「神父・牧師」とは

神父・牧師_画像

カトリックやプロテスタントのキリスト教会に所属し、人々へ布教活動や礼拝、ミサを行う。

神父・牧師とはキリスト教の教えを教えたり、礼拝、ミサを行ったりする聖職者のことです。

それ以外にも、キリスト教信者の葬儀、教会での結婚式などの際に神父、牧師として参加することがあります。

保育施設や社会福祉施設を運営しているケースも多く、そういった施設で働いている神父、牧師も多いです。

キリスト教の中でも、カトリック教の方は神父、プロテスタントの方は牧師と呼びます。

神父は結婚することが許されておらず、女性がなることもできません。

一方、牧師は結婚もできますし、女性でも牧師になることが可能です。

給料は低めで、収入源は信者の献金や冠婚葬祭での手当になります。

神学校や大学の神学部に通って神父、牧師になる人が一般的です。

「神父・牧師」の仕事紹介

神父・牧師の仕事内容

キリスト教の教えを宣教する

神父・牧師は教会に所属し、キリスト教の教えを宣教し、礼拝やミサ、また冠婚葬祭などの儀式の際にも活躍しています。

キリスト教の中でも、神父はカトリック、牧師はプロテスタントの聖職者のことを指しますが、仕事内容はほぼ同様のものとなっています。

カトリックでは神父を聖職者ととらえているため、神父は独身男性であることが条件で、女性は神父になれません。

一方、牧師は教職者という位置づけなので結婚が許されており、教派によっては女性牧師も活躍していて、ほとんどの牧師は家庭を持っています。

保育園や幼稚園を併設している教会は珍しくなく、神父・牧師の中には、宗教家としての専門知識と経験を見込まれ、高校や大学で教鞭を執っている人がいます。

神父・牧師の就職先・活躍の場

全国にある教会

神父の活躍の場は、全国にある教会です。

神父はカトリック教会、牧師はプロテスタント教会で働きます。

神父としてカトリック教会中心に活動したい場合、はじめは約1年間神父のアシスタント役である助祭(じょさい)を経験してから、晴れて神父に就任します。

プロテスタント教会の場合、牧師になるまでの過程は各教派によって異なり、数年間は伝道師として現場に出ます。

その後、再度試験を受け、合格すれば晴れて牧師の職務に就けるというパターンが多いようです。

神父・牧師の1日

朝から夜まで神に祈りをささげる

5:30起床

6:00朝の祈り
聖務日課と呼ばれる、教会法で神父に義務付けられた一定の時間に毎日行う祈りをします。
一般的に、一日5回、早朝、朝、昼、夕方、就寝前に祈ります。

6:30 朝のミサ
早朝のミサは月曜日から土曜日に行い、日曜日のミサは午前2回、もしくは午前と夕方の2回などに開きます。

7:30朝食

8:00
教会が運営する幼稚園での仕事の準備

8:30始業前の祈り

9:00 幼稚園での業務開始

12:00昼の祈り

12:30昼食

13:00教会や幼稚園の事務仕事

14:00 聖書の勉強会
信者の有志を集めて実施します。
日によっては、教区の会議に出席したり、教会まで足を運べない信者を訪ねたり、信者の相談に対応したりもします。

18:30夕べの祈り

19:00 夕のミサ

20:00夕食

20:30
昼間の事務仕事の残りや、ミサで行う説教や聖書の勉強会のための聖書研究など。

23:30就寝前の祈り

神父・牧師になるには

必要なのは「召命(しょうめい)」

神父・牧師になりたいと思ったとき、重要なのは、『召命(しょうめい)』をはっきり感じているかです。

召命とは、神に聖職者への道に進むよう命じられることで、神父・牧師になりたい気持ちだけでは、聖職者の道を歩むには不十分だといいます。

聖職者として生きることは、神に与えられた自分の使命だという確信です。

これが、どんな困難にも怯まず前進するための強力な支えとなります。

神父・牧師への転職を考えるときには、繰り返し自分の気持ちを確かめなければなりません。

神父・牧師の学校・学費

神学校で学ぶ

神父・牧師になるには、基本的に各教派が認定した神学校や大学の神学部での学びが必要です。

カトリック教会はひとつにまとまった教派ですが、プロテスタント教会はいろいろな教派に分かれているので、各教派の認定校を確認してから神学校を選びます。

神父に関しては独身男性であることが条件で、女性は神父になれませんが、プロテスタント教会の教派によっては女性牧師を認めているところがあります。

神父を養成する神学校は6年制、牧師は4年制が一般的で、卒業後にそれぞれの教会に属します。

神父・牧師の資格・試験の難易度

神学校へ入学できる資格

神父・牧師に特別に必要な資格はありませんが、神学校への入学が最低条件です。

主な入学資格としては、教派に入信してから1年から3年以上たっていること、カトリックの場合は所属する教区の司教、プロテスタントの場合は牧師からの推薦などがあります。

また、最終学歴は高校卒業以上、もしくは大学卒業以上を挙げるところが多くなっています。

ただし、大学卒業以上が条件でも、大卒に匹敵する学力がある場合は入学を認める神学校もあります。

なお、神父については独身男性のみ入学可能、女性は不可です。

プロテスタント系の学校の場合、女性も入学できますが、女性牧師を認めるかどうかは教派で異なります。

神父・牧師の給料・年収

給料は低く質素な暮らし

カトリック教会、プロテスタント教会の収入源は、どちらも主に信者からの献金です。

神父も牧師も所属する教会によって給料が異なりますが、カトリック教の神父の場合は「清貧」の精神を取り入れている人が多く、実際、年収200万円程度に達しないケースがほとんどと言われています。

神父は独身で生活費は教会がサポートしてくれるため、ぜいたくはできないものの生活に困ることはないようです。

教会の規模や教派によってはアルバイトや副業をしなければならないところもあり、決して贅沢な暮らしはできないと考えた方がよいでしょう。

神父・牧師のやりがい、楽しさ

キリスト教を伝える使命

神父はカトリック教会の聖職者、牧師はプロテスタント教会の教職者ですが、いずれの教会もキリスト教の宗派です。

キリスト教は現在、世界最大の宗教で、世界人口のおよそ3割に当たる約22億人の信者を抱えています。

2000年もの長い歴史を持ち、膨大な数の人々に信仰されているのは、キリスト教が無数の人々に救いと希望を与えてきた結果といえます。

連綿と続いてきたキリスト教で生きる力を得た多数の人々に思いを馳せ、次世代へ伝える使命や責任を感じる神父や牧師は少なくないでしょう。

神父・牧師のつらいこと、大変なこと

教会のあり方を考える

近年、大きな課題になっているのが、信者を増やすことです。

少子高齢社会の今、カトリック教会も、プロテスタント教会も、若い信者が増えず、信者の高齢化が進む傾向にあります。

最悪の場合、信者が減り続け、教会の存続が危うくなりかねません。

次世代にキリスト教を伝えていくためにも若い世代への宣教は必須の課題で、若い層を引き付けるために、教会はどうあるべきか、どのようにして若者が教会と接する機会を作っていくかに頭を悩ませています。

神父・牧師に向いている人・適性

人の役に立ちたいと思う人

悩みや不安を抱えた人が神父や牧師を頼って教会を訪れることは少なくありません。

やってきた人たち全員を受け入れることが、神父・牧師の大事な仕事です。

そんなとき最も重要なのは、「人の役に立ちたい」、「力になりたい」という気持ちです。どんな悩みを持った人でも受け入れていくには、人の力になりたい気持ちの強さが必要なのです。

そしてじっくりと相手の話を聞いてあげることです。日頃からよく相談を持ちかけられる人、「聞き上手だ」「話しやすい」と言われる人は、神父・牧師向きの人といえます。

神父・牧師志望動機・目指すきっかけ

キリスト教に触れた生活

神父や牧師を目指すきっかけは、家が教会だったり、両親が熱心なキリスト教信者だったりなど、幼いころからキリスト教文化に触れてきたという人がほとんどです。

また、キリスト教を教える学校などでキリスト教に触れ、神父や牧師にあこがれを持って目指したという人も少なくありません。

どちらの場合にしろ、キリスト教に触れた生活が体に馴染んでいて、これからもキリスト教に人生をささげるという決心を持った人でなければ神父や牧師にはなれないでしょう。

神父・牧師の雇用形態・働き方

終身キリスト教に身をささげる

神父や牧師になった人は、一度職についてしまえばよほどのことがない限りその職を解かれることはありません。

終身をキリスト教にささげ、転職はほとんどないといってもよいでしょう。

ただし、教会の結婚式などで活躍している神父や牧師はアルバイトの場合が多いです。

神父や牧師は、日曜日は礼拝、土曜日はその準備に追われるので、牧師に週末の司式を依頼しても、なかなか引き受けてもらえません。

そのため結婚式で祈りをささげる神父や牧師の大半は、普段別の仕事に就いている外国人男性だそうです。

神父・牧師の勤務時間・休日・生活

仕事とプライベートを分けるのが難しい

神父や牧師は、生涯をかけて、信じた神の教えを伝えながら人々に奉仕します。

いつでもどこでも務めを果たさなければならないので、神父・牧師の勤務時間に定めはなく、

プライベートな時間と労働時間をはっきり分けるのは難しくなっています。

ただし、ミサ(礼拝集会)や祈祷会などは、決められた日時に定期的に行うので、生活サイクルは一定していて、多忙でも規則正しい毎日を送ることができ、健康に支障をきたすようなことはないでしょう。

神父・牧師の求人・就職状況・需要

世襲制が根強い

学校を卒業したからと言って、すぐ神父として教会で活躍できるわけではありません。

現在も世襲制が根強いため、家が教会という人でなければすぐに活躍するのは難しいでしょう。

神父の場合は所属教区の教会、牧師志願なら各教派の教会で経験を積む必要があります。

基本的にはコネクションが大切なため、神父・牧師を目指したいという人は、学校に通っているうちからあらかじめ所属する教区や教派の神父・牧師に十分相談しておくとよいでしょう。

神父・牧師の転職状況・未経験採用

転職者も受け入れてくれる

神父・牧師になるには、神学校、もしくは大学の神学部に通う必要があります。

注意したいのは、ほとんどの学校で入学資格として、洗礼から1年から3年以上の信者歴、加えて、神父志願なら所属教区の司教の推薦、牧師志願なら各教派の牧師の推薦が必要であることです。

学校卒業後の現場経験期間を入れて、神学校入学からおよそ5年から10年で神父・牧師と呼ばれるようになります。

時間はかかりますが、転職者でも受け入れてくれる土壌はあり、社会人経験のある神父・牧師ならではの持ち味で、悩める人たちを導いていきたいところです。

神父・牧師の現状と将来性・今後の見通し

新しい宣教の仕方を模索する

日本にキリスト教が伝来してから450年以上経過しましたが、日本のキリスト教信者数は100万人余りで人口に占める割合はわずか1%弱となっています。

キリスト教は、日本人にとってまだよく知られていない存在で、決して身近な宗教ではないのです。

しかも、日本社会の少子高齢化が進む今、キリスト教では信者が増えにくく、信者数に占める高齢者の比率が高まりつつあります。

そんな中、若手ならではの行動力や発想力、各種ITツールやSNSなどを用いたネットワーク作りの知識や経験があれば、新しい宣教の突破口が開けるかもしれません。