕事内容

神社を守り神職を担う

神職・神主とは、神社に奉職して、各種儀式の執り行いなどを行う仕事です。

一般的に「神主」と呼ばれることが多いですが、正式には「神職」と言います。

神道という日本古来の伝統やしきたり、文化を後世に伝えていくという、とても重要な役割を担っている存在です。

神社に鎮座している神は、その周辺地域を守る「氏神」と呼ばれ、住民に親しまれ地域のよりどころとなっています。

神職に関する儀式以外にも、参拝者が気持ちよく参拝できるよう境内をはじめとした施設の維持管理をしたり、神社・儀式に関する日々の事務処理などを行ったりと、その業務内容は幅広いものとなっています。

また、各種学校で教鞭を取ったり、敷地内に幼稚園や保育園を併設し、職員を兼任したりしている神職も少なくありません。

神職は男性で女性は巫女というイメージがありますが、近年では女性の神職も増えてきています。

神職・神主の就職先・活躍の場

全国にある神社

神職が神社に就職することを「奉職」といいます。

神職は自らが奉職している神社で働きます。

基本的には神社での仕事が中心ですが、お祓いや地鎮祭などの依頼があれば、自ら現地に出向いて儀式を行うこともあります。

また、神社には複数の神職が奉職していることが多く、「宮司(ぐうじ、みやづかさ)」になると神職や巫女をまとめる責任者として各種祭祀を執り行います。

宮司はお寺でいう住職、一般企業でいうと代表取締役または社長のような役割で、宮司は基本的に一つの神社に一人しか置かれません。

神職・神主の1日

日中の仕事が多い

神職の仕事は基本的に日中に行われるため、大晦日や例大祭などの大きな儀式の日を除けば、多忙になることはほぼありません。

ただし一日のスケジュールはその日によって異なるため、毎日おなじ時間で過ごすことはあまりありません。

6:00 起床
神殿の扉を開ける

6:15
神社の門を開け、本殿、境内を清掃する。

6:45 朝拝
朝のお祓いをし、心身を清める。

7:00 朝食

7:30
社務所で祭祀の準備をする。
注文してあったお供え物を受け取ったり、用具の準備をしたりする。

9:00 出発

9:30 到着
地鎮祭の現場に到着、準備を開始する。

10:00 地鎮祭開始。

11:00 終了
神社に戻り休憩。

13:00
参拝者への対応。
命名や祈祷、結婚式の打ち合わせなどを行うこともある。

17:00
本殿、境内の清掃。閉門。

17:30 「夕拝」
神殿の門を閉める。

神職・神主になるには

神道を学び奉職先を探す

神道界には、階位という概念があり、神職になるために事実上必要な資格として取り扱われています。

取得するためには、大学や専門の神社で神道について学ばなくてはなりません。

その後、神職として神社で働き始めること、つまり一般社会で就職に相当することを、奉職といいます。

神道界は求人情報があるわけではなく、ほとんどの場合は実際に神道を学んで階位を取得したところで、人づてに奉職先を見つけるというパターンが一般的です。

また、世襲で神職になる場合は、生まれ育った家が営んでいる神社にそのまま奉職することになります。

神職・神主の学校・学費

大学か神職養成所で学ぶ

神職になるためには、階位の取得が必須なので、神道を学ぶことは必要不可欠です。

現在、大学で神道を学ぶことができるのは國學院大學(東京都)と皇學館大学(三重県)です。

そのほか、出羽三山神社、志波彦神社・塩竈神社、熱田神宮などが神職養成所を運営しているので、そこで修行をした上で階位を取得することもできます。

階位検定という試験のための講習会や通信教育などがあるので、こうした教育を受けた上で階位検定試験に合格すれば、神職資格である階位を取得することができます。

神職・神主の資格・試験の難易度

神社本庁が定める階位に基づく

全国各地にある神社の大半は神社本庁に所属しています。

およそ8万社の総本山ともいえる神社本庁は、独自の規定により神職資格を定めています。

神社本庁傘下の神社に奉職するためには「階位」という資格が必須で、上から浄階(じょうかい)、明階(めいかい)、正階(せいかい)、権正階(ごんせいかい)、直階(ちょっかい)という5つに区分されています。

明階までは所定の研修を受けることで昇進が可能ですが、浄階に限っては名誉階位という位置づけになります。

神職・神主の給料・年収

神職の月収は上限がある

全体的な傾向として、神職の収入はあまり高くありません。

神社本庁が「どんなに収益のある神社であっても神職の給料の上限は月額60万円まで」という規定を定めています。

ただし、この上限金額60万円を得ている神職は全国的に見ても圧倒的に少ないのが実際のところです。若年の神職の中には年収300万円に届かない人も少なくないという話もあります。

一概にはいえませんが、大半の神職はその階位に応じ、月収20から40万円前後の収入になると考えておきましょう。

神職・神主のやりがい、楽しさ

神を守り続けることで感謝される

全国各地で当たり前のように見ることができる神社ですが、その一つひとつに古来より人々を守り続けてきた神が祀られています。

神社を代々守り続け、長い時間をかけて守られてきたものを次の世代にも伝えていくということにやりがいを感じている神職がほとんどです。

また神道は、初詣・七五三・結婚式など私たちの人生や生活に密接に関わっている文化体系です。

儀式や祭祀などで人々から直接感謝の気持ちを伝えられたときこそ、神職冥利に尽きる瞬間であるといえるでしょう。

神職・神主のつらいこと、大変なこと

神社経営だけでは生活は苦しい

現在は、全国的に有名な規模の大きい神社を除いて、神社経営だけで生計を立てるのは難しいというのが実情です。

神社の多くは敷地内に幼稚園や保育園を併設し、神の教えのもとに幼児教育を行っているところが多くあります。

神職という立場でありながら各種学校で教鞭をとる人もいます。

また、自身の奉職している神社を本務神社とし、普段は無人の地域の鎮守様の宮司を兼務している神職も少なくなく、繁忙期には各種祭祀をはしごすることも多いようです。

神職は、収入面では決して待遇が良いとはいえないのが正直なところです。

神職・神主に向いている人・適性

コミュニケーション能力のある人

神職にとって神道を究めるということは生涯を通じて持ち続ける大きな目的の一つであるといえます。しかし、それだけで神職は務まりません。

神職は氏子や参拝者、祈祷の依頼者などと積極的にコミュニケーションをとる必要があります。

とくに氏子は神社にとってスポンサーという立場の人たちであるため、常日ごろから氏子の言葉には真摯に向き合い協調していく必要があるのです。

神社を末永く存続させるためには、神職が氏子と信頼関係を築いていくことが必要不可欠であると考えてよいでしょう。

神職・神主志望動機・目指すきっかけ

神道に関する自分なりの解釈を

神職を志すにあたって、まず強い情熱をしっかりと話すことができるようにしておきましょう。

神職資格取得課程で学んだ知識やそこから考える自分なりの解釈、また神職に携わることでどのような社会貢献をしたいかなどを簡潔に話せるように準備しましょう。

神社の面接は専願が原則です。

つまり一つの神社の合否が出るまで他の神社の面接は受けられないということになります。

専願である以上、面接を受ける神社に関する知識や理解は必須ですので、あらかじめきちんと調べておくことが必要です。

神職・神主の雇用形態・働き方

一生をささげる人が多い

神職は、一般的な仕事のようにアルバイトや社員といった概念はありません。

基本的に一度奉職してしまえば、ずっと働き続けることができ、よほどのことがない限りリストラなどをされることはありません。

ただし、神職の求人は前述の大学や神職養成所など神職資格取得課程を有する機関にしか出回らないため、就職するにはこうした機関を卒業することが必須です。

その分、養成機関近辺の神社だけではなく全国各地からの求人が集まるため、地域を限定しなければ求人情報は見つけられるでしょう。

神職・神主の勤務時間・休日・生活

休日でも祈祷は欠かせない

一般的な会社員に準ずる勤務体制が基本になっているため、週休2日に相当する休みを取ることができます。

ただし、たとえ休日であっても神道に従事する立場であることに休みはないため、朝夕の祈祷は欠かすことがありません。また、急な葬祭があれば休日返上になることもあります。

ほとんどの神職は一般の会社員と同様に神社に通勤しているという形をとっているため、帰宅後はリラックスして過ごすことができ、仕事とプライベートも切り離して生活できるといえるでしょう。

神職・神主の求人・就職状況・需要

多くの神社は世襲制

従来、神職は世襲でないと神職にはなれないと考えられている時期がありました。実際のところ、現在でも多くの神社が世襲制をとっています。

しかし規模の大きな神社の場合は人数が足りないため、外部の神職にも募集をかける傾向が比較的強いです。

求人数全体でみると、社家以外の募集はそれほど多くなく、志願者数を考えるとかなり高倍率の狭き門であるというのが実際のところです。

世襲でない場合は、大学在籍中から積極的に足を使って、神社とのコネクションを作る努力も必要かもしれません。

神職・神主の転職状況・未経験採用

コネクションがものを言う

中途での採用を目指す場合は、何らかのコネクションがないとかなり難しいようです。

神職の資格を取る前に奉職見込み先を先に見つけておかないと、せっかく資格を取得しても無駄ということにもなりかねません。

神社は、日本全国の各地にあります。

地元の神社だけに絞ると欠員がほとんど出ず、求人に接することができないという可能性もありますが、農村部や山間部などには神職の後継者やなり手に困っているような神社もあるため、全国規模で求人を見ていくことで比較的奉職先を見つけやすくなります。

神職・神主の現状と将来性・今後の見通し

神道の世界に入るチャンスも

これまで神職の世界といえば世襲の文化がありましたが、近年は一般社会との隔たりをなくそうと、神社本庁とは別の宗派に属する神社や、外から神職を募集するケースも増えています。

神職を目指す一般の人にとっては神道の世界に入るチャンスと言えますが、もともと人の入れ替わりがさほど多くない世界であるため、どの神社も募集人員が少ないのが現状です。

今後も大量募集が行われることは考えづらく、いまだに大半が世襲制のため、つてがない人にはこれからも狭き門であるといえます。