全国通訳案内士の年収はいくら? 給料についてくわしく解説
安定した待遇で働ける人は多くない
旅行会社に勤めている全国通訳案内士の給与は勤務先によっても変わってきますが、一般的な初任給の相場は20万円程度で、経験やスキルアップとともに上がっていくでしょう。
何年か経験を積んでいけば400万円以上の年収も可能で、能力によってはさらに高収入になることもあるようです。
しかし実際は、全国通訳案内士は正社員としての雇用形態はほとんどなく、フリーランスとして、クライアントから依頼を受けてスポットで仕事をすることになるため、収入は不安定になりがちです。
フリーランスの場合、収入はその時のツアー内容や、エージェント(派遣会社)によって変わります。
平均すると、1日のガイドでの日当は10,000円~30,000円が相場となります。
数週間などの長期ツアーの仕事が入ると、ある程度まとまった金額を稼ぐことができますが、必ずしも思うような案件が入るとは限りません。
このほかに、食事の手当や時間外手当などが付くかどうかも、エージェントによって違います。
20代で正社員への就職・転職
斡旋としての収入
全国通訳案内士の仕事のなかには、純粋なガイドのほかに、空港やホテルへの送迎や、宿泊先の手配などの「斡旋業」が入ることもあります。
エージェントによって、この仕事を全国通訳案内士に頼むこともあれば、専門の人を用意する場合もあります。
斡旋業務の収入は、仕事の内容にもよりますが、1日あたり数千円~20,000円の間が多いようです。
収入は仕事量で大きく変動することも
全国通訳案内士が得られる報酬は決して単価の悪くないものですが、旅行シーズンによって仕事量に大きな変化が出てきます。
また、経験が少ないうちは仕事を依頼されることが少なく、ベテランに仕事が集中する傾向があります。
一定した収入を得て、通訳案内士のみで生計を立てていくのは難しいなかなか難しいのが現状です。
国の統計によると、通訳案内士の年収で最も多いのが「100万円未満」になっています。
また、年間の稼動日数も「30日以下」が半数以上を占めており、この仕事だけで生活していける人はきわめて少ないと考えておいたほうがよいでしょう。
20代で正社員への就職・転職
兼業で働く人が多数
ほとんどの登録者が、他に収入源を持つなどして、兼業やアルバイトの全国通訳案内士として従事しているようです。
語学力を活かして、通訳や翻訳の仕事を兼業しながら、全国通訳案内士をしている人も多くいます。
ただし、無資格者でも通訳ガイドができるようになった現在だからこそ、今後は確かなスキルが証明されている全国通訳案内士の有資格者が優遇される可能性もあります。
観光立国を目指す日本において重要な役割を持つ仕事なだけに、より安定した雇用体制が期待されます。